多彩な才能の持ち主ヘンニング・クラッゲルードによる
24のタイムゾーンの「音楽による旅」
『分点〜オデッセイ全章(Equinox - The Complete Odyssey)』のタイトルでリリースされるCD2枚のセットは、先にリリースされていた『分点〜ヴァイオリンと室内オーケストラのための全調性による24の後奏曲(24 Postludes in All Keys for Violin and Chamber Orchestra)』にナレーションを加えた、オリジナルの構想どおりに制作されたアルバムです。
「作曲家」ヘンニング・クラッゲルード(Henning Kraggerud)の『分点』は、「ソフィーの世界」で知られるノルウェーの作家ヨースタイン・ゴルデル(Jostein Gaarder)[1952-]とのコラボレーションから生まれた作品です。ゴルデルの「カードミステリー(Kabalmystriet / The Solitaire Mystery)」を基にするこの作品は、ロンドンのグリニッジ公園からアイスランドのイースフィヨルズルのホルンまで、24のタイムゾーン(時間帯)の「音楽による旅」として作られました。
「午後」から「朝」まで、一日の「時」をタイトルとする6楽章の4つの「協奏曲」と「終曲」の「序曲」で構成。「全調性」を使って作曲するという考えは、カナダの音楽学者リタ・ステブリン(Rita Steblin)[1951-2019]の「A History of Key Characteristics in the Eighteen and Early Nineteenth Centuries(18世紀と19世紀初期における「調」の特質の歴史)」からインスピレーションを得たと言われます。
各楽章の演奏に先立つナレーションは、「アマデウス」「眺めのいい部屋」「恋に落ちたシェイクスピア」などの映画で知られるイギリスの俳優サイモン・カロウ(Simon Callow)[1949-]が担当。英語で朗読される「Equinox 24 keys to a world before it slips away(分点〜離れていく前の世界への24の調性)」以下の全文が、ブックレットに掲載されています。音楽の部分は前のアルバムと同じ、2014年にトロムソの教会で行われたセッションの録音です。(輸入元情報)
【収録情報】
『分点〜オデッセイ全章』
ヘンニング・クラッゲルード/ヨースタイン・ゴルデル:分点〜離れていく前の世界への24の全調性
Disc1(67:58)
午後〜ハ調の協奏曲
● グリニッジ ハ長調
● プラハ 二短調
● アレクサンドリア ヘ長調
● バグダッド ト短調
● アラル海 変ロ長調
● ジャイプール ハ短調
夕暮れ〜変ホ調の協奏曲
● ダッカ 変ホ長調
● バイカル湖 ヘ短調
● 杭州 変イ長調
● 京都 変ロ短調
● シドニー 変ニ長調
● ニューカレドニア 変ホ短調
Disc2(75:20)
夜〜嬰へ調の協奏曲
● タベウニ島 嬰ヘ長調
● メアリーズイグルー 嬰ト短調
● タヒチ ロ長調
● ホワイトホース 嬰ハ短調
● サンタバーバラ ホ長調
● プエルトバジャルタ 嬰ヘ短調
朝〜ハ調の協奏曲
● ニューオーリンズ イ長調
● ニューヨークシティ ロ短調
● マナウス ニ長調
● フヴァルセー(カコトック) ホ短調
● フロレス ト長調
● ホルン イ短調
● グリニッジ ハ長調〜序曲
ヘンニング・クラッゲルード(ヴァイオリン、リーダー)
サイモン・カロウ(朗読)
アークティック・フィルハーモニック
音楽部分:
録音時期:2014年6月2-6日
録音場所:ノルウェー、トロムソ、グロンノーセン教会
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作、編集:ショーン・ルイス
録音、ミクシング :アルネ・アクセルベルグ
朗読部分:
録音場所:ロンドン、オールド・ストリート・スタジオ(Old Street Studio)
録音:テイルズ・コージブスキー(Tails Korzybski)
監修:エーリク・ガルド・アムンセン