ロベルト・カーン:ピアノ三重奏曲全集(2CD)
1865年、マンハイム生まれの作曲家ロベルト・カーンのピアノ三重奏曲です。現在では名前すらも残っていない人ですが、若い頃には、晩年のブラームスに高く評価されたこともあり、彼はその幸福な気持ちをずっと持ち続けていたと言います。しかし内向的な性格であったため、その事はずっと隠していて、自身を語る時には「ベルリンでフリードリヒ・カイルに学び、ミュンヘンでヨーゼフ・ラインベルガーに学び作曲家となった」と言っていたそうで、あまりにも幸福だったブラームスとの出会いについては、ついぞ語ることはなかったのだそうです。
そんなカーン、1894年にベルリン・ロイヤルアカデミーの教授職に就き後進の指導にあたっていましたが、ナチスの台頭に伴い1934年にイギリスに亡命、そこで生涯を終えることになりました。彼の生徒にはヴィルヘルム・ケンプ、フェルディナント・ライトナー、アルトゥール・ルービンシュタインなどがおり、どれほど優秀な教師であったかも理解できます。そんな彼のピアノ三重奏曲は、どれも1918年までに書かれており、わかりやすく簡潔な書式を保ったものです。(CPO)
【収録情報】
カーン:
・ピアノ三重奏曲第1番ホ長調 Op.19
・ピアノ三重奏曲第2番変ホ長調 Op.33
・ピアノ三重奏曲第3番ハ短調 Op.35
・ピアノ三重奏曲第4番ホ短調 Op.72
ハイペリオン三重奏団
録音時期:2011年10月、2012年5月
録音場所:ベルリン、シーメンスヴィラ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)