カタラーニ:『ワリー』/チロル州立劇場2012
フォン・デル・ブルク、ルンプ&インスブルック・チロル交響楽団
カタラーニの『ワリー』は、その中の1曲のアリア「さようなら、ふるさとの家よ」のみが良く知られていますが、案外全体の筋は知られていません。これはオペラ自体が上演される機会があまりなく、人々はあの美しいアリアのみで満足してしまっているからに違いありません。チロルを舞台にした物語、実はかなり理不尽な内容です。裕福な地主シュトロミンガーの娘ワリー。彼女は猟師ハーゲンバッハを好きなのですが、彼は彼女に興味なし。父はワリーに執事ゲルナーと結婚するように諭しますが、彼女はいうことを聞きません。そこで父は彼女に「家を出ていくように」言い、そこで歌われるのが、有名なアリア「さようなら・・・」というわけです。彼女が家を出たあと、ほどなくして父は死に彼女は遺産を相続します。そこにやってきたのが執事のゲルナー。彼女は、未だに自分になびかないハーゲンバッハに腹を立てていたので、ゲルナーに「彼を殺して」と頼みます。その願いを聞き入れて、ハーゲンバッハを谷底に突き落としたゲルナー、しかし一時の激情を反省したワリー。彼女は谷底までハーゲンバッハを救出に向かいます。ここで話が終われば、ある意味めでたしめでたしなのですが、このお話はまだもう一山あって、これがまたなんとも切ないというか、やりきれないというか・・・。
そんなこのオペラ、ワリー役はもちろんのこと、テノールのハーゲンバッハ役にも困難な歌唱が求められます。映像としては世界初収録のこのオペラ。貴重な1枚です。(CAPRICCIO)
【収録情報】
● カタラーニ:歌劇『ワリー』全曲
シュトロミンガー:マルク・クーゲル(バス)
ワリー:スザンナ・フォン・デル・ブルク(ソプラノ)
ジュセッペ・ハーゲンバッハ:パウロ・フェッレイラ(テノール)
ヴィンセンツォ・ゲルナー:ベルント・ヴェレンティン(バリトン)
ワルター:スザンヌ・ランクバイン(ソプラノ)
アフラ:クリスティーナ・コスマーノ(メゾ・ソプラノ)
イル・ペドーネ:ヨハネス・ヴィンマー(バス)
チロル州立劇場合唱団(合唱指揮:ミシェル・ロバージ)
インスブルック・チロル交響楽団
アレクサンダー・ルンプ(指揮)
演出:ヨハンネス・ライトマイアー
装置:トーマス・デルフラー
衣装:ミヒャエル・D・ツィメルマン
照明:ヨハン・クラインハイン
収録時期:2012年
収録場所:インスブルック、チロル州立劇場(ライヴ)
収録時間:119分
画面:カラー、16:9
音声:DDステレオ、DD 5.1
字幕:英・独・伊
NTSC
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