カスティリョーニ:ピアノ作品全集 第1集
20世紀後半のイタリア音楽界において、際立った個性の持ち主であったニコロ・カスティリョーニ。ボリス・ブラッハーとフリードリヒ・グルダに師事、ストラヴィンスキーに影響を受けた新古典主義の作曲家としてデビューした後、前衛作曲家として活動しました。1966年にアメリカに行き、大学で教えながら次々と作品を発表し、時には不条理な作風で物議を醸しましたが、1970年にイタリアに戻ってからは原点に回帰、ミラノ音楽院で作曲を教えながら1996年に亡くなるまで多くの作品を遺します。
世界初録音を含むこの全集の第1巻では、カスティリョーニの初期のピアノ作品から、習作とも言えるピアノ・ソナチネを始め、新古典派風の『小組曲』、12音技法を探求した『4つの歌』などの作品と、彼の死後に遺品から発見された『ソナチネ第2番』などの後期の作品を併せて収録。組曲の1曲のみがアップライトピアノで演奏するように指定された『夏の過ごし方』や晩年の簡素化された作風による『はじめにダンスあり』も興味深い作品です。
ピアニストのアルド・オルヴィエートは20世紀イタリア・ピアノ作品のスペシャリストとして、幅広いレコーディングや演奏活動を行っています。(輸入元情報)
【収録情報】
カスティリョーニ:
1. ピアノ・ソナチネ ト長調 (1952)
2. 小組曲 ト長調 (1952)
3. 4つの歌 (1954)
4. 楽興の時 (1954)
5. 夏の過ごし方 (1983)
6. ピアノ・ソナチネ (1984)
7. ピアノ・ソナチネ第2番 (1987)
8. 森の中の鹿 (1988)
9. はじめにダンスあり (1989)(ワルツ A/イモムシの歌/ワルツ B/蝶の歌/ワルツ C)
10. 前奏曲、コラールとフーガ
アルド・オルヴィエート(ピアノ/Fazioli F278, Yamaha U1 upright piano)
録音時期:2022年1月31日〜2月3日
録音場所:Sala del Chiostro dei Cipressi, Fondazione Giorgio Cini, Venice
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
世界初録音(1-4,7)