バルトーク、そして宇宙をも感じさせる
刺激的なリズムに満ちたエトヴェシュ作品集
エトヴェシュにとって「母国語」音楽はバルトークである、といいます。『6人のためのソナタ』は、もともとは2006年のバルトーク生誕125周年にあわせて書かれたピアノ協奏曲「CAP-KO (Concerto for Acoustic Piano, Keyboard, and Orchestra)」。もとはピアノ、キーボードとオーケストラのための協奏曲で、キーボードはピアノが奏でた素材を拡大したりするために用いられました。エトヴェシュはこの作品でバルトークの開拓精神を象徴したかったといいます。この協奏曲を6人の奏者のために編曲したのが『6人のためのソナタ』。バルトーク的な連続8度などが印象的な作品です。
『詩篇151』は、フランク・ザッパが1993年に42歳の若さで亡くなったことへの悲しみを込めた作品。エトヴェシュは「ザッパがこんなに若くして死んでしまうなんて、神を信じることはできない、むしろ神に抗議したい」と述べており、この抗議の意が込められたような作品となっています。
『コスモス』はバルトークの『ミクロコスモス』にかけたものですが、同時にガガーリンの有名な宇宙飛行直前の1961年3月に書かれたもの。エトヴェシュは当時17歳で、ガガーリンはこの若き作曲家の想像力に感銘をうけたといいます。(キングインターナショナル)
【収録情報】
エトヴェシュ:
1. 6人のためのソナタ(2人の鍵盤楽器奏者、3人の打楽器奏者、1人のサンプリング・ピアノ奏者のための) (2006)
2. 詩篇151(フランク・ザッパの思い出に)
3. コスモス(1または2つのピアノのために) (1961/1999) (2台ピアノ版)
グラウシューマッハー・ピアノ・デュオ(:1,3)
ケルン打楽器四重奏団
パウロ・アルバレス(キーボード:1)
録音時期:2007年(3)、2008年(1)、2010年(2)
録音方式:ステレオ(デジタル)