ヴェルザー=メスト&クリーヴランド管弦楽団
アメリカを代表する作曲家、ジョージ・ウォーカー作品集!
ピューリッツァー賞受賞作『ライラック』収録
フランツ・ヴェルザー=メストが率いるクリーヴランド管弦楽団のレーベル最新作は、2022年が生誕100年となるアメリカを代表する作曲家、ジョージ・ウォーカーの作品集。ピューリッツァー賞を受賞した声楽とオーケストラのための作品『ライラック』、そして弦楽合奏のための『アンティフォニー』およびシンフォニア第4番、第5番を収録しています。
「ジョージ・ウォーカーの音楽はとても濃密で、それが10分ほどの作品だとしても、30分の長さのほかの音楽と同じくらい精神的に疲弊します。トリッキーであり、難しく、要求が多く、挑戦的で、激しさと本物の声があります。私はそれを非常に楽しんでいます。」(ヴェルザー=メストの言葉)
ジョージ・ウォーカーは、1996年にアフリカ系アメリカ人音楽家として初めてピューリッツァー賞(音楽部門)を受賞した、アメリカを代表する作曲家。1922年、ジャマイカからの移民で医師であった父と、アメリカの政府の印刷局で働いてウォーカーの才能を早くから認めた母のもとに生まれました。オバーリンでピアノを学んだのち、カーティス音楽院でピアノと作曲を学び、1945年、同音楽院初の黒人の卒業生となりました。クリーヴランド管との縁は1947年4月にまでさかのぼります。当時就任2年目に入ったばかりの音楽監督ジョージ・セルに「親愛なるマエストロ・セル、はじめてお便り申し上げます。この弦楽合奏のためのアダージョをご覧いただきたく存じます。この曲を気に入っていただき、演奏していただけることを願っています。・・・」という手紙とともに作品を送ったのです。セルはこの時この作品を演奏はしませんでしたが、のちにこれは『弦楽のためのリリック』という名で傑作のひとつに数えられることとなりました。ウォーカーは生涯を通じて、自分の音楽を世界の偉大なオーケストラや有名なホールで演奏してもらうために闘い続けました。ウォーカーは2018年、彼の作品に再び注目が集まるのを見届けることなく、96歳でこの世を去りました。
本盤の中でも特に注目なのが、声楽とオーケストラのための作品『ライラック』。ウォルト・ホイットマンによるエイブラハム・リンカーンへの追悼詩「When Lilacs Last in the Dooryard Bloom'd」の4節に合わせたこの作品で、ウォーカーはピューリッツァー賞を受賞しました(ボストン響による委嘱作。世界初演は小澤征爾の指揮によって1996年に行われました)。無調作品ですが、歌の旋律は常にハーモニーに彩られて、ライラック、鳥、星というこのテキストの3つの重要な要素が効果的に音で描かれてゆきます。(輸入元情報)
【収録情報】
ウォーカー:
1. アンティフォニー
2. シンフォニア第4番『Strands』
3. ライラック
4. シンフォニア第5番『Visions』
ラトニア・ムーア(ソプラノ:3)
クリーヴランド管弦楽団
フランツ・ヴェルザー=メスト(指揮)
録音時期:2020年10月、2021年10月、2022年3月
録音場所:クリーヴランド、セヴェランス・ミュージック・センター、ジャック・ジョセフ&モートン・マンデル・コンサート・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
SACD Hybrid
CD STEREO/ SACD STEREO