フィンランドの作曲家、カレヴィ・アホの
金管楽器のための協奏曲2篇
SACDハイブリッド盤。フィンランドの作曲家カレヴィ・アホのシリーズ。ティンパニと管弦楽のための協奏曲と、ピアノと管弦楽のための協奏曲第1番につづく新作は、金管楽器のための2つの協奏曲です。
トロンボーン協奏曲は、ヨルゲン・ファン・ライエンが、2006年に受けたボルレッティ=ブイトーニ・トラスト賞の賞金を原資にカレヴィ・アホに委嘱。2012年3月2日、フィンランドのサントゥ=マティアス・ロウヴァリ指揮ハーグ・レジデンティ管弦楽団の共演で初演しました。アホがトロンボーンのための協奏的作品を手掛けるのは、「協奏交響曲」のスタイルによる交響曲第9番に続いて2度目。作曲に先立って彼はアムステルダムを訪れ、ライアンから教わった楽器の可能性と彼の技巧と個性を投影する作品に作りあげました。4楽章の作品。トロンボーンの「歌」とソリストの実際の「歌」を共鳴させるコラール風パッセージが組みこまれた抒情的な第1楽章と、ジャンベと2つのコンガの複雑なリズムが支配するプレストの第2楽章。第3楽章アダージョの間奏曲と、ジャンベとコンガがさらに複雑なリズムで演奏するヴィヴァーチェそしてトランクィッロの第4楽章。楽章を2つずつ休止なく(アタッカ)演奏する構成がとられています。
トランペットとシンフォニック・ウィンドオーケストラのための協奏曲は、ロンドン・ブラス・ヴィルトゥオージとのプロジェクトとして始まり、計画が撤回されたため、フィンランドのシンフォニック・ウィンドオーケストラ「Sisu」とヘルシンキの衛兵バンド(Kaartin soittokunta)が共同で委嘱、王立フランダース・フィルハーモニック(現アントワープ交響楽団)も参加して作曲が実現した作品です。中規模の交響楽団の管楽器セクションにアルトとテナーのサクソフォーン、バリトン・ホルン、3人の打楽器奏者を加えた編成。ソロ・トランペットには特殊奏法を含む高度な技巧とセンスが求められます。ミステリオーソの第1楽章。ジャズの要素が織りこまれるヴィヴァーチェの第2楽章。第3楽章(間奏曲とカデンツァ)からアタッカでカプリッチョ(気まぐれに)の第4楽章「終曲」へ。終幕、ソロ・トランペットが最初の楽章の余韻を響かせます。ウィンドオーケストラのテクスチュアとハーモニックスが活かされた、美しい彩りの音楽。アラン・ド・リュデのトランペット、アントワープ交響楽団とマーティン・ブラビンズの指揮。2012年3月31日の初演メンバーによる録音です。(輸入元情報)
【収録情報】
アホ:
1. トロンボーンと管弦楽のための協奏曲 (2010)
2. トランペットとシンフォニック・ウィンドオーケストラのための協奏曲 (2011)
ヨルゲン・ファン・ライエン(トロンボーン:1)
アラン・ド・リュデ(トランペット:2)
アントワープ交響楽団
マーティン・ブラビンズ(指揮)
録音時期:2015年7月
録音場所:ベルギー、アントワープ
録音方式:ステレオ(DSD/セッション)
SACD Hybrid
CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND
【ヨルゲン・ファン・ライエン Jorgen van Rijen[1975-]】
オランダのトロンボーン奏者。ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席奏者を務め、現代とバロック期の楽器のスペシャリストとしてレパートリーを開拓。ソリストとしても活躍しています。アルヴォ・ペルトとJ.S.バッハの作品による『フラトレス』が、ソリストとしての最新録音。
【アラン・ド・リュデ Alain de Rudder】
ベルギーのトランペット奏者。ルーヴェンのレメンス音楽院とブリュッセルの王立音楽院で学び、カールスルーエの州立音楽大学でラインハルト・フリードリヒに師事。1990年、ヨーロッパ・ユース・オーケストラのソロ・トランペット奏者に選ばれ。現在、アントワープ交響楽団の首席トランペット奏者。ピリオド楽器の奏者としてシャンゼリゼ管弦楽団とコレギウム・ヴォカーレ・ヘント管弦楽団の第1ソロ・トランペット奏者を務めています。
【マーティン・ブラビンズ Martyn Brabbins[1959-]】
イギリスの指揮者。キーロフ歌劇場、スカラ座、バイエルン国立歌劇場、リヨン国立オペラなどを経て、イギリス・ナショナル・オペラの音楽監督。BBC Promsに定期的に出演、イギリス各地のオーケストラを指揮。新作の初演も数多く手がけてきました。賞を受けたコルンゴルト、バートウィッスル、ハーヴィのオペラを含む、120を超すCD録音を行っています。(輸入元情報)