ゼロ時間へ ハヤカワ文庫

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784151300820
ISBN 10 : 4151300821
フォーマット
出版社
発行年月
2004年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
16cm,382p

商品説明

残忍な殺人は平穏な海辺の館で起こった。殺されたのは金持ちの老婦人。金目的の犯行かと思われたが、それは恐るべき殺人計画の序章にすぎなかった――人の命を奪う魔の瞬間"ゼロ時間"に向け、着々と進行する綿密で周到な計画とは?ミステリの常識を覆したと高い評価を得た野心作の新訳版。

内容詳細

残忍な殺人は平穏な海辺の館で起こった。殺されたのは金持ちの老婦人。金目的の犯行かと思われたが、それは恐るべき殺人計画の序章にすぎなかった―人の命を奪う魔の瞬間“ゼロ時間”に向けて、着々と進められてゆく綿密で用意周到な計画とは?ミステリの常識を覆したと評価の高い画期的な野心作を新訳で贈る。

【著者紹介】
アガサ・クリスティー : 1890年、保養地として有名なイギリスのデヴォン州トーキーに生まれる。1914年に24歳でイギリス航空隊のアーチボルド・クリスティーと結婚し、1920年には長篇『スタイルズ荘の怪事件』で作家デビュー。1926年には謎の失踪を遂げる。様々な臆測が飛び交うが、10日後に発見された。1928年にアーチボルドと離婚し、1930年に考古学者のマツクス・マローワンに出会い、嵐のようなロマンスののち結婚した。1976年に亡くなるまで、長篇、短篇、戯曲など、その作品群は100以上にのぼる。現在も全世界の読者に愛読されており、その功績をたたえて大英帝国勲章が授与されている

三川基好 : 1950年生、早稲田大学大学院修士課程修了、早稲田大学文学部教授、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    財産も地位もある老嬢の邸で起こった殺人事件。いわば典型的で古典的なミステリーである。ただし、ポアロのような探偵は登場しない。しいて事件解決の中心人物をあげるとすればバトル警視か。彼の推理が冴えわたり…ということもまたない。警察小説かといえば、またそうでもない。解説(権田萬治)によれば「新しい試み」だというのだが、「ゼロ時間」という発想は確かにそうだ。しかも、その限りにおいては論理的である。ただし、小説は重大な視点が終盤まで隠されている上に、真犯人を起訴するには証拠があまりにも脆弱であり論理性を欠く。

  • W-G さん

    未読の名作をまた一冊消化。文句なくクリスティ作品の上位。『アガサクリスティ完全攻略』にあったように、同時期発表の『ナイルに死す』『白昼の悪魔』で繰り返された三角関係モチーフの総決算。トリックらしいトリックはないにも関わらず、人物の見せ方が本当に上手い。たとえば、メアリーとトーマス。ハッキリした描写はそれまで一つもないのに、「トーマスが好きなのはメアリー」と言われたら、スンナリ納得出来てしまうように描写されている。反して、ラストでオードリーがチョロすぎる女になっているのは読者サービスとして許容しよう。

  • ちょろこ さん

    ポアロじゃないクリスティも良い、一冊。金持ち老婦人殺害事件は金銭目的か?単純な事件に見せかけながらそこに至るまでの綿密、巧妙な計画、絡み合う人間模様、奥が深い人間心理を描き魅せるミステリ。ポアロはいない。けれど論理的に時に大胆に、決めたらとことん突き詰めていくバトル警視が良い。充分読者を魅了する面白さだ。殺人事件自体は物語の結末、つまりゼロ時間。これは実に言い得て妙。今、この瞬間にもゼロ時間へ向かって思いが集約しつつあるのか…。心に芽生えた些細な思いが人を変える怖さ、そこも味わえた満足な読書時間だった。

  • 🐾Yoko Omoto🐾 さん

    クリスティは人間の愛憎に焦点を充てた作品が非常に多いのだが、今作もそういった負の感情を巧みにストーリーに織り込んだ素晴らしさ。フーダニットにおいてラストまで翻弄する手腕は見事で、一見事件とは関係のないエピソードも実は心理的側面における伏線になっていることに感嘆する。中盤まで事件は動かず派手さはないが、序盤で不穏な人間模様を微細に描写することで結末の恐ろしさにより説得力を持たせる技巧的な展開。「殺人は結果なのだ。物語はそのはるか以前から始まっておりすべてがある点に向かって集約していく。そう、ゼロ時間に…。」

  • buchipanda3 さん

    探偵役はバトル警視。彼は他の作品でポアロと共演したことがあり、その影響からか今回、事件を解決に導くポアロばりの違和感に対する嗅覚を見せたことにニヤリ。そして何より本作で感服させられたのは題名も含めた幾つかの伏線だった。特にプロローグで語られるゼロ時間への言及。終盤にその本当の意味に気付き、思わず膝を打った。トリックについては、途中、以前見たTVドラマ(そちらはミスマープルが探偵役)を思い出してしまい、さらに解決の流れがやや強引とも感じられたが、それらが気にならないほど著者の描いた見事な構図が印象に残った。

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