シューマンの指

奥泉光

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062163446
ISBN 10 : 4062163446
フォーマット
出版社
発行年月
2010年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
奥泉光 ,  
追加情報
:
304

商品説明

生誕200周年・シューマンに捧げる、本格音楽ミステリ!

高校3年の春、彼の前に現れた天才美少年ピアニスト。その白く艶めかしい指が奏でたのは、≪殺人の序曲≫だった――。
甘美なる調べ。衝撃の結末。
生誕200周年・シューマンに捧げる、本格音楽ミステリ

シューマンの音楽は、甘美で、鮮烈で、豊かで、そして、血なまぐさい――
シューマンに憑かれた天才美少年ピアニスト、永嶺修人。彼に焦がれる音大受験生の「私」。卒業式の夜、彼らが通う高校で女子生徒が殺害された。現場に居合わせた修人はその後、指にピアニストとして致命的な怪我を負い、事件は未解決のまま30年の年月が流れる。そんなある日「私」の元に修人が外国でシューマンを弾いていたという「ありえない」噂が伝わる。修人の指に、いったいなにが起きたのか。

野間文芸賞受賞後初、鮮やかな手さばきで奏でる“書き下ろし”長篇小説。

内容詳細

シューマンに憑かれた天才美少年ピアニスト、永嶺修人。彼に焦がれる音大受験生の「私」。卒業式の夜、彼らが通う高校で女子生徒が殺害された。現場に居合わせた修人はその後、指にピアニストとして致命的な怪我を負い、事件は未解決のまま30年の年月が流れる。そんなある日「私」の元に修人が外国でシューマンを弾いていたという「ありえない」噂が伝わる。修人の指に、いったいなにが起きたのか。鮮やかな手さばきで奏でる“書き下ろし”長篇小説。

【著者紹介】
奥泉光 : 1956年、山形県生まれ。国際基督教大学教養学部人文科学科卒業。同大学院修士課程修了(博士課程中退)。現在、近畿大学教授。1993年『ノヴァーリスの引用』で野間文芸新人賞、1994年「石の来歴」で芥川賞受賞。2009年『神器 軍艦「橿原」殺人事件』で野間文芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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今年が生誕200年にあたるのは微かに知って...

投稿日:2010/10/11 (月)

今年が生誕200年にあたるのは微かに知っていたが、こんなトリビュートが用意されていたとは!これほど愛情に満ちた献辞は知らない。ただし、音楽に対する造詣の深さに比べて、死や傷害については「アイテム」という感じで、少し軽く扱われているような感じがして気掛かり。とは言っても大変興味深い作品であり、シューマンを聴くという楽しみを増やしてくれる。『音楽嗜好症〜ミュージコフィリア』を併せて読むことをお薦めする。

間 諦 さん | 奈良県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア さん

    修人を通して語られるシューマンに関する音楽論を開陳することと殺人事件と、はたしてメインプロットはどちらだったのか。あるいは、修人と物語の語り手である里橋優の相関を造型することこそがそもそもの目的であったのか。また、シューマン論は奥泉光の言説なのか、あるいは最後に掲げられた参考文献に負うのかも不明だが、いずれにしても詳細を極めるシューマン讃歌である。一方の殺人事件の方は後段に数々の工夫が凝らされているとはいえ、やはりミステリーとして見るならば杜撰さは隠せない。してみると、やはり語りたかったのはシューマンか。

  • 遥かなる想い さん

    このミステリーがすごい!2011年度5位。音楽好きにはたまらない青春ミステリーなのだろう。ただ肝心の事件解明に入るまでの前半部があまりに長く音楽の基礎知識に乏しい私には 少し負担となった。修人の名前に意味があるとは・・

  • エンブレムT さん

    読了すると共に、脳内に響き渡ったのはレベルアップ時の音楽!タラララッラ〜ラッラ〜♪かしこさが1上がった。忍耐力が1上がった。「いや、もったいぶらずに今語れよ」の悪態を覚えた(笑)・・・ミステリーとして読むと辛い物語でした。かといってキャラ読み出来るか?といえば、そういうわけでもない。描かれている人物は記号と化し、絡み合うことで色々なフレーズを奏でていく。・・・シューマンの音楽を物語として表現したかったのかな。あるいは、シューマンに魅了された者の見ている世界を。甘美で豊かで・・・静かなる狂気を孕んだ世界を。

  • とら さん

    正直な所この本の半分くらいまで全然面白くなかったです。音楽には興味あるけれどクラシックで、しかも専門用語使いまくり。新参者がついていけるわけがない。でも、その駄目駄目な評価が裏返る所がありました。急に自分でも読める場面が出てくるんです。そう、殺人。ミステリだったのか!と自分の中での評価はぐんっと上がりましたwそれから、何回かのどんでん返しがあって、本屋大賞ノミネートも頷けるかなあ、というレベルまでなんとか達した。その先を描けよ!というラストだったけれど、その返事を待たない所が逆に良かったのかもしれない。

  • ミナコ@灯れ松明の火 さん

    クラシックのライナーノーツをひたすら読んでいるような前半。シューマンに関する造詣の深さや、音楽を美しい文章で表現する豊かな文才は素直にすごい!と思った。事件が起きてからはミステリっぽくはなるものの、全てが嘘であるかのような、ものすごく不安定な空気が漂う。指の再生の謎を解いてゆくんだな、、、とまんまと勘違いして最後まで読み、ラストはえー!?でした。いろんな意味で。表紙の血痕、拭き取ろうとしてしまいましたよ・・。

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