『ショパン・ファンタジー〜ヴァイオリンとピアノのための編曲集』　鈴木理恵子、浦壁信二

ショパン・イヤーの最後を飾るアルバム。
大ヴァイオリニストの編曲による美旋律を
鈴木理恵子が美しく謳いあげる。

キングインターナショナル「たまゆらレーベル」最新盤。ショパンはヴァイオリン曲をひとつも残していないため、このジャンルでは蚊帳の外といえます。
　しかし彼の有名作にはヴァイオリン用編曲が多数存在します。そのなかには名だたるヴァイオリンのヴィルトゥオーゾの手による魅力的なものがありながら、何故かあまり知られていません。ショパンと同郷のフーベルマンやリピンスキのポーランド風味あふれる編曲、作曲家としても名高いサラサーテ、クライスラー、コニュスによる凝った編曲は、単にショパンの美しいメロディをヴァイオリンが奏でるのではなく、ヴァイオリン曲として再創造していて聴き応え満点。むしろショパンの長いメロディ・ラインを音符通りに弾くことや、ピアノではやりたくてもできないポルタメントの効果など、ヴァイオリンの方がはるかに向いているように思え、オリジナルのような説得力を示します。
　読売日本交響楽団のコンミスも務める鈴木理恵子。完璧な技巧とたっぷりとした美音、そして何より円熟の至芸で「大人のショパンの詩情」を美しく謳いあげます。
　ヴァイオリン・ファンのみならずショパンを学ぶ方々すべてに是非聴いていただきたい、目からウロコの連続に満ちた驚きのアルバムです。（キングインターナショナル）

【収録情報】
ショパン：
・ワルツ第3番イ短調 Op.34-2（サラサーテ編）
・ワルツ第4番ヘ長調 Op.34-3『華麗なワルツ』（サラサーテ編）
・ワルツ第6番変ニ長調 Op.64-1『小犬』（コニュス編）
・ワルツ第7番嬰ハ短調 Op.64-2（フーベルマン編）
・ワルツ第8番変イ長調 Op.64-3（サラサーテ編）
・ワルツ第9番変イ長調 Op.69-1『別れ』（プロテーニ編）
・ワルツ第10番ロ短調 Op.69-2（プロテーニ編）
・ノクターン第1番変ロ短調 Op.9-1（リピンスキ編）
・ノクターン第2番変ホ長調 Op.9-2（サラサーテ編）
・ノクターン第20番嬰ハ短調『遺作』（ミルシテイン編）
・練習曲ヘ短調 Op.25-2（ブルメスター編）
・練習曲ホ長調 Op.10-3『別れ-曲』（ヴェクスレル編）
・ポロネーズ嬰ハ短調 Op.26-1（リピンスキ編）
・マズルカ第7番ヘ短調 Op.7-3（フーベルマン編）
・マズルカ第23番ニ長調 Op.33-2（クライスラー編）
・マズルカ第45番イ短調 Op.67-4（クライスラー編）

　鈴木理恵子（ヴァイオリン）
　浦壁信二（ピアノ）

　録音時期：2009年8月24日、2010年5月12日、6月9日
　録音場所：キング関口台第1スタジオ
　録音方式：デジタル192kHz 24bit高音質録音（セッション）