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Review List of ニャンコ先生 

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  • 1 people agree with this review
     2013/05/26

    他のレビュアーがお書きのとおり、素晴らしい曲集のすばらしい演奏、録音もクセがなく(適度なオン・マイク+多すぎないホールトーン)、そしてこの価格!「深遠なバロック」に触れたい方には第一にお薦めする盤である。この盤が気に入ったら、同年生まれのAlbertiniのVnソナタ集も聴いてみることをお勧めする。

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     2013/05/25

    この価格なら買って損はない。80年代にDGから出した全集のほうが音はすこしだけ良いが、解釈の斬新さと演奏の集中力という点ではこのEMIの全集が勝っていると思う。録音は、残念ながらこの年代のEMI特有のこもった硬い音である。それを差し引いても、ハンマークラヴィーアを「内向的情熱」とでもいった熱気をただよわせて最後までだらけず弾き切った演奏や、ワルトシュタインの非常に遅い最終楽章(このテンポは後のDG盤でも踏襲)など、聴きどころは多い。

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     2013/05/24

    第3巻くらいまで出た頃、とりあえずどれか聴いてみようと思い、1枚で76分と長時間録音なのに惹かれてこの第1巻を買った。同レーベルにピアノ三重奏全集を録音している現代楽器、現代奏法のトリオが伴奏を務めている。当然、器楽の演奏水準は高く、歌唱もそれに劣らずしっかりした現代唱法である。18世紀末のトムソン家のサロンコンサートの再現というよりは、現代の小ホールで演奏されるイギリス民謡名曲コンサート会場にいるような感じだ。さて、この27曲を聴いて、では第2集、第3集も・・・と手が伸びたかというと、私は遠慮した。もうこの1枚で十分、という感じである。とはいえ、例によって18CDの全集を完成して見せたブリリアントに敬意を評して、全集の価格が今の半値くらいに下がったら、気の迷いで購入してしまうかもしれない。

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     2013/05/24

    実はCD1、4だけを欲しかったのだが、CD3が「作曲者監修」と読んでは聴いてみたくなるのが人情で、この3枚を別売りで買うより結局このセットで買ったほうが安い、ということで購入。ブーレーズのメシアン演奏は以前から大好きだったので堪能した。それとともに、チョンという指揮者がこれだけメシアンに打ち込んでいて、それをDGがしっかりとバックアップして立派な録音として残していることに感服した。正直言ってCD5〜9は「わけがわからん」という感じで聴いたが、それでもこのようなセットに出会えたことへの感謝の念にかわりはない。

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     2013/05/24

    メシアン独特の管・打楽器だけで作りだす響きを堪能できる1枚である。演奏がすばらしいのは言うまでもないが、DGの豊かな響きをとらえた録音で聴くと、いちだんと感銘を深くする。(実は10CDの超お買い得セットで入手したのだが、この盤が特に気に入ったのでこちらにもレビューを書かせていただいた。)

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     2013/05/24

    ブーレーズの指揮、しかもクリーヴランドの洗練された響き、しかもDGデジタル期の潤いと解像度がバランスした録音で聴くメシアンは、作品の本来の姿を伝えているのかどうかは別として、非常に充実した音楽体験を与えてくれる。(実は10CDの超お買い得セットのほうで入手したのだが、この盤が特に気に入ったのでこちらにもレビューを投稿した。)

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     2013/05/24

    HMVでUSEDをとても安価で売っていたので、つい買ってしまった。演奏は82年録音の旧盤よりも一段と自由に、優しく、懐が深くなったと感じた。技術の衰えは全くなく、弾きこんだ成果で、さらに完璧さを増している箇所も多い。ピリオド奏法は使わないが、ピリオド楽器の影響なのか、調弦が旧盤よりも半音近く低い。これも音の深みが増して聴こえる要因だろう。解釈上は、テンポを遅めに採ったりフレージングをゆらしたりと「これは新盤での深化=進化かな」と思われた箇所が、旧盤を聴きなおしたら実は既に旧盤でもやっていた、ということが意外とある。最も解釈が変化しているのは、日本で録音した5番であろう。6番は解釈はあまり変えていないが、元来ピッコロチェロの為の曲だということを意識したのか、旧盤よりかなり軽い音で弾いている。

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     2013/05/23

    武満徹の美しい響きの室内楽をほぼ網羅したお得盤である。現代音楽を聴かない方も、この1枚はお持ちになることを勧めたい。水と風に関わるタイトルの曲が多いが、中でも「雨の樹」と「海へ」は深い自然の中に引き込まれていくような独特の感覚を味わわせてくれる。演奏、録音ともに申し分ない。

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     2013/05/23

    武満徹の作風が、美しく聴きやすい響きに以降してからの管弦楽曲を、すばらしく美しく演奏し、録音した盤である。現代音楽が苦手という方でも、この1枚はぜひ聴いてみることをお勧めする。

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     2013/05/23

    武満徹のギター曲集は、現代音楽を聴かないという方でもぜひ1枚はお持ちになることを勧めたい。入手できる盤はいずれも録音には問題がなく、それぞれに演奏者の思い入れが感じられる味わい深い盤である。中でもこの盤は、安価であり選曲もトラック4〜15(ぜひ試聴していただきたい)の親しみやすい編曲ものを多く収めているので、まずはお薦めである。いきなり「弦楽の為のレクイエム」や「ノヴェンバー・ステップス」を聴いて武満の音は厳しすぎる、と敬遠なさってしまった方は、この盤から初めて、彼のマリンバ、ギターやフルートを含んだ室内楽にも手を伸ばされてみるとよい。独特の深く静かな音空間にひたることができるだろう。

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     2013/05/23

    チャイコフスキーのVn協奏曲は、1980年代以降の「ニュータイプ」の演奏としては最高の出来の1枚であり、折にふれて愛聴している。録音も申し分ない。「ニュータイプ」と私が呼ぶのは次のような条件を備えた演奏だ。1.細かい音符がちゃんとごまかさずに弾けてる点で、かつての「巨匠時代」の演奏家より明らかに技術レベルが上。2.高い技術をもとに、速いところはより速く、遅いところはより遅く、とコントラストをつけた派手な演出。3.第3楽章のロンド主題の後の経過部の繰り返しをカットしない(巨匠達、および現代でも例えば五嶋みどり等はカットして演奏している)。4.以上、つまりは諏訪内が優勝した頃からチャイコフスキーコンクールの本選でほとんどの独奏者がやっているような演奏、ということだ。一方、ラトルと組んだシベリウスの演奏はシベリウスらしい透明感、清涼感と独特の情熱的表現を備えた正統的な名演奏である。「巨匠達」より細かい音符がちゃんと弾けているのはこの曲でも同じ。ただし、こちらの曲は録音にクセがある。ミキシングであえて独奏を強調していないため、管弦楽に埋もれがちになる。聴き慣れるとこれもコンサート会場の特等席で聴いているくらいの感じでなかなかよいのだが、慣れるまではけっこうフラストレーションがたまる。(カヴァコス、ヴァンスカ指揮ラハティの例の改訂版&初演版の録音を聴き慣れた方には、あまり違和感がないかもしれない。)

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     2013/05/21

    ”Concerto From The New World”というアルバムにさらに2曲加えて値下げしたお得盤である。1000円ならば迷わずお手元に1枚を、とお薦めしたい。ドヴォルザークの演奏は、ニューヨークフィルの名からはちょっと想像できないような、室内楽的な演奏。マのソロと各楽器奏者のソロの親密な対話が聴こえてくる。特にホルン(第1楽章の第2主題を循環呼吸で見事にひと続きで吹いている)とクラリネットの主席の上手さが目立つ。3楽章終わり近くのコンサートマスターと独奏チェロの二重奏も入魂の出来だ。録音もそうした演奏の特性をよくとらえている。(マゼール指揮ベルリンフィルと録音した旧盤では、オーケストラがマスとして立派に鳴っているばかりで、肝心のこれらの「対話」が聴こえて来ないミキシングがなされている。)そのドヴォルザークにチェロ協奏曲を書かせるきっかけを作ったとされるハーバートの協奏曲も聴けるのが興味深い。ドヴォルザークは、特につかみどころのないハーバートの曲を聴いて、とてつもない名曲(弦の為に書かれた協奏曲としてはブラームスのVn協と並ぶ最高峰だろう)を書いたのだから、歴史とは偶然で出来ているものだとつくづく思う。

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     2013/05/21

    無言歌集は、CD1枚の選集でもよいが、2枚で全48曲が収録できるので、せっかくなら全曲持っておくことをお薦めする。特に、このような廉価でちゃんとした演奏、ちゃんとした録音が入手できるのならばなおさらだ。バレンボイムは奇を衒わない演奏で楽々と全曲を録音し、(LP期だから3枚組になっただろう、その)余白に魅力的な数曲を付け加えるサービスまでしてくれた。聴き慣れた軽いピアノの音である。ベートーヴェンだともの足りないが、メンデルスゾーンならちょうどよい。

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     2013/05/21

    シベリウスは2番とフィンランディアしか聴いたことがない、という方に、2000円前後の全集でどれか1セット買うことをお勧めするとしたら、とくに若い聴き手の方にはこのセットをお薦めしたい。(ベルグルンド指揮ヘルシンキを2枚組2セット買って全集完成、というのも含めての選択である。一方、中年以上の聴き手の方には、ブロムシュテットの全集をお勧めする。)オラモとバーミンガム響のコンビは、ひんやりとした静寂のピアニッシモから金管が咆哮するフォルティッシモまでを、ゆったりと漂うようなアダージョから疾走するプレストまでを、実にバランスよく演奏している。この、音楽的にも音色的にもメリハリの効いた演奏と、それを見事に捉えた優秀録音で聴き通せば、「シベリウスはやっぱり2番以外は退屈」などと結論づける方はまずいないだろう。振幅の大きな曲(1、3、5、6番あたり)が他の優れた全集の演奏にもひけをとらない出来と感じた。

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     2013/05/21

    102-4番を含む別セットと合わせて買えば、後期ハイドンの名作93番から104番が揃う。コンセルトヘボウはハイティンクとのベートーヴェン全集でも「古典派の弾き方はこうあるべき」という見事なマルカート奏法を聴かせているが、それがこのハイドンでもすばらしい演奏を作りだしている。大編成の現代楽器、現代奏法による古典派演奏のひとつの理想形である。

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