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0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2018/02/18
冬の寒さを感じるような張り詰めた空気感。 そこに描かれているのは、感情の揺れ動きともどかしさ。 三人それぞれの想い。 そして、交錯する想い。 近づきたいのに近づくことで崩れる関係に臆病になっている姿と、それでも近づきたいと願う姿を、三人の歌声の掛け合いで響かせているのが印象的。 時には一人、時には三人。 それらを組み合わせることで、それぞれの想いと距離感を自然と感じることができるだろう。 この距離感については、タイトルからも少し読み取れる。 ”behind”という言葉は主に副詞、前置詞として使われるため、単体では成り立たない。 必ずその対象となる相手が必要という点にも、この距離感を描いているのだとしたらなんとも興味深い。 また、それぞのれ想いの”強さ”も歌声から是非感じてみて欲しい。 最初はどこか坦々と歌っている印象だが、徐々に歌声の感情に熱がこもっていって、最後のサビでは溢れるほどの想いを声に乗せて響かせている。 楽曲はもちろんのこと、この三人の歌声の掛け合いが非常に心地良い名曲。 キャラソンという先入観無しに一度聴いてみて欲しい。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2018/01/08
「スノードロップ」に続き「食戟のソーマ」エンディングテーマとなったこの曲。 ここのところロック色を強めているが、今作はその中でも一際光るものがあった。 キレの良いギターの音に始まり、躍動感ある音色を奏でるイントロ。 この時点で力強さが全くちがうことに気づくだろう。 この躍動感はメロを駆け抜けた後、サビで更に弾ける。 言うならばメロディが走り出すという感じだろうか。 ても決して走りすぎているわけではなく、きみコさんの力強い歌声と王道とも言うべきコード進行がしっかりと地に足をつけ、心地よく駆け抜けて行く。 自然でありながら巧み。 二人体制となったnano.RIPEの存在感示す至極の一曲だ。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2018/01/08
メジャーからインディーズへ。 自主レーベルを立ち上げ新たな始まりを告げるTRIPLANEのニューアルバム。 タイトルにある”4802”とはデビューから本作のリリースまでの日数。 「1/4802のすべて」とは、4802日間の全てを振り返りつつ、そこで得たものを詰め込んだという意味だ。 それだけでも名作になる予感しかないわけだが、実際に聴いてみてそれは確信に変わった。 アルバムは「はじまりのうた」から始まる。 デビューから13年経った今歌う”始まり”。 それはイントロから大自然を感じるような壮大さを醸し出す。 そこから少しずつ音を重ねあうことで、少しずつ輝きを見せる景色。 その景色にはこれまで歩んだ道を振り返りつつも、これから進む道への希望が映る。 この曲が最初にあることで、TRIPLANEがまた新たな一歩を踏み出そうとしていることが伝わってくるのと同時に、彼らの歌への姿勢は変わらないということまで伝わってくる。 そう、実にいつも通りなのだ。 いつも通りメロディが素晴らしく、歌詞が優しくて、卓越した演奏で聴かせてくれる。 「bridge」のような広がりのある爽快さ、「アンブレラガール」のような突き抜ける疾走感。 「Evergreen」のようなちょっと攻撃的なサウンドと歌詞でありながらキャッチーに聴かせるセンス。 真骨頂とも言える「サクラのキセツ」のようなピアノの音色を聴かせる繊細なバラードは、何度聴いてもグッと来る。 TRIPLANEの集大成。 そしてここから始まるTRIPLANEの歴史のページを聴いてみてほしい。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。
聴かせる。 そして、惹きこませる。 前作も素晴らしいと思ったが、今回はそれを軽く超えてきた。 リードナンバー「リレイズ」からそれを感じさせる。 疾走感がありながらメロディアスに感じさせる哀愁。 この哀愁は自分の中で抱えていた迷い、疾走感はそれを払拭しようとする決意。 それらが歌となって響き渡ることで、想像を超える熱さと強さを感じさせてくれる。 そのあまりの素晴らしさに鳥肌が立ったくらいだ。 配信でリリースされていた「ストライド」もアルバムの中では聴き逃せない。 「リレイズ」と近いテーマだが、ここまで歩いてきた道が間違っていないか不安になって立ち止まりそうになっても、まだ諦められないと必死に歩みを進めようという感情が滲み出るような静かで熱い楽曲。 メロディも繊細で、聴いていると綴られた思いがすっと心に入ってくるようで、自然と頑張ろうという気持ちにさせてくれる。 歌詞を一度も繰り返していないことからも、この楽曲に詰めに詰め込んだ熱い想いが伝わるだろう。 この2曲だけでも十分過ぎるないようだが、こんなものでは終わらせないのが彼らだ。 「ひだまりのきみに」の丁寧に綴られた詩とメロディに癒させるし、「誰も知らない」の混沌とした世界観を焦燥感を持ったスピードで静かに駆け抜けていく楽曲では、巧みな演奏と構成で聴く人の心を掴んで離さない。 あまりの充実の内容に時が経つのを忘れてしまうほど聴き惚れてしまう。 間違いなく最高傑作と言える一枚だ。
「Awaken the power」=力を目覚めさせる。 そのタイトル通りの応援歌。 応援歌にも様々なタイプがあるが、この楽曲は一緒に寄り添って一歩を後押しするような応援歌だ。 ただ、歌の始まりは静かに。 悩み立ち止まった姿をここで描き、そこから徐々に歌の中で希望という名の光を灯しながら次の場所へ向かうための勇気を沸き起こしてくれる。 特にサビでの盛り上がりと真っ直ぐな言葉の熱さに心を打たれるだろう。 また、曲の終わりが非常に興味深い。 最後のサビで盛り上がった後にゆっくりとしたテンポへと変わるのだ。 高まった想いを整理して、もう一度自分に問いかける。 そこで自分の中の勇気という力に気づき、新しい世界へと歩き始めようとする姿で終わることで、心の奥で沸々と沸きあがるような熱い気持ちを余韻で残してくれる。 熱いまま終わるのも非常に良いが、こういう終わり方も非常に心地良い。 興味深いといえばサビのコールも注目したい。 「ハイ!ハイ!ハイ!」のコールに聴き覚えがある人もあるのではないだろうか。 どことなくμ’sの「No brand girls」を彷彿とさせるのだが、作曲者を見ると同じく河田貴央さん。 この辺りの繋がりが楽しめるのもこの楽曲の面白いところだ。 また、このCDには「Awaken the power」の他に、Saint Snowが歌う「CRASH MIND」と「DROPOUT!?」が収めれているのだが、こちらも素晴らしい。 「CRASH MIND」はハロウィンのような不気味さとおとぎ話感を持ったロック調の楽曲で、格好良さとともに世界観に吸い込まれそうになる。 「DROPOUT!?」はメタル調で力強く駆け抜けていくナンバー。 この楽曲も格好良さが前面に出ているのだが、それを凌駕するほどにサビのメロディの美しさが強く印象に残る。 このサビは希望。 闇の中で出口を求めて彷徨いながらも、ここを抜け出そうと綴った力強い想いが一筋の光のように胸に刺さる。 Saint Aqours Snowのシングルではあるが、Saint Snowのシングルと捉えても申し分ないほどの充実のカップリング内容。 十二分に楽しめる一枚だ。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2017/11/26
馬場さんの綴る言葉に何度無く元気付けられてきた。 今作では真っ直ぐな想いはそのままに、少し落ち着いた大人の余裕と、優雅さを兼ね備えたアルバムになっている。 表題曲の「街路樹」は馬場さんらしさ全開の楽曲。 周りを見渡したときにふと見えた景色。 人や街、自然や空気。 いつも同じようで何かが違う。 そんな中で日常を過ごしていることを感じつつ、自分も進んでいこうという想いをしみじみ感じさせる。 アルバムにはシチュエーションを変えた「街路樹 Scene2」もあるので、そちらと対比してみるのも楽しい。 アルバムとなるとシングルの表題曲ではお目にかかれないような曲も多数あるのだが、中でも「おはようございますの歌」が秀逸。 新しい生活を応援する歌詞と、思わず踊りだしたくなるようなリズムで気持ちが高まってくる。 背中を押してくれるというよりは一緒に歩んでくれるような安心感のある応援歌だ。 応援歌は今作もたくさん収められており、流れるようなメロディと心地良い音色の「真面目に適当にいい加減に、でも真剣に」や、重厚なイントロから徐々に光を感じさせる「アスファルトに咲く花」などもあり、きっと自分に合う応援歌があると思う。 また、「プロポーズをもう一度」にも触れておきたい。 長い間連れ添った妻へ贈るプロポーズの言葉。 といっても大袈裟なことを言っているわけではなく、あえて普通のことを、でも大切に思っていることをそこに込めて歌う。 本当にこんなことを言ったら照れくさいのだろうが、馬場さんが歌にして届けてくれることで、なんともロマンチックなラブソングに仕上がっている。 日常と愛、そして応援。 今までの馬場さんらしさに円熟味が加わったアルバム。 まさに街路樹のようにいつも見守ってくれる一枚になっている。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2017/11/26
今作を聴いたとき、レミオロメンが戻ってきた感じが強く印象に残った。 レミオロメンのボーカルなのだから当たり前じゃないかと思うかもしれない。 だが、これまでのソロ2作がレミオロメンとは違い、ソロでなければできないものを追っていたのだ。 1作目「オオカミ青年」はレミオロメンでは出してこなかった、個人的に奥に秘めた感情を剥き出しにしてきた。 2作目「日日是好日」はもっと広い意味で良い曲を作ろうとしたことで、楽曲の雰囲気も含めた幅を広げてきた。 そして今作。 全体的に自然や風景を感じる言葉を中心におきながら、前へ進もうとする想いや、君を想う気持ちを鮮やかに描いている。 メロディもソロ2作に比べるとシンプルというより原点回帰という感じがあり、耳なじみが良く懐かしさを感じさせる。 この懐かしさこそレミオロメン感なのだが、それにはもう一つ大きな理由がある。 クレジットを見るとわかるのだが、レミオロメンの前田啓介さん、神宮司治さんがそれぞれ別の楽曲ではあるが参加している。 中でも神宮司さんがドラムを叩いている「優しい星」、「紙飛行機」はレミオロメン独特の疾走感を持った楽曲に仕上がっていて、聴いていると思わずにやけてしまう。 とはいえ、これはレミオロメンのアルバムではない。 藤巻亮太さんという一人の作品として今届けたい楽曲がこの形となっただけ。 文字通り集大成というべきアルバム。 優しいけど真っ直ぐで、壮大だけど繊細な名盤。
アルバムを聴き始めた瞬間に衝撃が走った。 その理由は一曲目に収録されている「ふるさと」だ。 不穏なオルガンの音色から始まる深く壮大な世界。 あまりにも深くて聴いているだけで息を呑んでしまうほどだが、そこを生きるメロディの懐かしさは不思議と安心感を与えてくれる。 ”ふるさとの宇宙” まさに詩に綴られているこの言葉を体現したような音色とメロディ。 正直言葉だけで表現するのは難しいほど素晴らしい名曲。 この楽曲からアルバムは始まっていく。 アルバムを聴き進めていくとわかるのだが、この「ふるさと」も含め綴られた言葉の数は少ない。 だが、歌詞の一文一文が非常に深く重みのあるものになっていて、どこか一箇所だけを切り取ってみてもその想いの強さを感じることが出来る。 「Siren」のイヤホンの中の世界に閉じこもりすぎていることへ警鐘であったり、Twitterのように言葉をいくつも並べながら、大切なものを忘れてないで欲しいと願う「Twitter in the Fog」、全英語詩でありながら”3.11”という言葉に思わずハッとなる「3.11」などはその代表格。 詩のことを中心書いたが、広沢タダシさんといえば珠玉のメロディメーカー。 「Blue Car」や「Looking Down on the City from the Rooftop」、「Just like your Place」など、落ち着いた世界観で魅せる美しいメロディは今作でも健在なので安心してほしい。 リリース毎に深みを増していく広沢タダシさんだが、今作は桁違いに深さと重みが増した。 それでいてどこか懐かしく安心感のあるメロディを紡ぐことにより、聴く人の心に訴えかけるアルバム。 広沢タダシさんからのSIREN(警鐘)を感じてみて欲しい。
1998年3月リリースの「バランス」。 JIGGER’S SONのオリジナルアルバムとしてはこれが最後だった。 その後、バンドは活動休止し、坂本サトルさんはソロ活動を開始。 2001年にバンドは一度解散するが、2012年の復活ライブからシングル「バトン」、「メリーゴーランド」を発売。 そして遂に。 いや、まさかの19年ぶりとなるオリジナルアルバムのリリース。 こんな日が来るなんて夢にも思っていなかった。 収録曲はシングル2枚から「バトン」、「大丈夫(2012 ver.)」、「マスター YAMASHITA」、「メリーゴーランド」、「再会20」の5曲と、新曲6曲、坂本サトルさんソロ名義の名曲「天使達の歌」のセルフカバーの全12曲。 アルバムの始まりはシングルになっていた「メリーゴーランド」。 復活後のシングルの中でも特にJIGGER’S SONらしさが出ていたのはこの楽曲。 良い意味で力が抜けているというか、伸び伸びと音を鳴らしているのが伝わってきて、聴いているとJIGGER’S SONが帰ってきたことを実感できる。 「Carcharodon megalodon」が疾走感を格好良く決めてくれたかと思えば、「バンジー」の切なさが滲み出るような楽曲に涙腺を緩ませ、「バトン」という命のバトンを繋いでいること歌った楽曲がギュッと心を掴んで離さない。 この4曲の流れは素晴らしいの一言だ。 ここからはもう少し遊び心のある楽曲が顔を覗かせる。 中でも印象的なのは「最新式を買ってやる」。 作詞作曲は基本的に坂本サトルさんなのだが、この楽曲は渡辺洋一さんとの共作曲。 そしてボーカルが坂本昌人さんという、JIGGER’S SONのアルバムだからこそできた一曲。 素朴なメロディと歌詞が昌人さんの歌声とも合っていて、新鮮でありながらも安心感と心地良さも合わせ持っているのが面白い。 ここから続く新曲「銀河県道999」、「A.I. ジョー」、「通り雨」もJIGGER’S SONらしさに遊び心と円熟味が加わって、今までの楽曲よりも楽しく聴かせてくれる。 そこでふとアルバムのタイトル「SOUND of SURPRISE」を思い出した。 直訳すれば驚きの音。 高音質とも捉えることができるが、ここでは今までを凌駕するほど驚きの良い音楽を奏でているということなのと思った。 解散していた期間も長いのに、今までの作品の中でも今作が一番良いのではなないかと思えるほど素晴らしい作品になっていた。 それは紆余曲折を経たからこそ届いた場所。 全ての出来事がこの素晴らしい一枚を完成させるためにあったのだとすれば、非常に感慨深い。 JIGGER’S SON完全復活を告げるアルバム。 そして最高の一枚だ。
一声を聴いただけで惹き込まれてしまった。 「君と、君が誰だろうと」を聴いた時のことだ。 イントロのギターの音色の混沌さと張り詰めた空気感に、孤独を感じるような凛とした歌声。 その世界観だけでも酔いしれてしまうのだが、サビではそれを払拭するように微かな光を感じるような展開で更に聴く人の心を離さない。 声の感じからはこのようなバラードのほうが感情が滲み出て良いと勝手に思ったのだが、アルバムを聴き進めるとそんな思いは一瞬で吹き飛ぶ。 タイトルからインパクトのある「人生の支配者」や「束縛」のような疾走感溢れるロックナンバーでは力強く歌い上げていて、音の力強さと共に強い意思を熱く響かせてくれるのが印象的。 タイトル曲でもある「孤独なハイエナ」は速いテンポではないのだが、その中で激しく感情をぶつけるように歌い上げている。 この曲もまた強く印象を残す楽曲だ。 彼女の歌声は唯一無二だ。 歌声そのものに孤独感を持っているようでありながら、心地良い余韻も残してくれる。 その歌声に感情を響かせれば、とんでもない存在感となる。 全6曲ではあるが、それを強く感じた。 このミニアルバムでその歌声に酔いしれてみてほしい。
すごく等身大。 でも、巧みな聴かせ方ができるバンドだと思った。 MVもあるリード曲「Summer」は疾走感溢れる爽快なナンバー。 歌詞の前向きさと風を感じるような展開と音色がとても心地良い。 もう一曲MVのある「キンモクセイ」は打って変わって繊細に聴かせるバラードナンバー。 イントロから感じさせる哀愁に、キンモクセイの香りが残した景色に思いを馳せる姿がなんとも切ない。 この2曲で光と陰、アップテンポとバラードと両極端の曲を堪能できるのだが、彼らの魅力はこれだけでは語りきれない。 アルバムに収録されている残り4曲を聴いたらより驚くことになるだろう。 イントロから力強い音で駆け抜けていく「Hello」は、ロックというよりメロディックパンクやメロコアのようなキャッチーさと展開で引っ張っていくのが強く印象に残る。 ゆっくりとしたテンポで聴かせる「夢の途中」は、歌詞を情景豊かに見せつつ、間奏などで癖のある音色を聴かせていることで、一度聴くだけで頭から離れなくなる。 「雨上がり」も「Hello」に近いところはあるが、よりキャッチーさを増したメロディが印象的。 張り上げるように歌う声もあって、非常に熱さを感じる。 「アルトリズム」はイントロのギターとドラムがとにかく格好良い。 どこか陰を抱えながらも走っていこうという姿が詩だけでなく音色からも伝わってくる名曲。 全6曲だが、一曲ごとに全く違う聴かせ方をしてきていることがわかるだろう。 ミニアルバムとしては申し分ないだけでなく、彼らを知るという意味でも十分な一枚だ。
2人の方が、このレビューに「共感」しています。 2017/11/26
メジャーでの初めての作品となると非常に気合が入っているものが多いイメージがあるが、このミニアルバムは良い意味で自然体というか、アンテナらしさが詰まった作品に仕上がっている。 とはいえ、1曲目にインスト曲「イダンセ街」があるのは驚いた。 リスナーから募ったという日常の音を基に音を紡いだ楽曲なのだが、これから始まるといよりかは潜っていくような惹き込む力を持っていたからだ。 そう、このミニアルバムはここから夜が始まっていくのだ。 続く「アルコール3%」。 お酒を飲んでちょっとフラフラしつつ、物思いにふけながら歩いてく姿が目に浮かぶ。 その中でも、詩で綴っている”これでいいのさ ちょうどいいのさ”という言葉が印象に残る。 アルコール3%を示した言葉ではあるが、バンドのらしさとも言える”丁度よさ”も醸しだしているようで、メジャーに行っても変わらない彼らの良さをしみじみ感じさせてくれる。 イントロから息を呑むような空気感を漂わせる「呼吸を止めないで」は、夜の世界の中で輝く星のような光を感じる。 メロディの懐かしさと歌声の優しさは、この世界観を愛おしいものに昇華させる。 「無口なブランコ」、「深海おまじない」は軽快な音色を奏でているが、歌詞では非常に寂しい情景を浮かび上がらせる。 特に「深海おまじない」は深海というタイトルの通り混沌として感じを漂わせながらも、そんな暗い世界を抜けて朝を迎えれば良いだけという前向きさに、思わず顔がほころびる。 タイトル曲でもある「モーンガータ」は存在感の強い楽曲だ。 ”闇に向けて歌う”という言葉からもその信念を感じることができるが、その想いをより強く響かせるメロディと歌声に、洗練された音色と構成。 ここから始まっていくという想いが端々から滲み出ている。 そして、ここまで夜を歩いてきた彼らが遂に「ぼやけた朝陽」という軽快な疾走感と共に朝を迎えようとする。 アルバムを聴き始めたとき、ここから夜が始まっていくアルバム展開にここからどうなるのだろうと思ったが、最後に朝を迎えることで、聴き終えたときに非常に清清しい気持ちにさせてくれるのが嬉しかった。 夜から朝という流れを楽しめる1枚になってはいるが、個々の楽曲が全てシングルになれるのではないかというくらい際立っていて、それぞれの楽曲としても十分に楽しめる。 メジャー1stミニアルバム。 アンテナがここからまた始まります。
2人の方が、このレビューに「共感」しています。
歌の形でトイレの悩みを伝え、解消したい。 佐藤満春(どきどきキャンプ)さんのそんな想いから始まったバンド「サトミツ&ザ・トイレッツ」。 メンバーを見るだけでワクワクするのだが、GOMES THE HITMANの山田稔明さん、キンモクセイの伊藤俊吾さんと佐々木良さん、元ゲントウキの伊藤健太さんに、元くるりの森信行さんと、まさに実力派揃い。 このメンバーで良い作品にならないはずは無いと思っていたが、まさにその通り。 とはいえ、個性は出しつつもシンプルなポップソングに仕上げているのが印象的だ。 リード曲「日本のトイレからこんにちは」はその象徴。 日本のトイレの良さを綴った詩をシンプルなメロディと優しい音色でポップに聞かせてくれる。 一度聴けば口ずさめてしまうほどのキャッチーさは流石の一言。 また、子供が学校でトイレに行けないという悩みに向き合った曲が多いのも特徴的。 「あしたトイレに行こう」、「ぷりぷり行進曲」、「僕の小さな悩み事」、「KUSOしてみて」で綴られた詩は子供の悩みに共感しつつ、解消するための前向きさに思わず笑みがこぼれる。 子供が聴いたらちう口ずさんでしまいそうなキャッチーさと、遊び心のある言葉選びをしているので、是非多くの子供に聴いて歌ってもらえたら嬉しい。 このようにシンプルな楽曲が多いが、中には違った攻め方をしてくるものもある。 例えば、語りだけの楽曲「THEO」。 歌詞カードに歌詞の記載は無いのだが、リアルなシチュエーションから雑菌の恐怖を感じさせるのが面白い。 トイレの後は手を洗いましょう。 「トイレと革靴」、「答えはトイレのなか」は言うならばトイレと生活。 そんなトイレにまつわる物語を伊藤俊吾さん、山田稔明さんそれぞれが素朴で優しいメロディで聴かせる。 オマージュとも言える楽曲も非常に面白く、ビートルズの楽曲を彷彿とさせる「PULP!」に、「今夜はブギーバック」を彷彿とさせるラストナンバー「今夜はCLEAN IT!」。 特に「今夜はCLEAN IT!」は衝撃的で、まさかまさかのヒップホップ。 メンバーを見回してもヒップホップをやっている人などいないはずなのに、もう別格の完成度を誇る。 思わず踊りだしたくなるなるようなリズムと進行、印象的な合いの手、トイレにまつわる言葉をこれでもかと詰め込んだ歌詞。 実力派のアーティスト達が本気を出したらこんな名曲が生まれるのかと驚かされた。 全体を通してシンプルなポップが基本となっているので老若男女が楽しめるアルバムになっているが、上記の「今夜はCLEAN IT!」のように楽曲単体で素晴らしいものも多く、アルバムとして非常に完成度と満足度が高い一枚。 トイレから生まれた名盤だ。
陰のあるイントロを聴いた瞬間に鳥肌が立った。 これはとんでもない名曲に違いないと感じたからだ。 とはいえ、歌い始めから坦々としたリズムで進んでいく。 それだけでは印象に残りづらい可能性もあるわけだが、詩の中で見せる情景と様々な感情が、繊細なメロディと歌声に乗ることで鮮やかな色を広げていることで、何とも優しい気持ちにさせてくれる。 その気持ちはサビで更に広がりを見せ、遂には幸せを感じるような温かさまで届けてくれるのだ。 メロディも歌詞も非常にシンプルなのだが、それを丁寧に繊細に編み上げるように紡ぐことで、誰の心にも届くような至極の楽曲に仕上がっている。 本当の名曲には言葉はいらないのだが、この楽曲はまさにそれに値する。 何も考えずに一度聴いてみて欲しい。 そうすればこの楽曲の良さを感じることができるから。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2017/09/24
巧みな展開と演奏だけでなく、メロディと歌声の儚さから生み出される唯一無二の世界観が印象的だった2枚のシングル「LIKE A STAR」と「センチメンタル・ララバイ」。 これを聴いたときからアルバムが非常に楽しみだった。 満を持してリリースされたこの「gloomy box」はその期待を裏切らないものだった。 まずシングル2曲は間違いないわけだが、「LIKE A STAR」に関してはシングルよりテンポが少しだけ遅くして、深みと広がりを増した音で聴かせる構成がたまらない。 タイトル曲でもある「gloomy box」も聴き逃せない。 どこか懐かしい歌謡曲感を漂わせながらも確かで巧みな演奏力とアレンジで惹きこんでいく。 音の構成につい耳が行きがちだが、これを可能にしている耳に馴染むメロディと儚い歌詞の想いをそのまま歌い上げる声の存在があるからこそ、オルターコードにしか出来ない名曲へと昇華させていることが素晴らしい。 またバラードナンバーも非常に良い。 シングルのカップリングであった「雨の日に・・・」は、アルバムVer.となり雨の日のような少し湿っ気のある空気感に広がっていく音が心地良さを増していたり、「またね、ありがとう。」のような一途な想いが真っ直ぐに響いてきて、切ない気持ちにさせてくれる。 シングルで魅せたセンスはそのままに、音の深みを増してより惹きこませる内容となったアルバム。 名盤。
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