メジャーからインディーズへ。
自主レーベルを立ち上げ新たな始まりを告げるTRIPLANEのニューアルバム。
タイトルにある”4802”とはデビューから本作のリリースまでの日数。
「1/4802のすべて」とは、4802日間の全てを振り返りつつ、そこで得たものを詰め込んだという意味だ。
それだけでも名作になる予感しかないわけだが、実際に聴いてみてそれは確信に変わった。
アルバムは「はじまりのうた」から始まる。
デビューから13年経った今歌う”始まり”。
それはイントロから大自然を感じるような壮大さを醸し出す。
そこから少しずつ音を重ねあうことで、少しずつ輝きを見せる景色。
その景色にはこれまで歩んだ道を振り返りつつも、これから進む道への希望が映る。
この曲が最初にあることで、TRIPLANEがまた新たな一歩を踏み出そうとしていることが伝わってくるのと同時に、彼らの歌への姿勢は変わらないということまで伝わってくる。
そう、実にいつも通りなのだ。
いつも通りメロディが素晴らしく、歌詞が優しくて、卓越した演奏で聴かせてくれる。
「bridge」のような広がりのある爽快さ、「アンブレラガール」のような突き抜ける疾走感。
「Evergreen」のようなちょっと攻撃的なサウンドと歌詞でありながらキャッチーに聴かせるセンス。
真骨頂とも言える「サクラのキセツ」のようなピアノの音色を聴かせる繊細なバラードは、何度聴いてもグッと来る。
TRIPLANEの集大成。
そしてここから始まるTRIPLANEの歴史のページを聴いてみてほしい。