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Review List of saitaman 

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     2023/02/25

    ひと昔前に「悲歌のシンフォニー」で有名になったグレツキのボックスセット。交響曲第2番の第2楽章からが独特の響きを追求したグレツキの作風が完全に確立した感じがある。ピアノとフルートのオーケストラ曲を収録した1枚は結構拾い物だったかもしれない。演奏も録音も非常に良い。

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     2023/02/04

    たまたま買ったこの中の1枚目のCDにあたる”Printemps”が良かったので、同じベルリン・フィル木管五重奏団の他のCDを探したら実は4枚組になっているのがあるのを知ってこちらでまとめて買いなおした。1枚目の「春」はフランスの近代音楽。2枚目の「夏」はアメリカの音楽。3枚目の「秋」はドイツの近代音楽。4枚目の「冬」は現代音楽。要するに4枚とも組み合わせている曲の特徴に違いを持たせてある。あまり耳にしたことがない曲を集めた個性的なセットで楽しめた。比較すべき基準があるわけではないが演奏は安定していると思う。1992〜2003年の録音で音も悪くは無い。ニッチなジャンルのニッチな曲集にはなるが、近代の室内楽が好きという人にはいいかもしれない。

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     2023/01/28

    「ジャンヌの扇」の全曲は録音自体がとても珍しい。本CDの英文の説明によれば、フランスのオーケストラによる全曲録音はこれが初とのこと。当時のフランスの音楽家10人がそれぞれの担当部分を作って組曲にしたもので、ぜひ一度聴いてみたかった。それぞれ違う個性を一つの曲で聴ける面白さはある。ラベルの「マ・メール・ロワ」はフランス音楽の定番曲の一つなのでたくさんCDがあるが、これは2012年の録音であるので流石に音はいい。

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     2023/01/22

    シベリウスの作品は交響曲だけならCDで3,4枚に収まる。実際、そういうセットは多い。しかし、このサラステとフィンランド放送交響楽団の全集は8枚組みである。全ての交響曲だけでなく、ジョゼフ・スウェンセンのソロによるヴァイオリン協奏曲やユーモレスクなどがあり、さらにカレリア組曲をはじめとする主要なオーケストラ作品がひと通り網羅されている。シベリウスの母国の指揮者とオーケストラが、しかもヘルシンキの同じ場所で、数年かけてじっくり取り組んだプロジェクトとして実施されており、解釈も、演奏も、音響や録音も、ブレが無く、統一感と安定感がある。全体的には予想よりも結構重厚な演奏であるが、当然のように北欧的な叙情と空気感はある。交響曲はどれも素晴らしい演奏。管弦楽作品もまた見事で、レミンカイネンとかとても良かった。録音はデジタル録音が安定期に入った1997年以降のもので問題無い。

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     2023/01/22

    フランスの近現代のバイオリン用の作品で構成した1枚。弾くのは美人バイオリニストのヤンセン。芯のしっかりした安定した音色と技量で聴かせる。何より
    選曲が独特で、特徴的なアルバムになっている。録音も良い。

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     2023/01/15

    クラシック音楽の世界に新風を吹き込んでいるロトの「ペリアスとメリザンド」。古い楽器を使いノンビブラート奏法を基本にしているのに、端正で、緻密で、古いどころかむしろ極めて現代的で尖って聴こえるのが面白い。歌手陣も非常に良く、特にサントーニには惚れそうになった。録音も優秀。

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     2023/01/14

    シャミナードは19世紀後半から20世紀前半に活躍したフランスの女性作曲家。フランス政府から女性作曲家として初めてのレジオンドヌール勲章を授与されている。バレー作品なども残しているが、ピアノの小品が特に良い。このCDはピアノトリオの作品を収めたもの。第1番はどこかチャーミングで屈託の無い佳作。第2番はそれよりいくらか重厚である。クライスラーなどの作品を編曲した小品も4つ収められている。

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     2023/01/14

    Godardは子供の頃から天才とされ短い人生においてオペラ歌曲をはじめ多くの作品を遺した19世紀のユダヤ系フランス人。バイオリンは得意な楽器だったようで、先日聴いたピアノ小品集がとても良かったのでこちらを探して手に入れた。いずれもロマン派ど真ん中のバイオリンとオーケストラのための作品で、どうしてこういう曲が忘れられていたのかと不思議に思うくらいである。とても良かった。演奏・録音共に優秀。

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     2023/01/12

    シャミナードはフランス近代音楽の女流作曲家。英文のブックレットによると、ビゼーが才能を認め、ただ当時のフランスでは女性が音楽院に入るのが許されていなかったので作曲やバイオリンなどいろんな先生を紹介されて音楽家の道を歩んだようだ。当時はかなり受け入れられて350曲も作品を遺したそうだ。忘れられた作曲家になってしまったが、近年の女性作曲家再評価の中で地味に見直されている。ピアノの小品は彼女がもっとも作品を作った得意分野で、実際、こんなに愛らしく細やかな作品群が音楽史の片隅に追いやられていたのが勿体なく思うくらいに素晴らしい。録音も演奏も悪く無い。なかなか良かった。

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     2023/01/09

    紙のボックスではなく、普通のCDが6枚まとめてあるので、だいぶ分厚い。ただ、世界初録音が目白押しで、内容は想定していた以上に特徴的だ。特にドビッシーについては、大学を早期退職した専門家がたくさんの未完成の草稿から長年研究した成果の作品が収められていて、かなり読み応えのある熱の入った英語の解説がついている。サティもそうだが、楽器も非常に古いピアノを使っている。にしても録音がイマイチではあるが。聴きものとして一番拾い物だったのはゴダールの作品集。多くの作品を残したが若くして亡くなって時代に埋もれてしまったようだが、ショパンとフォーレを足して2で割ったような感じで心地良い。全体として特別お買い得には見えないかもしれないが、それぞれ単品で発売されているCDは結構いいお値段なので、それをそのまま6枚揃えただけのこのセットはうんざりするぶ厚さではあるがお買い得で、唯一無二の企画もののセットにはなっている。

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     2023/01/03

    ノイマン&チェコフィルの2度目のドヴォルザーク交響曲全集。演奏は1度目の全集よりも明らかに丸くなっている。どちらを取るかといえば個人的にはこちらを推す。ただ、キャニオンクラシックのものやドヴォルザーク150周年記念のライブ程の独特な味わいまでは行かない。引き込まれるようなエネルギッシュさや派手さは足りないが、知と情のバランスが良く、細かい表現力やテンポのコントロールの巧みさはさすがである。特にあまり演奏されることが無い初期の作品は良かった。7番も良い。録音は鑑賞する上で特に問題無い程度に良好。

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     2023/01/01

    ロシア・バレエ団ゆかりの曲をまとめたボックスセット。録音年代や指揮者にバラつきがあることから元々からそのように考えて録音されたものではないだろうが、結果としてユニークで面白い企画になっている。全てセッション録音。多くが21世紀に入ってからのもので音質もオーケストラの演奏も良好。特にカンブルランとペシュコーのストラビンスキーは演奏・録音共に大変見事で、ベスト盤として推したいレベルである。オーリック、シュミット、ミョー、トマジーニ、ソーゲといったあまり聞く機会の無い曲もいくつか収録されており録音状態の良さも加えるとフランス音楽が好きな人は大変貴重である。表紙の絵以外は簡素で素っ気ないパッケージでブックレットもペラペラであるが、筋の通った企画で興味深く聴くことができた。

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     2022/12/18

    コリン・デイヴィスとバイエルン放送交響楽団のモーツァルト。Liveとセッション録音が混在している。Liveの方は小編成の生演奏なので若干ざわつき的なノイズがあるし全てが完璧ということでもないが、超一流のオーケストラなのでソロは上手いし演奏そのものは良い。基本的には重厚なスタイルである。個人的には、最後の序曲集あたりはまた何度か聴くことがあるかもしれないと思った。録音も悪く無い。ただ、モーツァルトの録音はバッハやベートーヴェンと並んで世の中に溢れており、誰かに推したいとか感動を誘うとかこの演奏でなければというような特徴はそれほどないかな。

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     2022/12/11

    フランスの作曲家アンリ・ソーゲのギター作品集。アルクイユ楽派を立ち上げ、バレー音楽で足跡を残した作曲家である。英文の解説によると、ギター作品は比較的後期に作られているようで、作曲家本人はお気に入りの楽器であったようだ。フルートやチェロが伴う作品もあり後者については世界初録音とある。はっきりいって、とても地味な作品集ではあるが心地よい。2013年と2014年にイタリアで録音されている。間違いなく売れ筋では無いにもかかわらず、あえてこういう作品集に取り組む演奏家は熱が入っている。Liveのようにかなり息遣いとかも聞こえる。ニッチな曲を収めた貴重な1枚である。

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     2022/12/11

    小編成のオーストラリアよるネゼ=セガン指揮のシューマン交響曲全集。スッキリ、くっきりとした演奏となっており、星の数ほどあるシューマンの交響曲の録音の中でも特徴的なものになっている。ただし、解釈そのものはむしろ保守的で、特別な感じはしない。

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