新しい組曲集 クリストフ・ルセ(チェンバロ)(2CD)
商品ユーザレビュー
-
(1 件)
-
(0 件)
-
(0 件)
-
(0 件)
-
(0 件)
検索結果:1件中1件から1件まで表示
-
mimi | 兵庫県 | 不明 | 2019年03月23日
Christophe Roussetは2010年にも、同じ仏HMからLouis Couperin作品集を出しており、今回の新しい作品集と合わせて(曲の重複が無いので)Louis Couperin全作品のほとんどを録音した事になるでしょうか。今回は録音のコンセプトが前回と異なるようですが(フィルハーモニー・ド・パリ所蔵の歴史楽器による初録音)、収録作品数も前回より遥に多い68曲、CD2枚にいっぱいいっぱいと非常にヴォリューム満載(前回は同じCD2枚に38曲)。Louis Couperinの演奏では数年前に、Richard EgarrによるCD4枚の全集が出てますが、Egarrの繊細を極めた演奏と比較すると、前回のRoussetのはどちらかといえば、構造的・構築的であり、Louis Couperinの重厚さ・劇性が強調された反面、細部の細やかさ、微妙な味わいにはまだ乏しい印象でした。今回の新録音、Roussetの基本的な姿勢は全く変わってないようですが、前回より重量級のCDであるにも関わらず、遥かに印象は軽やかで味わいが増しているように思います。構築的・劇的でありながら、決して重々しくがんじがらめにならず、全体で2時間半もの演奏がいつのまにか聴き通せてしまいます(前回は1時間半を聴き通すのがしんどかった!)。あまりにも月並みな文言ですが、やはり前回から10年を経たRoussetの円熟、としか言い様のないものが今回の新録音には表れているように思います(楽器の違いも大きいかも知れませんが)。もちろん他の奏者の録音に、これ以上のLouis Couperinの表現が無いわけではありませんが(1970年代のLeonhardtのDHM盤や、ごく最近のPinnockのPlectra盤!)、それでもEgarrの全集同様、現在求め得る最上のLouis Couperin演奏の一つとして、多くの古楽ファンにお薦めできる好演集ではないでしょうか。4人の方が、このレビューに「共感」しています。
このレビューに 共感する
検索結果:1件中1件から1件まで表示