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ベートーヴェン(1770-1827)

CD 交響曲全集、序曲集 シャイー&ゲヴァントハウス管弦楽団(5CD ハードカバーブック仕様限定盤)

交響曲全集、序曲集 シャイー&ゲヴァントハウス管弦楽団(5CD ハードカバーブック仕様限定盤)

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  • ★★★★☆ 

    いやみなぶらいあん  |  神奈川県  |  不明  |  2017年11月01日

    ラトルと並びモダンオケを振り説得力のある現代的解釈を示した好例。テンポは確かに速いが(特に8番)全てが一様に速いと言う訳ではない。ワーグナーやマーラーらのせいでベートーヴェンのロマン主義的な拡大解釈が一般化し、それをワルター、フルトヴェングラーらが開花興隆させたのだが、70年代からのピリオド楽器での新たな解釈・奏法の採用や以降のそれらと現代オケとの折衷的な演奏と、昔ながらのロマン的な解釈の3潮流の中にあって、シャイーの演奏は最も支持をされやすいタイプの物だと先ずは思った。速いテンポによる活き活きとしたフレージングやリズムから導き出される音楽の推進力が1番の魅力で、特に弦のヴィヴィッドな響きや音形は今までに聴けなかった表現。ベートーヴェン独特のスタッカートやスフォルツァンド、クレッシェンドの強弱や緩急の現出がとても鮮やかで力強い。8番の速いテンポやシャープなフォルテッシモが生み出す表現はこの曲の今までのイメージを完全に覆す。7番、1番、6番も表現はそれぞれ異なる同様な素晴らしい演奏だが、3番、5番に関してはその辺りの表現が今ひとつ徹底していず、革新的と言える程の成果を挙げてはいない。1番残念だったのが9番で、この脱古典形式的なまた脱古典派機能和声的な型破りの曲を扱うにしては、表現の採用の徹底がなされていず、失敗しても良いからここは合唱も含めて思い切った実験がなされて然るべきだと思った。この辺りはラトルがオケの自主性と併せてかなり上手く説得力を持った結果を導き出していた。何れにせよシャイーで初めて古典派のシンフォニーを聴いたが素晴らしい出来で、改めてこの指揮者の大きな才能に感服した。満を持して録音しただけのことはあり、序曲も特にコリオランの(あとはエグモント)出来が素晴らしい。3番、9番が徹底されていたら文句なく星5だった。

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  • ★★★★☆ 

    しゅてるん  |  東京都  |  不明  |  2012年09月12日

    第8の第2楽章後半寄りで1小節抜けているのと第4代8の両端楽章が早すぎてがさつになっている所、逆に第2番台2楽章は2、30秒位速いテンポで短くなって、田園の第4、5楽章がカラヤンやアバドのディジタル録音ぐらいの演奏時間であってくれれば…という所を除き満点の5点。 第1番はおそらくこれからのベートーヴェン第1番のスタンダード演奏となっていくだろう引き締まった早さの23分弱。 他にも意外な復古表現やまさかの繰り返しもあるなど音楽そのものを楽しむことができる人のための全集。

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  • ★★★★☆ 

    CHOPINIST  |  大阪府  |  不明  |  2012年04月03日

    まず速い速いという意見がありますが、最近のパーヴォ・ヤルヴィなどに比べれば驚くほどの速さではないのでは?というのが第一印象。たしかに私が今まで聴いていたハイティンク&コンセルトヘボウ、C.デイヴィス&シュターツカペレ・ドレスデンに比べれば格段に速いのですが(笑) レコード芸術でも言われていたとおり、速いのに速いと感じないのは、「音が濃い」から。とくに第5番まではピリオド・アプローチ的な部分も多いのですが、そのうえにアンサンブルをしっかり鳴らしているので、かつてのピリオド演奏にありがちだった「軽さ」を回避しているのもシャイーのすごいところ。『田園』ではこの強力なアンサンブルをフルに生かして森の情景や荒れ狂う嵐を表現しています。落ち着いて聴くのには向いていないかと思いますが。第8番は第1楽章冒頭から少し速すぎる印象。聴いているとお尻が浮きそうになります。『合唱』についても賛否両論ありますが、私はこの曲に対してあまりこだわりがないので、コメントは控えさせていただきます。いずれにしても、伝統のオーケストラ、ゲヴァントハウスをこのレヴェルまで引き上げたシャイーには拍手を送り、今後の活躍にも期待したいと思います。

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  • ★★★★☆ 

    宇野珍会長  |  埼玉県  |  不明  |  2011年11月21日

    注目のリリースということで、早速購入して聞いてみた。まず音色は概ねマズア時代の素朴なもので、奏法によって煌びやかになることはあったとしても、基本的には鄙びてかつ質感のあるよい響きだ。解釈はピリオド奏法を随所に盛り込んではいるものの、モダンスタイルは貫いている。ただ、ナンバーによっては「ほとんどモダン」「ほとんどピリオド」と傾向が分かれてしまうようだ。本当はピリオド云々というものではなく、現代音楽の側面から見たアプローチ、というのが正しいといえよう。 結論が先送りでは読みにくいと思うので、ここで一応の結論を書いておきたい。ベトベンのコレクターのぼくからいわせると、特に珍しいものは感じず、強いて言えばペーター・エトヴェシュが猟奇的に振ったベートーヴェンを、少し大人しくしたようなものだ。しかもシャイーはやりたいことを強調してくるので、それ以外の部分が特徴に乏しくなっている。しかも録音編集でそれを強調している始末だ(どうやっても内声部に埋もれるフレーズがなぜ最も目立つ?裏青盤と違いすぎる)。特に第4番ではその傾向が顕著だ。あと、レビューではテンポについての意見が多いようだが、ぼくには「早いが自然」という印象だ。特に田園のテンポ設定は絶妙で、シャイーにはこういう才能があったのか、と感心してしまった。これはスケルツォのトリオを聴けばわかるはずだ。あまり長くなるといけないので、まとめに入りたい。いささか猟奇的なベートーヴェンだが、現代的な解釈の標準として万人にお勧めしたいといえよう。

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