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ベートーヴェン(1770-1827)

CD 『フィデリオ』全曲 アバド&ルツェルン祝祭管弦楽団、シュテンメ、カウフマン、他(2010 ステレオ)(2CD)

『フィデリオ』全曲 アバド&ルツェルン祝祭管弦楽団、シュテンメ、カウフマン、他(2010 ステレオ)(2CD)

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    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  2011年08月28日

    近年のアバドは素晴らしい。ベルリン・フィルの芸術監督に就任した頃は、かつてのロンドン交響楽団の音楽監督時代のような力強さが影を潜め、借りてきた猫のように大人しい演奏に終始しアバドもこれまでかと思っていたが、大病を克服した後は不死鳥のように生まれ変わった。その後の演奏には、かつてのアバドにはなかった凄みと深さが加わり、今や現代最高峰の指揮者と言っても過言ではないほどの偉大な存在になりつつあるところだ。本盤におさめられたベートーヴェンの歌劇「フィデリオ」も、正にそのような偉大な指揮者による素晴らしい名演に仕上がっていると高く評価したい。アバド&ベルリン・フィルによるベートーヴェンの交響曲の演奏(特に、最初の全集のうちの第1番〜第6番)については、そのあまりの軽妙さにいささか違和感を感じずにはいられなかったが、本演奏では同じベートーヴェンの楽曲であってもそのような違和感など微塵も感じさせない。持ち前の豊かな歌謡性と音楽の核心に切り込んでいこうという鋭さ、そして、各場面の頂点に向けて畳み掛けていくような気迫溢れる力強さなど、どこをとってもこれ以上は求め得ないような卓越した表現力で、スケール雄大な音楽を構築しているのが素晴らしい。このような素晴らしい名演を聴いていると、アバドこそは現代における世界最高のオペラ指揮者であることをあらためて認識させられるところだ。冒頭の序曲の躍動感溢れる演奏の見事さ、第1幕終結部の囚人の合唱のこの世のものとは言えないような美しさ、第2幕冒頭の「神よ」の効果的な強調(これは、ヨナス・カウフマンの名唱を褒めるべきであるが)、そして、第2幕のフィナーレの囚人と人民の合唱等の壮麗さなど、実に感動的であると高く評価したい。オーケストラはルツェルン祝祭管弦楽団であるが、アバドが手塩にかけて育て上げている若きマーラー室内管弦楽団のメンバーも多数参加しているということであり、本演奏にいても、アバドと息の合った気迫溢れる熱演を展開しているのが素晴らしい。歌手陣は、先ずはレオノーレ役のニーナ・ステンメの迫力ある歌唱が我々聴き手の度肝を抜くのに十分であり、フロレスタン役のヨナス・カウフマンやロッコ役のクリストフ・フィシェサー、そしてドン・ピツァロ役のファルク・シュトルックマンの名唱も見事という他はない。その他の歌手陣やアルノルト・シェーンベルク合唱団も最高のパフォーマンスを示しており、本名演に大きく貢献しているのを忘れてはならない。音質については、ルツェルン音楽祭のオープニングコンサートのライヴ録音であるが、演奏会形式であることもあって音質は極めて鮮明と言えるところであり、更にSHM−CD化によって音場が輸入盤と比較して若干ではあるが幅広くなっている点も高く評価したい。

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