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マーラー(1860-1911)

CD 交響曲第7番『夜の歌』 バーンスタイン&ニューヨーク・フィル(2CD)

交響曲第7番『夜の歌』 バーンスタイン&ニューヨーク・フィル(2CD)

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  • ★★★★☆ 

    一人のクラシックオールドファン  |  兵庫県  |  不明  |  2011年05月31日

    1960年代というとまだそんなにマーラー交響曲全曲を演奏・録音する時代ではなかったのにバーンスタインはマーラー交響曲広告塔の如く持前の情熱的な推進力でもってNYPO他を振って断行した指揮者でそれは自他共に認じていたと思われます。私もLPでその大半を求め時折聴いたものでした。曲によっては中々馴染みにくく殊に第7番はスコアの第2,4楽章に「ナハト・ムジーク」と記せられていた事から「夜の歌」というタイトルもついていながら支離滅裂な感じでとっつきにくい印象を長年持っており今言った全集盤中の第7番(1965年収録、タイム@20’52A16’38B9’37C14’38D17’50)も積読状態であります。今回本盤演奏(1985年ライブ、タイム@21’30A16’57B10’27C14’33D17’15)に接して勿論完全に手中におさめたわけではなく更に聴き込む必要というか義務感も伴っているのが現状ではあります。まぁ、プラハでマーラー自身の指揮での初演も聴衆の反応はかなり鈍かったらしくまして我々素人はそのレベル以下で当然なのかもしれませんね。この聴き様によっては単に「音の瓦礫」にしか聞えかねない世紀末芸術的作品を自己顕示欲に駆られつつその起伏経路の流れをマーラー演奏の先駆者、67歳になったバーンスタインが前回同様NYPOを振って如何に表すかがポイントに置きました。この曲はマンドリンとかカウ・ベルなど交響曲には珍しい楽器も使われ矛盾・分裂気味の印象を更に煽ります。最終楽章と対をなす第1楽章は冒頭葬送雰囲気の陰鬱なリズムでスタートしますがオーケストレーションにおける長短調の絶えざる行き来やシェーンベルク的不協和音に加えるに突如とした爆発と停滞の繰り返しはオーケストラもついて行くのがやっとでアンサンブルも怪しくなりますがやはりユダヤ系の指揮者がその整理に向いており勝利感で盛り上がる部分ではバーンスタインの声?も聴き取れます。第2楽章は変わって山岳風景的なホルンや前述のカウ・ベルなどで抽象的ではありますが田園風景が想起される楽章です。途中美しいメロディアス部分もありますがただマーチ基調は各楽器に加えティンパニーもアクセント付けします。なお、この楽章はイメージとしては第4楽章と対をなしているとの事です。第3楽章の冒頭の不気味なスタートは印象的、やがて現れるグロテスクなテーマもマーラー独特の感触。ある退廃的な臭いをバーンスタインは抽出して行きます。第4楽章はヴァイオリン・ソロから入るのですが優しい雰囲気でマンドリンののどかさがホッとさせます。時折室内楽的雰囲気も捨てがたいですね。最後は消え入りそうに〆めます。連打ティンパニーがこの最終楽章の象徴で実に濃厚な脂ギラギラの阿鼻叫喚ぶりと勝利感的盛り上がり方はバーンスタインならではといったところ。鐘も大いに鳴らされフィナーレへの体勢は万全・・・ティンパニーが多用され正しく音量主義そのものでこの辺りがしんどくなるオールドな私ではあります。マーラー没後百年ということでバーンスタインによる第7番再録盤に挑戦しました。バーンスタインのマーラー演奏の凄さを認めつつ、とてつもないタイムのクレンペラー盤が私の中では一歩リード??。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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