ヴァイオリン協奏曲全集 ギドン・クレーメル、クレメラータ・バルティカ(2CD)
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 2009年08月30日
2006年夏、ザルツブルクでのライヴがようやく出ることになったのは、CDを発売してくれる会社を探すのに手間取ったせいか。クレーメルほどの大家でもこうなのだから、昨今のクラシック業界の窮状が分かる。さて、今回はアーノンクールがいないので彼一人が全体を差配するわけだが、楽器はモダンでも十分にピリオド・スタイルを踏まえており、シャープかつ柔軟ないつもの美音も、もちろん健在。弾き慣れのせいか、番号を追うごとにクレーメル色が強くなり、結局、第5番が最も個性的な出来だ。文句なしにいい演奏だが、前の録音より確かに良くなったカルミニョーラ/アバドのような相乗効果が期待できない分、前回に比べて何か決定的な新しさがあるかと問われると、ちょっと口ごもらざるをえないところが苦しいか。4人の方が、このレビューに「共感」しています。
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