【中古:盤質AB】 ヴァイオリン協奏曲全集 ギドン・クレーメル、クレメラータ・バルティカ(2CD)
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つよしくん | 東京都 | 不明 | 2010年01月08日
モーツァルトのヴァイオリン協奏曲はいずれも若書きの作品であり、例えばピアノ協奏曲などと比べると魅力が劣り、むしろ偽作と言われる第6番や第7番の方に軍配があがるほどであるが、今から20年以上も前に録音されたクレーメルとアーノンクールの組み合わせによる全集は、斬新な解釈によって、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲の隠れた魅力を再認識させた画期的な名演であった。ただ、クレーメルのヴァイオリンも十分に個性的ではあったが、アーノンクールの冷徹なアプローチが際立っている点もあり、両者の共同作業という印象が強かった。現に、本盤のライナーノーツにおいても、クレーメルは、旧録音について、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲の魅力を教示してくれたアーノンクールへの感謝を述べている。この旧録音に対して、本盤は、クレーメルの個性が前面に出た名演と言える。クレメラータ・パルティカも実にソフトで優美な演奏を繰り広げているが、こうしたバックのソフトな下支えが功を奏して、クレーメルの決して甘くはならない冷徹で精緻なアプローチが一段と際立つことになっている。正に、クレーメルのこの20年以上にもわたる円熟を俯瞰させる渾身の名演と高く評価したい。昨年度のレコードアカデミー賞で銀賞を受賞したのも当然のことであると考える。7人の方が、このレビューに「共感」しています。
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 2009年08月30日
2006年夏、ザルツブルクでのライヴがようやく出ることになったのは、CDを発売してくれる会社を探すのに手間取ったせいか。クレーメルほどの大家でもこうなのだから、昨今のクラシック業界の窮状が分かる。さて、今回はアーノンクールがいないので彼一人が全体を差配するわけだが、楽器はモダンでも十分にピリオド・スタイルを踏まえており、シャープかつ柔軟ないつもの美音も、もちろん健在。弾き慣れのせいか、番号を追うごとにクレーメル色が強くなり、結局、第5番が最も個性的な出来だ。文句なしにいい演奏だが、前の録音より確かに良くなったカルミニョーラ/アバドのような相乗効果が期待できない分、前回に比べて何か決定的な新しさがあるかと問われると、ちょっと口ごもらざるをえないところが苦しいか。4人の方が、このレビューに「共感」しています。
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KURO | 福岡県 | 不明 | 2009年08月23日
室内楽のような雰囲気のなかで奏でられてゆくモーツァルト。これはこれで良いのではないでしょうか。クレーメルのヴァイオリンが雄弁に語りかけてくるかのような弾き方にも好感がもてます。爽やかな清涼水のような演奏です。2人の方が、このレビューに「共感」しています。
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