２台ピアノ、４手のための作品集　インマゼール、シュヴァリエ

インマゼールの注目盤！
エラール・ピアノで聴く、ラフマニノフ

リリースの度に注目を集め、最近ではピリオド楽器によるラヴェルの管弦楽集(ZZT060901)で新感覚の演奏を披露したヨス・ファン・インマゼール（ジョス・ヴァン・インマゼール）。今回のアルバムは、ラヴェルのアルバムでも本人所有の1905年製エラール・ピアノでの「左手の協奏曲」で見事な演奏を聴かせてくれたクレール・シュヴァリエとの、これもまたエラール製のピアノを使用したラフマニノフの２台ピアノと４手のための作品集。ラフマニノフはニューヨーク・スタインウェイのイメージが強いですが、若い頃フランスではエラールを弾いたこともあったのでしょう。ここに収められている作品は演奏に使用されているエラール・ピアノとほぼ同時期に作曲されたもの。ラフマニノフが本来イメージした音色が再現されているのではないでしょうか。柔らかく高音の伸びの良いエラールの音色がこれまでの分厚いラフマニノフの演奏とは一味違った印象を与えてくれます。壮麗で華麗な「ラフマニノフぶし」というよりも、ラフマニノフ的な半音階進行による旋律と感情を増幅させる和音、アルペッジョやトリラー風の音型など細部にこだわりを感じさせる演奏で、お互い丁寧に会話をしているような優しい音楽に仕上がっています。

【収録情報】
ラフマニノフ：2台ピアノ＆4手のための作品集
1.　2台のピアノのための組曲第1番『絵画的幻想曲』Op.5 (1893) （バルカロール／夜−愛／涙／復活祭）
2.　2台のピアノのための組曲第2番Op.17 (1901) （序奏／ワルツ／ロマンス／タランテラ）
3.　ピアノ連弾のための6つの小曲Op.11 (1894) （舟歌／スケルツォ／ロシアの主題／ワルツ／ロマンス／栄光）

　ジョス・ファン・インマゼール（1897年エラール社製エクストラ・コンサート・グランド・ピアノ使用）
　クレール・シュヴァリエ（1905製エラール社製コンサート・グランド・ピアノ使用）

　1.　I.インマゼール、II.シュヴァリエ
　2,3.　I.シュヴァリエ、II.インマゼール

　録音時期：2005年7月4−8日、11月7−8日
　録音方式：ブルージュ、コンセルトヘボウ
　録音方式：デジタル（セッション）