【ライブレポ】HOT 97 SUMMER JAM TOKYO

2016年07月31日 (日) 23:00

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HIPHOPの歴史が動いた


ポップ・ミュージックのトレンドを行くHIPHOP/R&Bを中心としたアーバン・ミュージックに最も影響力のあるNYの老舗ラジオ・ステーションの「HOT 97」。そのHOT 97が1994年から23年間にわたり主催しているのがNY最大のフェス「HOT 97 SUMMER JAM」だ。

少しでも洋楽HIPHOP/R&Bをかじったことのある方なら、その名前やロゴを目にしたことがあるはず。これまでシーンを代表する錚々たる面々が出演しており(歴代出演者リスト を見よ!)、今年も収容人数6万人を超えるNYのメットライフ・スタジアムに、フューチャー、ファット・ジョー&レミー・マー、プッシャ・T&ビッグ・ショーン、DJキャレド、エイサップ・ロッキー&エイサップ・ファーグが登場。バスタやアシャンティなどの当日のサプライズ・ゲストも話題になった。

そんなHOT 97 SUMMER JAMがなんと日本に上陸するというニュースが流れたのは、今年の春先のこと。アメリカ国外で開催されるのは、ここ日本が初ということで驚きを持って迎え入れられたが、正直、あれほどのビッグ・フェスが日本で本当に開催できるのか懐疑的だった方も多いはず。しかし出演アーティストの発表されていくうちに、これはもの凄いことが起こるのではないかという興奮に変わってきたのだ。

その記念すべき第1回目となるHOT 97 SUMMERJAM TOKYOが7月29日(金)、ZEPP東京で遂に開催された。チケットは早々にソールドアウト。この日を待ち望んでいたHIPHOP/R&Bファンも多かったことだろう。

LIVEの出演アーティストは、フレンチ・モンタナ、プッシャ・T、ファボラス、オマリオン、AKLO、AK-69、バンコクインベーダーズ&ダボーイウェイ。これだけでも凄いのに、DJもDJイナフ、DJ キャスト・ワン、DJ ボビー・トレンズ、DJ カミロ、そしてDJ リードと豪華。さらにHOT 97の人気パーソナリティも大集結し、本場のラジオ・プログラムさながらのトークも聞けてしまうというのだが、このボリュームをたった1日で間に合うのか?とさえ思ってしまう。

週末とは言え、平日の夕方17時という早い時間の開演。にも関わらず、会場周辺にはそれらしき風貌の若い男女でごった返し、物販には長蛇の列。中のフロアは既にイイ感じで埋まっており、ステージ中央にある巨大なDJブース上では、DJ イナフが新旧ヒットチューンのミックスで場内をあたためている。

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AKLO〜BANGKOK INVADERS & DABOYWAY〜AK-69



贅沢にも、オープニング・アクトは「日本語ラップ最高到達地点」と呼ばれ、今年メジャーデビューを果たしたAKLO。ラップのリズム・センスは卓越しており、耳が勝手に彼のMCを追ってしまう。「Outside The Frame」や「McLaren」等数曲、15分程度の短い持ち時間ではあったが確実にその存在を印象づけた。

2番手はバンコクインベーダーズ&ダボーイウェイ。タイアメリカンでTHAITANIUMのリード・ヴォーカル、ダボーイウェイはスヌープ・ドッグと共演した「Wake Up」やアナーキーとの「Understand me」などで知られる。若干アウェー感のあった空気を、パワー系ラッピンで掌握。歌声もいい。ぽっちゃりDJコンビ、バンコクインベーダーズも絶妙に会場をロック、TシャツやCDをばらまく太っ腹なところも見せた。

先日、Def Jamとの電撃契約も大きなニュースになったAK-69はさすがの存在感を放つ。1曲目はそのDef Jam Recordings第1弾シングル「Kingpin」。身体にビリビリ来るような低音が凄まじい。「今日ここにこうしてHOT 97 SUMMER JAM TOKYOのステージに立てていることを心から、感謝の気持ちを伝えたいです。ありがとうございました!」「海を越えてやってきたHIPHOPに本当に助けてもらいました。HIPHOPにリスペクト、愛を示しに来ました」と日本語と英語で熱い想いを語り、「HIPHOPに愛を示す奴は全員で声をあげろ!」と「ロッカールーム -Go Hard or Go Home-」で会場を見事に一つにした。

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OMARION




レディースお待ちかねのR&Bシンガー、オマリオンが登場すると、どこに隠れていたのか女子率がグンと上がる。B2K〜初期ソロ時代の細身の身体からイケメンマッチョになったオマリオンは変わらぬ甘いヴォーカル、バツグンのダンススキルを披露。後方にある大きなスクリーンに映し出されるオマリのキュートな笑顔、立ち振る舞いのなんとセクシーなこと。女性客に「カワイイ」とつぶやいたり途中、上半身裸になったりとお約束のサービスも。

「I’m Sayin’」「I’m Up」と近年の人気曲から、B2K時代のヒット曲「Bump,Bump,Bump」まで矢継早に披露すると会場は歓声に包まれる。自身最大のヒット曲「Ice Box」では大合唱状態になり、サビを観客に最後まで歌わせて放置するツンデレ(?)で大いに沸く。但し、殆どの曲をワン・コーラス程度で終えてしまうのが残念すぎる。「Entourage」もフルで聴きたかったなぁ。最後、「Post To Be」で頂点へ。クリス・ブラウン、ジェネイ・アイコの歌詞部分もみんなで歌うほど大盛り上がり。あっという間の30分間であった。

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FABOLOUS




続いては、キャリア20年近いキャリアを誇る、NYはブルックリン出身のラッパー、ファボラスだ。黄色とグレーのツートーンのウィンドブレーカーにキャップ、サングラスと完全防備(?)のファボラス。けだるい語り口のクールでサグいラッパーというイメージ通りに、ポーカーフェイスでタイトなラップを繰り出す。フージーズ「Killing Me Softly」ネタの「Real One」やトレイ・ソングス&ニッキー・ミナージュとの「Don’t It Well」のような比較的新しめの楽曲後、リル・モーとの「Superwoman pt.II」やアシャンティを迎えた「Into You」や「Can’t Let You Go」、ニーヨと共演した「Make Me Better」などクラシック・ソングを連投すると大歓声が上がる。

ここへ来てAK-69がゲストとして突如登場。演るのはもちろん2人の共演曲「Oh Lord」だ。実はこの日、アーティスト同士がコラボレーションしたのはこの1回だけ。しかも日米トップアーティストの共演を生で観ることが出来たのは非常に貴重であった。 終盤、カニエ「Pt.2」〜デザイナー「Panda」〜自身の「Panda Remix」という流れでぐっと引き寄せ、最後はライアン・レスリー節なベースラインがクセになる「You Be Killin Em」で締め。ファボラスのストイックながらも、内に秘めた熱いものを感じさせるNYのMCらしいカッコいいステージを堪能することが出来た。

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PUSHA T



ファボラスが予定時間を超えて充実のパフォーマンスを行った後に現れたのは、カニエ率いるG.O.O.D.Musicの社長でもあるプシャ・Tだ。スクリーンには最新アルバム『King Push』のジャケと白鳩が飛ぶ映像が流れる。黒いTシャツに首元は黒いバンダナ、ジーンズのハーフパンツというシンプルな出で立ちだが、放たれるオーラは桁違い。今、最も脂の乗り切ったラッパーだ。

「Millions」の「みりみり〜ちょっぱちょっぱ〜」で早くもヒートアップすると、この10年間の中でトップ5には入る名曲「Mercy」で爆発。同じくカニエの傑作「Runaway」も大合唱だ。凄い、みんな歌詞を丸覚えだ。さすがG.O.O.D.の社長らしく「New God Flow」などカニエ絡みの楽曲を続けた後は、クリプスの大ヒット曲「Grindin’」!懐かしい!

新作から字余り的なラッピンがヤバすぎる「Crutches, Crosses, Caskets」やビギーの声をサンプリングしたプシャ・T渾身の「Untouchable」を続けてパフォーム。ラストは、フューチャー、ファレルとの邂逅が実現した「Move That Do」とジェイ・Zを迎えた最新シングル「Drug Dealers Anonymous」になだれ込む。自分のパートが終わるとそのまま裏に引っこんでしまったのはちょっぴり寂しかったが、想像以上にアグレッシヴでエネルギッシュなパフォーマンスを見せてくれたプッシャ・T。今度はぜひフルライブを見てみたい。

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FRENCH MONTANA



最後を飾るのは、モロッコ生まれ、NYはブロンクス育ちのヒップホップ・スターのフレンチ・モンタナ。2015年だけでも客演数は160曲を超える人気者。ミュージック・ビデオやネットに上がっている映像を見ても大きいとは思ったが、後ろのスクリーンに大きく映し出される映像をいちいちチェックしなくても良いくらい実物は相当デカい。グレーの半そでパーカーTシャツに迷彩柄のパンツ、手にはタオルという出で立ちと、もっさりした動きが日曜日のお父さんのようだが、チェーンネックレスや腕時計のキラキラ具合が本物過ぎる。まだ31歳という若さながら、常に余裕の笑みを浮かべており、大物の風格すら漂っている。

オープニングはボビー・シュマーダのヒット曲をジャックした「Hot Nigga(Remix)」。この日誕生日というDJを紹介し、クラブバンガー「Freaks」に突入すると、早速ダンスホール状態。中毒性の高いウワモノの「Don’t Panic」でさらにダメ押しだ。最も盛り上がったのは一度はその言葉を口にしたくなる「Ocho Cinco」。「おちょしんこーッ!」の絶叫がZEPP東京中に響きわたる。ビッグヒット曲「Pop That」の盛り上がりも負けていない。冒頭の煽りで完全にタガが外れてジャンプしまくり。モンタナは日本人でもシンガロングしたくなる持ち歌が多いのが強みだ。今日2度目の「All The Way Up」の後は曲全体フックのような「Ain't Worried About Nothin」が続く。現在お勤め中の盟友、マックス・Bの釈放を訴え、8月に発表する新作『MC4』から「Lockjaw」、先日パート2を発表した「Sanctuary」でしっとり締め括った。 非常に客演曲が多いモンタナだが、この日は短い持ち時間に合わせ、披露する曲をかなり厳選しているようであった。今度はぜひ、単独での来日公演を実現してほしい。

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・・・とここまでライブ・アクトのことばかり書いてきたが、実は今回のHOT 97 SUMMER JAM TOKYOのMVPはDJS&パーソナリティ陣だろう。DJたちはそれぞれ個性的なテクニックを発揮しながら、誰もが知っている曲を絶妙にクイック・ミックス、時にマイクで煽り、時にコスリで声援にこたえていた。普通ライブ間はダレるものだが、ここまでDJタイムが盛り上がるイベントはない。誰もトイレ休憩に行かないのだから。また、パーソナリティたちのトーク&ダンス、そしてマイク・パフォーマンスが担った役目も見逃せない。さすが第一線、HOT 97で活躍している面々だ。 そして何より、HOT 97で番組を持つ日本人DJ、DJ リードと彼が所属するHeavy HittersのDJ イナフをはじめ、本場のアーバン・ミュージックを届けたいという気持ちの元、日本開催に向けて尽力した運営側の本気度に拍手。

最後にDJとパーソナリティーたちが来年の開催を約束し、大盛況のうちに第1回HOT 97 SUMMER JAM TOKYOは幕を閉じた。日本人の洋楽離れが叫ばれて久しいと言われるが、日本のHIPHOP/R&Bファンはここにありと実感させてくれたイベントであった。第2回にも期待したい。
(ヒロ安藤)

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イベント概要

HOT 97 SUMMER JAM TOKYO
会場: ZEPP TOKYO
日程: 2016年7月29日(金)
主催・企画・制作: HOT 97 SUMMER JAM TOKYO 実行委員会

出演:
<アーティスト>
FRENCH MONTANA / PUSHA T / FABOLOUS / OMARION / 
AKLO / AK-69 / BANGKOK INVADERS & DABOYWAY 
<パーソナリティー>
  EBRO DARDEN / PETER ROSENBERG / LAURA STYLEZ / NESSA / MEGAN RYTE / TT TORREZ 
<DJS>
DJ ENUFF / DJ KAST ONE / DJ BOBBY TRENDS / DJ CAMILO / DJ LEAD 

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