【インタビュー】DARK ANGEL

2016年01月16日 (土) 10:00

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 まさか日本でDark Angelを見られる日が来ようとは!Gene Hoglanのドラミングも凄まじかったし、名盤のセカンド『Darkness Descends』から5曲も演奏され、セットリスト的にも大満足!ということでギタリストのJim Durkinと、ドラマーのGene Hoglanに色々と話を聞いてみた。
川嶋未来(以下、Mirai)--- (Jimに)日本は初めてですか。印象はいかがですか。

Jim Durkin(以下、Jim):初めてだよ。素晴らしい国だね。人々は親切だし、ライヴでの反応も素晴らしい。

Mirai---昨晩のショウはいかがでしたか。

Jim:楽しかったよ。グレイト。皆一緒に歌ってくれたしね。

Mirai---バンドを結成した時に、そもそも速い音楽をやろうと思ったのは何故ですか。

Jim:俺はNWOBHMが大好きだったんだ。MotorheadやTankなどを聴いて育ったのだけど、ある時もっと過激なことをやろうと思ってね。何故なのかはわからないけど、とにかくもっとハードなことをやろうと思い立ったんだ。

Mirai---Dark Angelのスタイルというのは、いわゆるベイエリア・スラッシュとは違うものです。これはサンフランシスコとロサンジェルスの違いというものなのでしょうか。

Jim:ロサンジェルスのバンドはもっと怒っていたんだ。俺たちはあまり治安が良いとは言えない地域の出身だからね。Slayerなどと同じように、俺たちの音楽は怒りに満ちていたんだ。俺たちの音楽はまったく安全なものじゃないだろう?

Mirai---80年代のLAのシーンはどのようなものでしたか。何か新しいものを創り出しているという意識はありましたか。

Jim:Gene、君はどう思う?

Gene Hoglan(以下、Gene):「俺たちは新しいシーンを創って、世界を征服してやる!」みたいに明確に意識をしていたとは思わないな。俺たちはただやりたいことをやっていて、俺や友人たちは、いわゆるLAのコック・ロックが大嫌いだったんだ。髪の毛を飾りたててさ。女みたいなカッコをして女みたいに演奏したいのなら勝手にすればいい、俺たちはもっと速くて激しい音楽をやるんだって。ただ「君ら速いね。君らはへヴィだね。一緒にライヴやろうか。」というような程度の話で、いわゆる「シーン」などというものは無かったよ。

Jim:そうかな?俺はそうは思わない。ある程度の団結はあったと思うよ。

Gene:ベイエリアは皆が友達同士でさ、一緒に楽しくライヴをやろう!みたいな感じだっただろ。LAではもっと皆嫌いあってたよ。

Jim:今でこそ皆仲が良いけど、確かに変な雰囲気はあったね。

Mirai---ライバル心のようなものでしょうか。

Jim:そうかもしれない。「俺たちが一番速い!」「俺たちがこの街で一番へヴィなバンドになる!」みたいな自負だったのかもしれない。ただ俺たちは皆と違うことをやっていただけだよ。Slayerとも違う。Metallicaとも違う。

Mirai---サンフランシスコにはRuthie's Innのようなシーンの中心となるクラブがありましたが、LAではどうだったのですか。

Gene:LAにはWoodstockやRadio City、Troubadourなどがあったけど、Ruthie'sのように、スラッシュ・ファンなら誰もが通うクラブというのは無かったね。

Jim:Radio Cityがわりと近い存在なんじゃないかな。俺たちも月に一度くらいプレイしていただろ?

Gene:Country ClubというLAの北の方にあるクラブが、バンドがある程度ビッグになるとプレイする場所だった。俺たちはCountry Clubのようなところでプレイできるよう頑張り、そこに出られると、大分知名度が上がったなと感じたものだったよ。

Jim:あそこに出られるというのは凄いことだったね。

Mirai---あなたたちはFearのカヴァーをやっていましたが、ハードコア・パンクからの影響はどの程度ありましたか。

Jim:バンドのメンバーは、それぞれ違う音楽から影響を受けていた。パンクということで言えば、Geneが俺にFearを教えてくれて、Eric(Meyer)がDischargeを教えてくれた。俺はあまりパンクを聴いていなかったんだ。もっとハードロックであるとか、NWOBHM、Gary MooreやThin Lizzyが大好きで、そういう音楽から影響を受けていたからね。メンバーそれぞれが違う影響を持ちこんだんだ。GeneがFearを聴かせてくれて、俺もとても気に入った。これはいいね、聴いたことが無かったよって。あとはFishboneとかも教えてもらったね。いくつかのバンドは好きだけれども、パンクというのは俺にとっては大きな影響では無い。やっぱり聴いて育ったのはNWOBHMだから。

Mirai---Circle JerksやDead Kennedysがいて、DRIやMDCなどがサンフランシスコにやってきたりで、西海岸のスラッシュ・メタルの発展にはハードコア・パンクが非常に大きな役割を果たしたと思うのですが、いかがですか。

Gene:間違いなく非常に大きな影響があった。確かにDark Angelには大きな影響はなかったかもしれないけど、俺やEricはパンクも好きで、特にメタルっぽいパンク、例えばFearやBattalion of Saints、カナダのNeosとか。Neosは82年当時世界最速のバンドだった。たださっきも言ったようにDark Angelに関してはやはりメタルの方が重要で、俺たちがあそこまで速く演奏をしていたのは若さゆえというのかな、速くプレイできるんだから速くプレイしよう、みたいな感じで、だけど実際自分たちではそれほど速く演奏しているという感覚は無かったんだ。滅茶苦茶に速くプレイしているつもりはなくて、むしろ心地よい速度だと思っていた。ところが後でヴィデオで見返すと、実際はとんでもないスピードなんでびっくりしたりね。

Mirai---当時のバンドで、あまり知られていないけれどもぜひチェックすべきバンドがいたら教えてください。

Jim:Tankは見落とされがちなバンドだ。Algy Wardは元The Damnedだし、パンクからメタルへの素晴らしいクロスオーヴァーだよ。Angel Witch、Diamond Head。Thin Lizzyも見落とされがちだね。Tygers of Pan Tang。他にもたくさんいるよ。Praying Mantisとか。彼らとはとても良い友達だ。LAだとSavage Graceとか?Geneとはよく見に行ったよね。

Gene:そうそう。あとTormentor。若いメキシコ人がやっていたバンドだ。もうちょっと後、87年頃にいたバンドだけどCatalepsy。今ではKornなどのプロデューサーとして有名になったRoss Robinsonがいたバンドなのだけど、女性ヴォーカルでね。3曲入りデモを出していた。YouTubeにもあると思うよ。あとはSentinel Beastとか。

Mirai---Sentinel Beastは素晴らしいですね!

Jim:Wargasm!彼らは良い友達だし、やっている音楽も素晴らしい。

Mirai---彼らはTankっぽい部分がありますよね。

Jim:もろにTankだよ!

Mirai---Wargasmは最近も活動しているのですか?

Jim:していると思うよ。ただギタリストは Josh Grobanのバンドでプレイしていたりで、プロのギタリストとしても忙しいんだ。プロデューサー業もやっているし。凄いよ。

Mirai---『We Have Arrived』がリリースされてからかなりの年月が経ちましたが、今振り返ってみていかがですか。

Jim:とても聴けたものじゃないよ!まだ18歳だったしね。しかし俺たちの歴史の一部であることは確かだよ。あのアルバムが無ければ、こうやって日本に来ることも無かっただろうしね。今聴いてみると、「一体何を考えていたんだ!」と思う部分もあるけど、戻って直すこともできないし。あれもDark Angelさ。

Mirai---(Geneに)Dark Angelに加入した経緯はどのようなものだったのでしょう。当時はWargodにいたのですよね。

Gene:そう、Wargodにいた。それからDark Angelの照明係をやっていた。SlayerやSavage Grace、それからExodusが来たときも照明を担当していたんだ。

Jim:お給料払ってなかったけどね。

Gene:あとはステージでバンド紹介なんかもしてた。ライヴ前にステージに飛び乗って、「おいクソども、用意はいいか、ダーク・ファッキン・エンジェルだ!」なんていう風に。あれは俺が始めたことなんだよ。という訳でDark Angelのことは良く知っていて、Jimとも友達で、一緒にライヴを見に行ったり打ち上げで飲んだりしていたんだ。Dark AngelはSlayerと一緒にプレイすることが多かったからね。84年のSlayerのHaunting the West Coastツアーの時に、Jeff HannemanがDark Angelにビビりまくっていたことを覚えているよ。TomやKerryに「Dark Angelは俺たちより速いし俺たちよりもへヴィ、しかもリフも俺たちより良いぞ!Dark Angelは俺たちをぶっ潰して西海岸を征服してしまうぞ!」ってね。俺はまだDark Angelには入っていなかったけれど、Dark Angelは大好きだったし、もちろんSlayerも大好きだった。Jeffには「あなたはSlayerのメンバーでしょう!何を心配することがあるんですか。」と言ったのだけど、「あいつらの新曲は凄いぞ、一度聴いてみろ。」って。それで俺とJimの共通の友人が、Dark Angelのリハか何かに行って新曲を録音してきたんだよ。「The Burning of Sodom」と「Perish in Flame」。おそらくこの2曲がHannemanが話していた新曲だったのだと思う。それがあまりに素晴らしかったので驚いて、「このバンドに入るしかない!」と思ったんだ。俺がJimに「お前らのドラマーは最低だ!俺を加入させろ!」って言ったなんていう噂もあるけどさ。

Jim:実際そうだったじゃないかよ!Geneとは長いつきあいだったのだけど、「お前ドラムプレイできるの?そもそもドラムセット持ってたっけ?」なんていう感じで、ところが彼がリハにやって来て全曲見事にプレイして見せたものだから、即刻ドラマーに電話してクビを宣告したんだよ。

Gene:Jimと俺は共通点があって、それはどちらも速くて激しくて、イーヴルでへヴィな音楽が好きだったということ。

Jim:「あのバンドは良いけれども、ハッピーな曲がちょっと。」なんていうケナし方をしてた。確か「ハッピー」という単語を使ってたよな?

Gene:そうそう、ハッピー。リフが長調でイーヴルじゃないと、ハッピーだってケナしていた。

Jim:メンバーがそれぞれ違った音楽性を持っていたけど、俺とGeneはバンドがどういう方向性をとるべきか、はっきり自覚していた。二人で一緒に曲を書いてみたら、それが見事にハマったんだ。

Mirai---私が初めて「The Burning of Sodom」を聴いたのは、『Bullets』というコンピレーション・アルバムだったのですが、

Jim:皆そうみたいだね。

Mirai---あんなに激しい曲を聴いたことは無かったので衝撃的でした。

Jim:それは良かった。

Mirai---『Bullets』に収録されているのは、アルバムとは別ヴァージョンなのでしょうか。

Jim:うーん...(訳注:Jimは別ヴァージョンと明確には認識していない様子。)

Gene:ヴォーカルだけが違う。レーベルから「コンピレーション用の曲がいる。それも今すぐ。」と電話があってね。『Darkness Descends』はレコーディング、ミキシング、マスタリングにそんなに時間がかかっていなくて、

Jim:6週間だっけ?

Gene:いやいや、3週間。すべてを3週間でやったんだ。レーベルから電話があった時には、ベーシックな部分はだいたい出来上がっていた。なので慌ててDonがヴォーカルを録ったんだ。確か冒頭のビッグ・スクリームが入っていないんだよね。

Mirai---はい、入っていないです。

Gene:それに何か所がヴォーカルのリズムがおかしいところもある。とにかくさっとヴォーカルを入れて、さっとミックスをしてレーベルに送ったんだ。


Mirai---なるほど、ヴォーカルのみ別テイク、ミキシング違いということですね。『Darkness Descends』のアートワークはとても素晴らしいですが、あれはどのようにして作られたのでしょう。ジオラマなのでしょうか。

Jim:あれは写真だよ。あれを作ったのは何て言う奴だっけ?

Gene:Sean Rogers。ショーンではなくてシーンと発音するんだ。彼は『We Have Arrived』のアートワークも手掛けている。

Mirai---オリジナルの方のカバーですよね。

Gene:そう、白黒の墓場のシーンの方。『Darkness Descends』のアートワークで一番面白いのは、あの墓石はスタイロフォームなのだけれども、墓石から上に付き出している2本の棒は、実はベッドの支柱なんだ。あるだろ、ベッドの上に突き出しているポール。それらをスタンドに立てて、汚して、手を置いて、みたいな感じで。だけど実はボツになった別のアートワークがあって、

Jim:俺は写真持ってるよ。死体置き場のやつね。とにかくブルータルで、当時はブルータルなアートワークが多かったのだけど、それでもレーベルに拒否された。

Gene:死体置き場の男の胸から手が飛び出ているんだよ。もちろんデス・メタルが出てくる前の時代だけれども、レーベルが一目見て「これは絶対にダメだ!」って。

Mirai---そのアートワークは公開されているのですか?

Jim:インターネットにあるはずだよ。

Gene:あれのTシャツを作ろう。

Jim:それはいいね!

Mirai---『Darkness Descends』をDark Angelの最高傑作とする人も多いですが。

Jim:あの作品は俺とGeneが初めて共同作業をした作品だ。もちろんGeneが加入する前に作られた曲もあるけど、彼は歌詞を書き直したりもした。Dark Angelのその後のあらゆる可能性を開いた作品だね。Geneという、何でも演奏できるドラマーを迎えた初めての作品だったし、彼はギターもプレイできた。俺にとっては始まりという感じの作品かな。

Gene:多くの人にとって、『Darkness Descends』が初めてのDark Angel体験であり、初めての体験というのは大きなインパクトを与えるものだ。例えば『Bonded by Blood』にしてもそう。

Mirai---『Bonded by Blood』は確実にExodusのベストの作品ですよ!

Gene:まあそうだけど。もちろん彼らもその後も良い作品を出してはいるのだけど、それでもね(最初のインパクトは超えられない)。もし『Leave Scars』も、あの音質さえ無ければもっと素晴らしい作品になっていたはずだ。こうやって再結成もしたことだし、できればあのアルバムをリミックスしたいと思っている。

Jim:再録しようか(笑)。

Gene:(笑)。俺はあのアルバムが持っているエネルギーが大好きでね、速いけど決して速すぎず、ただ残念ながら意図していない音質になってしまった。曲も素晴らしいのに。

Jim:シンガーも素晴らしい。Geneと俺はきちんと歌えるヴォーカリストが欲しかったんだが、Ronは当時も今もパーフェクトなシンガーだよ。

Gene:その通り。Ronが加入してさらに一歩前進できるというのがとても楽しかった。彼のような素晴らしい人間が入ってくれて、俺たちはとてもラッキーだよ。

Jim:素晴らしいフロントマンだしね。

Mirai---『Darkness Descends』は非常にブルータルな作品でしたが、当時のリアクションはどのようなものだったのでしょう。

Jim:ちょうどあのアルバムからツアーをするようになった。しかし(Don Dotyが脱退し、)Jim Drabosという新しいヴォーカリストでツアーをしなくてはいけなかった。彼についてはあまり語られることがないけれども、素晴らしいヴォーカリストだったよ。非常にエキサイティングな経験だったね。当時はあまりたくさんのバンドがいなかったし。俺たちとPossessedくらいで、もちろん新しいバンドが育ちつつはあったけれども。場所によって反応はまちまちだったな。LAとサンフランシスコは違うし、ニューヨークもまた違う。

Gene:俺たちはSlayerよりもエクストリームだった訳だよ。「Slayerよりへヴィでエクストリームなバンドなんている訳ないだろ!」という奴には、ちょっとこれを聴いてみろってね。『Reign in Blood』は、『Darkness Descends』の3-4週間前にリリースされたんだ。レコーディングされた時期はほぼ同じだったのだけど、たまたまリリースは俺たちの方が3週間ほど遅かった。だから「君らのアルバムが2カ月早く出ていたら、君らが超ビッグになっていたよ!」なんて言う奴がいるけどさ、それはただの勝手な想像でしかない。Kerryの家に行った時のことを覚えてる?

Jim:Slayerとはずっと良い友達なんだ。Geneと俺は彼らとしょっちゅう一緒にいてね。今でも友達だよ。だけど俺はあまりDark AngelがSlayerと比べられたことは無かったと思うよ。Slayerには似ていないと思うし。俺たちはただやりたいようにやっていただけで、他のバンドとは全然違ったと思う。

Gene:例えばデス・メタルを全然知らない人が聴いたらCannibal CorpseとDeicideの区別はつかないだろう。ObituaryとMorbid Angelも全然違うけど、慣れない耳には同じに聴こえるものさ。そう言う意味で、俺らもSlayerクローンだなんて言われたこともあるけれども、俺たちは色々と真実を知っているし。Hannemanがビビっていたこととかね。

Jim:実際はまったく似ていないのに。

Gene:そういう意見に対して俺はずっと沈黙を守っていたけれども、Metallicaしか知らない奴は、速くてへヴィなバンドは全部「Metallicaに似てる。」なんて言うだろ。

Jim:今でこそバンドはたくさんいるけれども、当時は数が少なかったからね。比べられるバンドも決まっていた訳さ。あの頃はMetallicaも、Slayerも、Death Angelも、Exodusも、Dark Angelも一つしかなかった。速いというだけで比較対象にされたわけだけど、最近はそうではないよね。俺たちには俺たちのサウンドがある。聴けばすぐ「これはDark Angelだ」ってわかるはずさ。

Mirai---『Time Does Not Heal』には有名な「リフが246個」というステッカーがついていましたが、あれは実際にカウントしたのですか。

Jim:(Geneを指差す。)

Gene:俺が本当に数えたんだよ。数えた唯一の理由というのは、メインのソングライターが最初にクレジットされるべきだという信念だった。Hoglan / EriksenなのかEriksen / Hoglanなのか、Hoglan / DurkinなのかDurkin/ Hoglanなのか。なのである日、誰が最初にクレジットされるべきかを調べるためだけに、それぞれの曲のリフの数を数えたんだ。その後アルバムをレーベルに提出した数週間後、PRの担当から電話があって「新しいアルバムとても気に入ってるよ!それにしてもリフがいっぱいあるね。」なんて言うものだから、「実を言うと246個あるんだ。」って答えたんだ。「え?何でわかるんだ?」なんて聞くから、理由を説明してね。そうしたら例の「9曲入り、67分、246個のリフ!」というステッカーが貼られていてさ。ただの下らない電話での会話が、余程彼の印象に残ったんだろうね。アルバムの宣伝に使われたというわけさ。

Mirai---あれはインパクトありましたよね。私も当時数えようと頑張ったのですが、まったく無理でした。

Gene:そりゃそうだと思うよ!

Jim:バリエーションが豊富だからね、気持ちはわかるよ。何しろ俺もあのアルバムの曲を覚えてプレイしなくてはいけなかったからね。(訳注:Jimはこのアルバムには参加していないが、その後の再結成ライヴでは、この作品の曲もプレイしている。)とても楽しかったよ。あのアルバムは俺にとっても大切な遺産さ、Dark Angelの歴史の一部だからね。あのアルバムが一番のお気に入りかな。俺が参加していたら台無しにしていたかもしれないけど(笑)。

Mirai---お気に入りのアルバムを3枚教えてください。

Jim:どんな音楽でも良いの?

Mirai---はい。

Jim:難しいな、公平に選べないよ。

Mirai---ではスラッシュ・メタルで3枚。

Jim:それならばWargasmの『Why Play Around?』。あのアルバムはVan Halenの『I』と同様、ギターが一本だけで、オーバーダブされていないんだ。非常にロウでライヴな作品だ。(訳注:筆者が確認した限りでは、『Why Play Around?』ではギターはオーバーダブされていると思われる。)

Gene:俺はそうだな、Artilleryの『Terror Squad』。あれは大好きだよ。素晴らしい作品だ。それから『I Hate Therefore I am』。

Jim:Cyclone Temple!素晴らしいバンドだね。

Gene:あれはリフ中心で、ヴォーカルも素晴らしい。曲も良い。あとはPossessedの『Seven Churches』かな。

Mirai---ではそろそろ時間が無くなってきました。最後に日本のファンへのメッセージをお願いします。

Jim:昨晩はどうもありがとう。そして今晩もありがとう。日本は何と素晴らしい国なのだろう。皆素晴らしい人たちだ。素晴らしいもてなし、本当にどうもありがとう。今晩もその期待に応えるよ。

Gene:日本の友達、そしてファンのみんな、この素晴らしい国での歓迎、どうもありがとう。個人的には日本に何度も来ているけれども、Dark Angelとしては初めてだ。非常に歓迎してくれてとても心地が良いよ。昨晩のショウも素晴らしかった。是非また日本に戻ってきたい。また日本に来た際には、ぜひまた見に来て欲しい。ドウモアリガトウ。

取材協力:CLUB CITTA'
 インタビュー中で触れた『Bullets』というコンピレーションについて少々。これは1986年Combat Recordsがリリースしたオムニバス・アルバムで、Megadethを筆頭にPossessed、Dark Angel、Agent Steel、Crumbsuckers、Agnostic Front、Abbatoirなどが収録されている、メンツ的にはかなり豪華な作品。だがこれ、その後CD化もされておらず、近年その存在が顧みられることも殆ど無い。理由は明らかで、この『Bullets』、まさにコンピレーション・アルバムが本来持つべき目的で作られたコンピレーション・アルバムだからだ。

 コンピレーション・アルバムの本来の目的、それはレーベルが所属バンドを宣伝すること。現在は実際にアルバムを購入する前に、インターネット上でいくらでも視聴が可能であるが、80年代当時はそうではなかった。特にスラッシュ・メタルのようなマイナーな音楽となると、なかなか事前にアルバムの音を確認することは難しかったのだ。そんな状況下、多くのレーベルは自分たちがリリースした(する)アーティストの楽曲を集めコンピレーション・アルバムを作り、格安で販売するという宣伝手法をとっていた。つまりコンピレーション・アルバムはレーベルのカタログ的役割を果たしていたのだ。『Bullets』も正にそれ、当時Combatや傘下のレーベル所属アーティストの作品をただ集めたものだった故、言い換えればここでしか聴けないレア曲が収録されている訳でもないが故、21世紀となった今、特にこの作品を探し求める必然性は特に無いと認識されていたのである。だが実際はインタビュー内でGene Hoglanが言っているように、Dark Angelの「The Burning of Sodom」についてはアルバムと別ヴォーカル・テイク、別ミックスであり、これは『Bullets』でしか聴けないものなのだ。これ、冒頭のスクリームが無いのは明らかなのだが、それ以外の違いが明確でなく、一体アルバム・テイクとどのような関係にあるのか長年疑問であった。また「『Bullets』でDark Angelを知った人も多かった」という話も面白い。正直『Bullets』を買ったファンも、MegadethやPossessed、さらに当時勢いのあったCrumbsuckersやAgnostic Frontのクロスオーヴァ勢を差し置いて、Dark Angelというバンドに期待をしていなかっただろう。ところがターン・テーブルに乗せてみてびっくり、圧倒的インパクトを放っていたのは、当時まだ全然名前の知られていなかったDark Angelだったのだ。彼らはすでに『We Have Arrived』でデビューを果たしていたが、この作品は流通が良くなく、見かけることもあまり無かったし、内容的にもシーンを席巻するようなものではなかった。Dark Angelは、そんな雰囲気を「The Burning of Sodom」一発でひっくり返したのである。『Bullets』で度肝を抜かれ、本編の『Darkness Descends』でさらにびっくり。Jeff Hannemanが警戒していたというのも十分頷ける話である。今でこそ帝王として不動の地位を獲得しているSlayerだが、30年前台頭してくる若手にビクビクしていたというのは実に微笑ましい限り。

 見落とされがちなバンドとしてTankやDiamond Head、ましてやThin Lizzyなどと言われてしまうと違和感を感じる人も多いかもしれない。これはおそらく日本とアメリカにおけるNWOBHMの受容のされ方の違いなのだろう。日本は世界に冠たるNWOBHM大国。日本ではNWOBHMの名作の数々が世界に先駆けてCD化されたため、世界中のNWOBHMマニアが日本盤CDを探し求めていたという歴史もある。一方でスラッシュ・メタルの最高峰として取り上げるのがWargasm、Cyclone Templeあたりというのは実に渋い。

 『Time Does Not Heal』に貼られていた有名なステッカー、「9曲入り、67分、246のリフ!」という売り文句についての話も興味深かった。246という数の多さもさることながら、そもそもリフの数を数えるという発想すら普通は無いもの。第一、リフ一つというのはいくらでも恣意的に解釈できるので、きっと半分冗談のギミック的なものだろうと思い込んでいたのだが、まさかクレジットのためという実務的な裏があったとは!

 改めて言うが、まさかDark Angelを日本で見られる日が来るとは。このような素晴らしいバンドを呼んでくれたThrash Dominationという素晴らしいイベントに皆で感謝しよう!

Jim, Mirai & Gene

川嶋未来 / SIGH

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