現代のBill Withers出現！本格派シンガーAnthony Hamilton！

2003年7月11日 (金)

こういう声の主を求めてたんですよね〜。キレイ目のスムース・ヴォイスやネオ・ソウル系に食傷気味になってたソウル/R＆Bファンの皆さん、Anthony Hamiltonこそ、久々に満足いく直球勝負のソウル・シンガー！何はともあれ、Arista Recordsのサイト（http://www.arista.com/）へ直行して彼の歌を試聴して欲しい！かなりやばし！

リッチかつ塩っけのある歌声の持ち主Anthony Hamiltonは、厳しい音楽業界に揉まれてきたサバイバー。ノース・キャロライナ州シャーロッテのハーレムに生まれ育ったAnthonyは、ティーンの頃、地元でHorace BrownやJodeciのメンバー達とクラブやコンテストで歌っていた。93年、彼は成功を夢見てシャーロッテを離れNYへ移住。そこでJodeciやHorace Brown、Heavy D & BoyzといったアーティストをヒットさせていたUptown Recordsと契約しデビュー・アルバムを完成。しかしリリース寸前にUptown Recordsは閉鎖となりアルバムはお蔵入りとなってしまう。

その後MCAへ移籍し96年にはデビューアルバム「XTC」をリリース。99年には新レーベルSoulifeと契約し、ニューアルバムの準備をしながらDonell JonesやSunshine Andersonといったアーティストたちのソングライティングに参加。00年にはD'Angeloが彼の才能に着目し、ワールド・ツアーのバック・ボーカルとして世界中を巡るが、ツアーから戻ってきた頃にはSoulife閉鎖のニュースが待っていた。再びAnthonyは辛酸を舐めさせられたのだ。

2年間、彼はディールを探しながら、数多くのアーティストの作品にゲストとして参加。Eveの"Ride Away"、Xzibitの"The Gambler"、2Pacの"Thugz Mantion"、そしてグラミー賞にノミネートされたNappy Rootsの"Po' Folks"。Anthonyはこのグラミーのプレ・パーティーで運命的な出会いをする。あの有名なJermaine Dupriの父親Michael Mauldinが彼のパフォーマンスを見て息子にすぐに連絡、48時間後にはJDのSo So Defと晴れて契約を結ぶに至ったのである。

こんな苦労が報われ、Anthonyはようやくアルバム「Comin' From Where I'm From」をリリースする。彼の声は60年代〜70年代活躍したBill Withersを彷佛とさせる本格派の風格が漂っており、また楽曲の良さもピカ一。今年のベスト・アルバムを激しく争う1枚がまた加わった！