MARILYN MANSONのあの日、あの時16 『MARILYN MANSONのあの日、あの時』へ戻る

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2012年11月4日 (日)


通算5枚目『THE GOLDEN AGE OF GROTESQUE』を今再考す!
文●有島博志(GrindHouse)

 通算2枚目『ANTICHRIST SUPERSTAR』('96年)、3枚目『MECHANICAL ANIMALS』('98年)、4枚目『HOLY WOOD(IN THE SHADOW OF THE VALLEY OF DEATH』(2000年)という3部作を出し、ストーリーを完結させたとき、マンソンはその一連の流れを振り返ってこう語ってる。

「一周期を経て出発地点に戻ったっていうような感じがする。なにをやりたいのか、自分自身の創造物に破壊されるべきなのか、自分で自分を終わらせるべきなのか、それともなにか別のものを“復活”させるべきなのか。決断を下し、そしてまったく新しい章が始まろうとしている。そんな気分かな、今は。この3部作に費やした時間と労力は計り知れないけど、肉体的な疲れは少し休めば取れる。オレはむしろ常になにかをクリエイトすることに喜びを見出している。休もうなんて思ったことはない。近々次作の制作も始める予定さ」

 こういうことで、と明確な例を挙げるのは難しい。だけど常々マンソンがクリエイティヴで、枯渇するなんてことなどなくアイディアがあふれ出て、なにかを生み出している、っていうのはよくわかるし、まさにそういう創造/創作性がとてつもなく豊かな人だと思う。この段になって改めて言うことではないけど、マンソンもまた、“才人”のひとりなんだと思う。

『HOLY WOOD(IN THE SHADOW OF THE VALLEY OF DEATH』発売に伴う活動を終えた直後に、マンソンが起こしたアクションがKORNのジョナサン・デイヴィス(vo,g,bagpipe)とのコラボだった。魔女をモチーフにした作品でその名を知られるアメリカ人女性作家アン・ライスによる小説『呪われし者の女王』('88年)を原作として製作されたヴァンパイア映画『QUEEN OF THE DAMNED』(邦題『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』/2002年)。 そのサントラはジョナサンが収録曲5曲を書き下し、1曲ずつ違うヴォーカリストを招いて歌ってもらうという、ほかに類を見ない画期的な作品となった(サントラは14曲入りで、ジョナサンの楽曲以外は DEFTONESSTATIC-Xなどの既発表楽曲で構成)。そのうちの1曲である「Redeemer」にマンソンがゲスト参加している(ほかの楽曲にはLINKIN PARKのチェスター・ベニントン、DISTURBEDのデイヴィッド・ドレイマンらが参加)。マンソンとジョナサンが一緒にハモるヴォーカル・パートがあることもあり、MARILYN MANSONとKORNが折り重なっているような印象を与える、という面白い楽曲だ。その2アーティスト好きという人は、聴いてみるべし。また、同映画にはジョナサンがダフ屋役で登場している。

 マンソンの“右腕”とまで言わしめたツイッギー・ラミレズ(b)が脱退したことが、『HOLY WOOD(IN THE SHADOW OF THE VALLEY OF DEATH)』後の大きなポイントのひとつだ。後任に迎えられたのが、スウェーデン人のティム・スコルドだ。連載前回第15回で取り上げたSOFT CELLヴァージョンのカヴァーで、シングル楽曲ともなった「Tainted Love」のサウンド・プロダクションで初めて一緒に仕事をし、次に映画『RESIDENT EVIL』(邦題『バイオハザード』/2002年)のスコアも共作したということもあって、ティムのMARILYN MANSONへの加入はむしろ自然な流れだった、と言えるかもしれない。ティムはかなりの厚遇を受け、いきなり『THE GOLDEN AGE OF GROTESQUE』をマンソンと共同プロデュースしている(楽曲作りにも参加)。オーストリア系アイルランド人画家ゴットフリート・ヘルンヴァインによるジャケの今作は2003年5月に発売され、初週で118,000枚以上売り、USチャート初登場1位に輝いた。マンソンは「1920年代のデカダンの香り漂うスウィング音楽からインスパイアされた作品」と言う。確かに、それを裏づける楽曲としてド頭を飾る「Thaeter」に「Spade」や「Vodevil」のイントロ、そしてオリジナル収録曲のグロージング・ナンバーである「Obsequey(The Death Of Art)」がある。だけど、ティムがMARILYN MANSON前にドイツ産のインダストリアル・ミュージック・バンド、KMFDMとその一時的な変名バンドとなったMDFMKの構成員のひとりだったという音楽的感覚やキャリアの持ち主であることが大きいんだろう。今作は『ANTICHRIST SUPERSTAR』のそれとはまた違う、ヘヴィでアグレッシヴでダークな“インダストリアル・メタル色”の濃い作風に仕上がった、と思う。「This Is The New Shit」、1stシングル楽曲「mOBSCENE」「Use Your Fist And Not Your Mouth」「(s)AINT」「Slutgarden」「Para-noir」「The Bright Your Things」などの“いかにも”な曲調やサウンド・メイキングがそれを物語る。

MANSON'S SINGLE COVER GALLERY

「mOBSCENE」 (2003年)
『THE GOLDEN AGE OF OF GROTESQUE』からの先行1stシングル。発売時に4曲入りと2曲入りが市場に出回ったのだけど手元にあるのは2曲入り。カップリング楽曲「Paranoiac」はアルバム収録曲「Para-Noir」のリミックス・ヴァージョンで、スロー・テンポな感じにいじくられている。ジャケはパッと見、デス・マスクのように思える。

 今作発売時に、少なくとも日本の音楽メディアはどこもそれに言及していなかったと記憶する。“ミクスチャー・ロックの第一世代バンドのひとつ”と言えるFAITH NO MOREの通算4枚目『ANGEL DUST』('92年)に「Be Aggressive」なる楽曲が収められている。上記「mOBSCENE」のサビで歌われる女性コーラス隊によるフレーズと、その楽曲でのそれとがビックリするくらいほとんど同じなのだ。『THE GOLDEN AGE OF GROTESQUE』が発売されたとき、すでにFAITH NO MOREは解散していた(2009年に再結成)。だけどそれとこれとはまったく関係ないことだし、FAITH NO MOREの元メンバーがマンソン側にクレームを入れたという話も当時は耳にしなかった。その2楽曲を聴くたびに、今もなおその“謎”は深まるばかりだ。

 連載第13回に書いたけど、自分は『HOLY WOOD(IN THE SHADOW OF THE VALLEY OF DEATH』にはあまりハマらなかった。その反動というものもあったんだろうか、今作は本当によく聴いた。発売からすでに9年以上の歳月が流れているけど、今も好きだし、時折聴く作品だ。



MARILYN MANSON 関連タイトル!

LAIBACH / 『VOLK』(2006年)
LAIBACH(ライバッハと読む)は中欧スロベニア産のアヴァンギャルド音楽、実験音楽、インダストリアル・ミュージック・グループ。ミラン・フラス(vo)が核のメンバーであり、各作品ごとに布陣に並ぶ顔ぶれも、また音楽性も変わる、という特性を持つ。80年代は強くインダストリアルミュージックに傾倒するも、90年代からはエレクトロ・ミュージック色を強くする、といったふうに。活動歴は今年で30年以上と長く、今日までに残してきた作品数はシングルなども合わせると、それこそ膨大な量に上る。今作は非常にユニークな作品だ。同じくスロベニア産バンド、SILENCEとのコラボ作で、世界各国の国家や土地の唱歌からインスパイアされてできた13曲に、LAIBACHの出身地とする仮想の州、NSK州の州歌を加えて構成されたコンセプト作でもある。各国国歌の彼らならではのアレンジが面白く、日本の“君が代”も日本語で歌われている。“ヘヴィネス”も“アグレッション”もない、ダークながらも穏やかで優しく、そしてときに厳かなにもなる流れはハマる。
文●有島博志(GrindHouse)

MARILYN MANSON 最新作ニュース

■■■ 有島博志プロフィール ■■■

80年代中盤よりフリーランスのロックジャーナリストとして活動。積極的な海外での取材や体験をもとにメタル、グランジ/オルタナティヴ・ロック、メロディック・パンク・ロックなどをいち早く日本に紹介した、いわゆるモダン/ラウドロック・シーンの立役者のひとり。
 2000年にGrindHouseを立ち上げ、ロック誌GrindHouse magazineを筆頭にラジオ、USEN、TVとさまざまなメディアを用い、今もっとも熱い音楽を発信し続けている。
※ ※ ※ ※ ※

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3部作完結後のマンソン新章突入作

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Golden Age Of Grotesque

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マンソンとKORNのジョナサンの共演曲収録

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マンソン書き下ろしのスコア収録

Resident Evil -Soundtrack

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発売日:2002年03月12日
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関連タイトル

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Laibach

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