MARILYN MANSONのあの日、あの時15 『MARILYN MANSONのあの日、あの時』へ戻る

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2012年10月19日 (金)


マンソンに音楽や作品以外のことを訊く、とは?
文●有島博志(GrindHouse)

 対面取材であれ、電話取材であれ。当然与えられる時間には限りというものがある。このマンソンやRED HOT CHILI PEPPERS、そして連載中のLINKIN PARKTHE OFFSPRINGぐらいになると、長くて30分、短いと20分っていうのが相場。LINKIN PARKの前回2011年の再来日時のチェスター・ベニントン(vo)との対面取材では、15分という最短時間を事前に言い渡された、なんていうことも初体験した(現場で本人に交渉し、実際は25分まで延長:笑)。決して大げさに言うつもりはないけど、やはり取材中はちっちゃな時間との戦いで、自分の訊きたいことと、相手の話したいこととのバランスをどう取るかが“鍵”となる。あくまでも個人的な見解だけど、取材する側がほぼ一方的に訊きたいことを訊き、それを相手に答えてもらうのみ、っていうのでは絶対に取材は成立しない。もし仮に表面上成立したとしても、それはいわゆるいい取材でも、フェアな取材でもない、と思う。相手がどんなにビッグ・ネームであったとしても、その前にいち人間だ。たまたま虫の居所が悪く、取材を受けることに気乗りしない日もあるし、反対に「どっからでもかかってきなさい、なんでも訊いてちょうだい!」と受ける気満々のときもある(笑)。そうした、相手のそのときのコンディションを話を聞き始めたところで掴み取るのが、ものすごく大事なこととなってくる。自分のこれまでの経験上、とりわけマンソンは気分のアップ & ダウンがけっこうあって、それが取材現場や話の最中にハッキリ出る人だ。これまでの連載を読んでいただければわかってもらえるはずだ。MARILYN MANSONとしての作品は、作風的にも、またその音楽的にも明確なるストーリーやコンセプトがある上に、そのコンセプトやストーリーの映画化だ、小説化だ、と枝分かれ的に派生する計画もあったりするので、限られた取材時間内だとどうしてもそっちに話の主題を置くことになる。もちろん、マンソン自身もそれを望んでいる。が、しかし、あれだけの人物だ、マンソンに作品や音楽、そしてそれらに関連すること以外の話も訊きたい、と実はずっーと思っていた。そして、それが今日までのところたったの1回だけながら実現したことがある。

 連載第13回に書いた。4枚目『HOLY WOOD(IN THE SHADOW OF THE VALLEY OF DEATH)』が完成前の2000年6月に、ハリウッドの某レコーディング・スタジオで新音源の試聴会があり、その後マンソンが対面取材に応じた、ということを。数曲の新音源しか聴けなかったことから作品について深く訊くにはやはり限りがあり、そのぶん時間的余裕があったこと、そしてなによりもその日マンソンがむちゃくちゃ上機嫌だったことから、表情を見つつ、また、周囲に漂う空気を感じ取りながら、作品の話がひと段落したところで、踏み込んでみた。作品タイトルがハリウッド(hollywood)をもじったものであり、またそのハリウッドにマンソンが住む、というアングルからの質問だ。

「ことあるごとに、みんなはハリウッドをやり玉に挙げ、攻撃する。エンタテイメントの象徴の街だから仕方ないんだけどね。オレの考えとしては、宗教も違う形のエンタテイメントだから、キリストが最初の芸能人だったって言える。だからキリストは芸能人の青写真なんだ」とマンソン。

MANSON'S SINGLE COVER GALLERY

「TAINTED LOVE」 (2001年)
『HOLY WOOD(IN THE SHADOW OF THE VALLEY OF DEATH)』発売と、次の『THE GOLDEN AGE OF GROTEQUE』(2003年)発売の間の2001年、MARILYN MANSONはSOFT CELLの大ヒットで知られる「Tainted Love」のカヴァーを、青春コメディ映画『NOT ANOTHER TEEN MOVIE』(2001年)のサントラにリード楽曲として提供した。映画は日本劇場未公開ながら、サントラCDはしっかり日本盤化されたという風変りな背景を持つ。表題曲はもともとSOFT CELLの持ち曲じゃなく、’65年にグロリア・ジョーンズが歌い、ヒットした。それをSOFT CELLが取り上げ、そのSOFT CELL版をMARILYN MANSONがカヴァーしたというもの。4曲入りシングルで、MARILYN MANSONのほかMEST、STABBING WESTWARDなどのサントラ提供楽曲が収録されている。ジャケはPVのワンシーン。このPVにはSLIPKNOTのジョーイ #1 ジョーディソン(ds)がちょいと出演している。絶版。

 改めて言うまでもなく、マンソンはUS中西部オハイオ州クリーヴランド生まれ。その後同州内カントンに移り住み、ハイスクールに通い、フロリダ州フォートローダーデールで大学時代を送った。そして、MARILYN MANSONとしてメジャー・デビューからしばらくしてハリウッドに生活拠点を移した。そういうハリウッドという街が、マンソンにはいろんな意味で最適なところなのか?、と訊いた。すると、こういう答えが返ってきた。

「今まで住んてきたなかでもっとも刺激的な街だと思う。オレはハリウッドの世界から孤立していると思うから、楽曲作りやなにかをクリエイトすることに集中できるのさ。本当にこの街が好きだったり、ハリウッド界隈のなかで時間を過ごすのが好きだったりしたら、音楽を作ることはできない。だからこそ、オレはそういう界隈から遠ざかり、いろんなことを観察するんだ。観察するにはいい街さ」

――ハリウッドに住みつつも、実際はハリウッドという街を外から観察していると?

「そう、そのポップ・カルチャーを遠目に見る。だけど今のオレは実はそのポップ・カルチャーのただ中にいるんだ。だから遠くから観察していると思っても、実は同時に自分も見つめ直していることになる。そういうことをやるには、まさに適所だと思うよ」

 現場で会ったときから、マンソンがかなり上質と思われるレザー・パンツを履いていたことにも同時に目がいっていた。2000年当時、日本のメンズ・ファッション誌、それもストリート・カジュアルを中心に扱う雑誌はモダン・ロックに寛容で、そのアーティストたちを進んで取り上げ、紹介するといういい時代だった(笑)。ハリウッドの話を聞いている最中、ふとそれが思い浮かび、服に関する話を切り出してみた。

「服の好みのブランドとかってないんだ。もし仮にあったとしても、そういうのを身につけることを極力避けている。だからほとんど自分でデザインしたものを着ている。もちろん、服飾デザイナーとかに何人か友達がいるからたまに服を作ってもらうことはあるよ。そういうときはあえて、“人々が捨ててしまうものや、みんなが醜いと感じるもの、または死骸で服を作ってほしい”ってオーダーするんだよ(笑)。だから誰も着ようとも思わない服をよく身にまとっているよ。ほかの人たちが価値なんてまったくないと思うようなものをデザイナーの友達に見つけてきてもらって、それで自分特有の洋服を作ってもらうんだ。楽しいよ(笑)。普段はだいたい今日のような恰好(光沢がきれいなドス黒い紫の襟つきシャツにレザーパンツ)さ。これは毎日履く唯一のパンツ。それとシャツは2着しか持ってない。それだけさ」と言い、マンソンはニヤリと笑った。もちろん、最後のくだりはマンソン流のジョークだ。

 連載12回では、マンソンが言われのないバッシングを再度浴びることになったコロンバイン高校銃乱射事件を書いた。そこで紹介したマイケル・ムーア監督によるドキュメンタリー映画『BOWLING FOR COLUMBINE』(2002年)に、監督がマンソンにインタヴューしているシーンが出てくる。そこでマンソンは、アメリカ合衆国政府についてや、(当時)近づいていた大統領選挙に関してまったく独自の持論を展開している。これが実に興味深い内容なのだ。いちアーティスト & ミュージシャンとしてももちろん、いち人間、いち同性としても興味がつきない人だ。非常に頭脳明晰で、服の質問に対する答えを読めばわかるとおり、こちらの想いを完全に見透かされていた(苦笑)。

 次回、話は5枚目『THE GOLDEN AGE OF GROTEQUE』(2003年)へと突入する…。



MARILYN MANSON 関連タイトル!

PITCHSHIFTER / 『DESENSITIZED』('93年)
イギリスはノッティンガム産5人組。今作は3rdリリースとなる2ndフル・アルバム。かつて“エクストリーム・ミュージック製造工場”との異名をとったEarache Recordsより発売されている。驚くことに発売時、日本盤化もされた。ここまでこのコーナーで紹介してきた、いわゆるインダストリアル・ロック/メタルとは完全に趣の違う音楽性が、彼らの持ち味だ。だけど音楽ジャンル/ジャンル名造語的に言うと、やはりインダストリアル・メタルというのが一番近い。まったくもってNINE INCH NAILSMINISTRY的じゃなく、そのダーク性、歪み、浮遊感、混沌感などは、むしろ初期GODFLESHSCORNのそれらを彷彿させるものだ。来日経験もかつて一度だけある。JSとマークのクレイドン兄弟による主軸バンドながら兄JSが病気で長期療養中のため、現在は活動休止状態にある。現在、ドラマーとして籍を置くジェイソン・ボールドは、BULLET FOR MY VALENTINEのマット・タック(vo,g)主導・先導でやる別バンド、AXEWOUNDの構成員でもある。
文●有島博志(GrindHouse)

MARILYN MANSON 最新作ニュース

■■■ 有島博志プロフィール ■■■

80年代中盤よりフリーランスのロックジャーナリストとして活動。積極的な海外での取材や体験をもとにメタル、グランジ/オルタナティヴ・ロック、メロディック・パンク・ロックなどをいち早く日本に紹介した、いわゆるモダン/ラウドロック・シーンの立役者のひとり。
 2000年にGrindHouseを立ち上げ、ロック誌GrindHouse magazineを筆頭にラジオ、USEN、TVとさまざまなメディアを用い、今もっとも熱い音楽を発信し続けている。
※ ※ ※ ※ ※

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