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セレブリエール/グラズノフ:交響曲全集

2012年3月25日 (日)

グラズノフ:交響曲&協奏曲全集、管弦楽曲集(8CD)
ホセ・セレブリエール


着々と進められていたセレブリエール指揮ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団によるグラズノフの交響曲シリーズが全集としてリリースされることとなりました。ボックス化にあたって、2枚の協奏曲アルバムも追加され、より多面的にグラズノフの世界を楽しめるようになったのも朗報です。

【グラズノフの交響曲】
かつては熱心なロシア音楽ファン以外にはあまり聴かれなかったグラズノフ[1865-1936]の交響曲は、没後70周年の2006年にリリースされたスヴェトラーノフによる交響曲全集がかなりの人気を博したこともあってか、そのシンフォニック・レパートリーとしての認知度も一気に高まったものと思われます。
 それ以前にも、ヤルヴィ指揮バンベルク響の全集シリーズや、アニシモフ指揮モスクワ響の全集シリーズはありましたが、人気の引き金となったのはやはりスヴェトラーノフのボックスだったようです。
 その後、尾高指揮BBCウェールズ・ナショナル管フェドセーエフ指揮モスクワ放送響ロジェストヴェンスキー指揮ソ連国立文化省響による全集のほか、ポリャンスキー指揮ロシア国立響の選集(1・2・3・4・5・6・8)などのボックスもリリースされ、通常の交響曲と同様、聴き較べ対象としての位置を確保しつつあるようなので、今回のセレブリエール盤の登場は歓迎されるところです。

【セレブリエール盤の魅力】
暗めの音色で重く演奏されるスヴェトラーノフに対し、セレブリエール&スコティッシュ・ナショナル管の演奏は、輝かしさも十分に備えた色彩豊かなもので、メリハリの効いたタッチで各作品の性格を克明に描き分けてゆきます。グラズノフの交響曲の作曲時期(1880-1909)が、マーラーの交響曲の作曲時期(1883-1910)とほぼ同じ時期であったことを思い出させてくれる近現代的な演奏と言えるかも知れません。
 注目されるのはアニシモフ盤以来となる交響曲第9番の完成版を収録している点。ヴァージョンは同じくガヴリイル・ユーディンによるものです。
 また、交響曲だけでなく、グラズノフの代表作としても知られる『四季』と『ライモンダ』のほか、管弦楽のための幻想曲『海』と、『サロメ』が収録されているのも嬉しいところです。
 さらに、CD2枚分収められているロシア・ナショナル管弦楽団との協奏曲全集も注目されるところで、ピアノ協奏曲第1番、ピアノ協奏曲第2番、ヴァイオリン協奏曲、サクソフォン協奏曲、コンチェルト・バラータ(チェロ&管弦楽)、吟遊詩人の歌(チェロ&管弦楽)、瞑想曲(ヴァイオリン&管弦楽)、夢(ホルン&管弦楽)という魅力的な作品を高水準な演奏で楽しむことができます。(HMV)

【収録情報】
CD1
・交響曲第3番ニ長調 Op.33
・交響曲第9番ニ短調

CD2
・交響曲第2番嬰ヘ短調Op.16
・交響曲第1番ホ長調 Op.5『スラヴ』

CD3
・交響曲第4番変ホ長調 Op.48
・交響曲第7番ハ長調 Op.77『田園』

CD4
・交響曲第5番変ロ長調 Op.55
・バレエ音楽『四季』 Op.67

CD5
・交響曲第6番ハ短調 Op.58
・管弦楽のための幻想曲ホ長調 Op.28『海』
・『サロメ』 Op.90〜序奏とサロメの踊り(オスカー・ワイルドの劇のための付随音楽)

CD6
・交響曲第8番変ホ長調 Op.83
・『ライモンダ』組曲 Op.57a

 ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
 ホセ・セレブリエール(指揮)

 録音時期:2004-2009年
 録音方式:デジタル

CD7
・ヴァイオリン協奏曲イ短調 Op.82
・吟遊詩人の歌 Op.71(チェロ&管弦楽)
・ピアノ協奏曲第2番ロ長調 Op.100
・サクソフォン協奏曲変ホ長調 Op.109

CD8
・ピアノ協奏曲第1番ヘ短調 Op.92
・夢 Op.24(ホルン&管弦楽)
・コンチェルト・バラータ Op.108(チェロ&管弦楽)
・瞑想曲ニ長調 Op.32(ヴァイオリン&管弦楽)

 レイチェル・バートン・パイン(ヴァイオリン)
 ウェン=シン・ヤン(チェロ)
 アレクサンダー・ロマノフスキー(ピアノ)
 マルク・シーソン(サックス)
 アレクセイ・セロフ(ホルン)
 ロシア・ナショナル管弦楽団
 ホセ・セレブリエール(指揮)

 録音時期:2010年4月
 録音方式:デジタル

【セレブリエール・プロフィール】
ホセ・セレブリエールは、ロシア系とポーランド系の両親のもと、1938年にウルグアイで生まれました。9歳のときにヴァイオリンをはじめ、11歳で初舞台を踏むなど早くから才能を発揮、ハイ・スクール時代にはウルグアイで最初の青年オーケストラを組織化、その指揮台に立っています。
 1956年と57年、として、セレブリエールはアメリカ合衆国国務省特別研究員の資格を得て、米カーティス音楽院で作曲を学びます。1956年のタングルウッド音楽祭でクーセヴィツキー財団賞を、そして同じ年に BMI若手作曲家賞を相次いで受賞、新進気鋭の作曲家として注目を集めました。後年、名指揮者ジョージ・セルの指名でクリーヴランド管弦楽団のレジデント・コンポーザーとなるなど、作曲家として順調な歩みをみせ、100曲以上の作品を出版しています。
 一方、セレブリエールは、指揮者としての活動も並行しておこない、1957年、ストコフスキー指揮のもとでアイヴズの交響曲第4番の初演に参加、第2指揮者として演奏の成功に大きく貢献したことが、指揮者としての評価を決定的なものとしました。このアイヴズ初演でセレブリエールの才能に目をつけたストコフスキーは、4年後にアメリカ交響楽団を創設したとき、弱冠22歳だった彼を準指揮者に任命、自身の補佐を任せています。(HMV)
※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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