Rigoletto: Guerbaca Luisi / Zurich Opera Petean Kurzak Pirgu Mastroni
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 11/February/2015
ルイージ指揮の『リゴレット』にはドレスデンでの録画もあったが、フローレス、ダムラウといった大物歌手出演にもかかわらず、いまだ映像ディスク化されていない。まあ当然だろう。レーンホフのゴテゴテと飾りたてただけで、焦点の定まらない演出が何もかもぶち壊しにしてしまったからだ。それに比べて、このギュルバカ演出の何と素晴らしいこと。HMVレビューの通り、大道具のほとんど何もないアンチリアルな舞台だが、それが逆に観客の想像力をかき立てる。そもそもこのオペラでは、ジルダがなぜマントヴァ公の身代わりで死のうとまでするのか、「うぶな乙女の思い込み」以上の説得力ある説明が見つからない。今回の舞台では第3幕の「女心の歌」から「四重唱」にかけて、通常と全く違った展開になるが、女性演出家らしくジルダの心情にさらに切り込もうという意図を見ることができる。彼女の「救い」を表現した最終景もなかなか秀逸。 主役三人はいずれも好演だが、特にめざましいのはクルザク。ジャケ写真が彼女なのも偶然ではあるまい。技術的にもきわめて繊細、緻密だが、無理をすればハイティーンに見えないこともない容姿も高得点だ。彼女に「命をかけて」愛されるマントヴァ公は、ただの軽薄男ではなく、それにふさわしいキャラである必要があるが、ピルクは声楽的に輝かしいのみならず、そういう要求にもちゃんと応えている。ペテアンはヌッチのように鬼気せまる演唱 ではないが、父親らしい暖かみを感じさせる歌。過去の歌手ではブルソンに近いタイプか? ルイージの指揮も全く見事。心理的な綾の表現が鮮烈、克明でシノーポリの録音を思い出させるが、遅い所でシノーポリほどもたれないのがさらに良い。1 people agree with this review
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