Symphony No.4 : Karajan / Berlin Philharmonic
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吉川英治 | 奈良県 | 不明 | 13/March/2021
楽譜に書かれている音符を全て過たずに実音に変換する、この手管にかけてはカラヤンほど優れた指揮者は存在しなかった、と言える。が、カラヤンにとってカタログを埋めるためだけに演奏した曲は、ただただ音響的に華やに録音しているだけ、そんな印象も多くの人に与える。 ニールセンの交響曲で第4番「不滅」だけを録音したのも、もっともベルリン・フィルのヴィルトゥオジティを発揮できるための選択だったのだろう。この曲は終楽章で二つのティンパニが「殴り合い」そして最終的には一方が沈黙し、残っったティンパニが勝利の凱歌を歌い上げる、それは、第一次世界大戦中に作曲された経緯もあり「侵略」と「防衛」に擬える解釈も存在している。北欧系の指揮者は、それを強調するため、あえてティンパニを左右の両端に配して演奏し録音しているケースが多い。 が、カラヤンは、二組のティンパニを中央においている。つまりカラヤンはこの曲におけるティンパニが何を意味しているかを理解せず、ただ音響的なバランスを重視して演奏しているだけなのだ。 外面的には申し分のないこの演奏は、あくまで曲の深層まで踏み込まないゆえの美演でしかない。0 people agree with this review
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