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Mozart (1756-1791)

SACD [USED:Cond.S] Serenade No.7, German Dances : G.Wand / NDR Symphony Orchestra (Hybrid)

[USED:Cond.S] Serenade No.7, German Dances : G.Wand / NDR Symphony Orchestra (Hybrid)

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    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  15/April/2012

    ヴァントほどの大指揮者になると、愉悦性に富んだ管弦楽曲と言えどもいささかも手抜きはしない。その最たる例が、本盤におさめられたハフナー・セレナード&ドイツ舞曲であると言えるだろう。モーツァルトの管弦楽曲と言えば、オペラの序曲を除けば、セレナードとディヴェルティメントが2本柱と言えるが、超有名な「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」を除けば、独墺系の指揮者は、そのどちらかを好んで演奏する傾向が強いように思われるところだ。カラヤンなどは、ディヴェルティメントを得意のレパートリーとしており、最晩年にも素晴らしいスタジオ録音を成し遂げている。これに対して、生前カラヤンのライバルと目されたベームはセレナードを好んで演奏していたことは良く知られているところだ。そして、ヴァントは、こうしたベームの系譜に繋がる指揮者と言えるだろう。とは言っても、ベームによるセレナードの演奏と、ヴァントによるセレナードの演奏は随分とその性格が異なる。どちらの指揮者も、堅固な造型美や重厚にして剛毅な演奏という点において共通していると言えるが、ベームの演奏には、ウィーン・フィルなどによる美演ということも多分にあると思われるが、優美さや典雅さに満ち溢れていると言えるのではないだろうか。これに対して、ヴァントの演奏は、例によって厳格なスコアリーディングに基づいた緻密さを基軸にしていると言えるところであり、優美さや典雅さよりもむしろ、交響曲を演奏するような姿勢で演奏に接しているとさえ言えるだろう。したがって、ハフナー・セレナードの持つ愉悦性においては、いささか欠けていると言わざるを得ないが、格調の高さにおいては無類のものがあり、一聴すると武骨な表現の中にも、独特のニュアンスや情感の豊かさが込められているのが見事であると言える。必ずしも、一般受けする演奏とは言い難いが、演奏に内在する意味の深さ、彫の深さには尋常ならざるものがあると言えるところであり、本演奏は、巨匠ヴァントの晩年の至高・至純の境地があらわれた素晴らしい名演と高く評価すべきではないかと考えられるところだ。ドイツ舞曲も、ヴァントのような大指揮者が演奏すると、偉大な芸術作品に変貌するとも言えるところであり、正に、同曲の真の魅力を引き出すのに成功した稀有の名演と高く評価したいと考える。音質は、1989年のスタジオ録音であるだけに、従来CD盤でも十分に満足できる音質であったが、今般、ついにSACD化されたのは何と言う素晴らしいことであろうか。音質の鮮明さ、音場の幅広さのどれをとっても一級品の仕上がりであり、あらためてSACDの潜在能力の高さを思い知った次第だ。いずれにしても、ヴァントによる至高の超名演を、SACDによる極上の高音質で味わうことができるのを大いに歓迎したい。

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