DVD 輸入盤

『エドガール』4幕版 マリアーニ演出、Y.デヴィッド&トリノ王立劇場、クーラ、ニッツァ、他(2008 ステレオ)(日本語字幕付)

プッチーニ (1858-1924)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
101377
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Europe
画面サイズ
:
ワイドスクリーン
:
カラー
フォーマット
:
DVD
その他
:
輸入盤

商品説明

エドガールとティグラーナプッチーニのオペラ『エドガール』
日本語字幕付き映像作品の登場!

中世版カルメンともいうべきストーリーに、若きプッチーニの創意あふれる音楽が付けられたオペラ『エドガール』。プッチーニの作品では『妖精ヴィッリ』に次いで上演機会の少ない作品ですが、実際には聴きごたえのある部分が多いということもあってか、近年は全曲録音も増え珍しいナンバーを収めたアルバムも登場するなど、プッチーニ・ファン中心に注目度も上昇中です。

【中世版カルメン?】
『エドガール』の舞台は中世のフランドル地方。青年エドガールが、奔放なティグラーナと、純真なフィデーリアという二人の女性に翻弄される中世版カルメンともいうべき物語です。設定は実際、カルメンに似ており、
 カルメン → ティグラーナ
 ミカエラ → フィデーリア
 ドン・ホセ → エドガール
 エスカミーリョ → フランク
と捉え、恋愛と殺人の関係にひねりを加えて理解すれば驚くほど似ていることに気づかされます。
 ちなみに『エドガール』の台本の原作となった、アルフレッド・ド・ミュッセの『杯と唇』が書かれたのは1832年なので、1847年に書かれたメリメの小説『カルメン』よりも以前の作品ということになりますが、ビゼーのオペラ『カルメン』が成功を収めたのが1879年であり、フォンターナが『エドガール』の台本制作に着手したのが1885年であるという事実を踏まえると、ヒットした『カルメン』の要素を原作に投影し、時代や登場人物を大胆に置き換えて4幕ドラマに仕立てあげたことは十分に考えられます。

【初演と改訂】
そんなフェルディナンド・フォンターナ[1850-1919]の台本執筆の遅延などもあって、作品の完成には時間を要し、一応の完成をみたのは1888年のことでした。初演は翌1889年4月21日にミラノ・スカラ座でおこなわれ、計3回上演されましたが、台本の評判が芳しくなかったこともあり、作曲依頼主でもあるリコルディ社は上演を不成功と判断、フォンターナとプッチーニに『エドガール』の改訂を要請します。
 その後、大小の改訂を試み、結局当初の4幕仕立てを3幕仕立てに縮小、1892年にフェラーラで3幕版を上演しましたが、その出来が気に入らなかったプッチーニはさらに修正を加え、『マノン・レスコー』『ラ・ボエーム』『トスカ』『蝶々夫人』で大成功を収めたのち、1905年にコロン劇場で上演したヴァージョンでようやく納得、それが決定稿となって現在に至っています。

【初演と改訂】
台本執筆の遅延などもあって、作品の完成には時間を要し、一応の完成をみたのは1888年のことでした。初演は翌1889年4月21日にミラノ・スカラ座でおこなわれ、計3回上演されましたが、台本の評判が芳しくなかったこともあり、作曲依頼主でもあるリコルディ社は上演を不成功と判断、フォンターナとプッチーニに『エドガール』の改訂を要請します。
 その後、大小の改訂を試み、結局当初の4幕仕立てを3幕仕立てに縮小、1892年にフェラーラで3幕版を上演しましたが、その出来が気に入らなかったプッチーニはさらに修正を加え、『マノン・レスコー』『ラ・ボエーム』『トスカ』『蝶々夫人』で大成功を収めたのち、1905年にコロン劇場で上演したヴァージョンでようやく納得、それが決定稿となって現在に至っています。

【初演版の復活、90分 → 150分!】
そうした事情もあって、4幕版のスコアは出版されることなく、第二次世界大戦の爆撃で失われたとされていましたが、実はプッチーニの孫娘であるシモネッタ・プッチーニのもとで大切に保管されていたのです。
 そのオリジナル・スコアをもとに、アメリカのプッチーニ研究家、リンダ.B.フェアタイルが初演ヴァージョンを再構築し、約40分の第4幕が姿をあらわすことになりました。
 その他の幕もオリジナル・スコアをもとに初演ヴァージョンが再現され、結局トータル・タイムは3幕版の約90分に対し、約150分というプッチーニのオペラ最大の規模のものとなったのです。

第4幕でエドガールの死を嘆くフィデーリア【改訂版との違い】
現行版第3幕では、修道士に扮したエドガールが、かつての奔放な恋人ティグラーナを陥れる場面の後、あまりの仕打ちに激昂したティグラーナが、その場をエドガールと共に立ち去ろうとしていたフィデーリアを刺し殺してしまい、エドガールが泣き崩れる場面で幕となります。
 しかし、この4幕版では、第3幕はエドガールの仕打ちに怒りに震えるティグラーナの姿で終わり、第4幕は、序奏に続くフィデーリアによる嘆きの歌で開始されます。フィデーリアはエドガールが実はまだ生きているという事実を知りません。ここからの彼女の、絶望から希望へという心の動きを丁寧に描くことで、最後に彼女を待つ悲劇がより強調されているのが4幕版の大きな特徴です。

【『トスカ』への再利用】
没になった第4幕の音楽で最も驚くのは、オペラ好きなら誰もが知っている『トスカ』第3幕の二重唱そっくりの音楽が出現するところでしょう。嘆きの果てにようやく出会えた二人、そしてその後の恋人の死という設定まで、男女の役割こそ逆ですがそっくりです。
 しかし『トスカ』で花開いたとはいえ、この二重唱は本来は『エドガール』の音楽だったので、こうしてオリジナルな形で聴くことができるのはプッチーニ好きには堪らないところです。しかもこの12分ほどの二重唱曲のほかの部分には『蝶々夫人』の雰囲気も濃厚に感じられるのです。

【オペラの中のレクィエム】
3幕版でも4幕版でも第3幕前奏曲のあとに演奏されるエドガールの死を悼む「レクィエム・エテルナム」は、プッチーニの葬儀の際に、トスカニーニの指揮によって演奏さたことでも知られる美しいナンバーです。ここではエドガールは実際には死んでいないのですが、音楽は真情のこもった美しさで聴き手の心を揺さぶります。

【『トゥーランドット』を予見?】
「レクィエム・エテルナム」だけでなく、このオペラでは合唱の効果的な使用が目立つのもポイント。特に『トゥーランドット』の大団円を思わせるような派手な合唱とソロの絡みはおもしろく、大作オペラを初めて手掛ける若きプッチーニが、様々なアイデアを盛り込んでやる気満々だったことが窺えます。
 実際、『エドガール』の音楽は、情感豊かな美しい旋律に、劇的で迫力ある盛り上がりなど、後年のプッチーニを予見させるような要素がすでに数多く備わっており、プッチーニに関心のある方には発見と魅力に満ちた作品と言えるのではないでしょうか。

【演奏者について】
2008年のプッチーニ生誕150年を記念してボローニャ・テアトロ・コムナーレと共同制作されたこのプロダクション、何といっても注目は、主役ホセ・クーラの熱唱でしょう。クーラといえば、1997年に録音された初のアリア集でも第2幕のアリア「大狂宴だ!」を歌っていましたが、今回は初演版ということでそのアリアの姿も異なっていることから聴き較べも楽しみです(そのアリア集で指揮をしていたドミンゴも、2005年にこの『エドガール』の全曲録音をエドガール役でおこなっており、さらに先日の『リトロヴァート(発見)』でも『エドガール』初演版の長い二重唱を歌っていたのが記憶に新しいところ)。
 純真なフィデーリアを歌うのは、ミラノ生まれの若きソプラノ、アマリリ・ニッツァ。ミレッラ・フレーニを思わせる声の持ち主です。
 妖艶で奔放なティグラーナ役は、ロシアのメゾ・ソプラノ、ユリア・ゲルツェワ。リムスキー・コルサコフやムソルグスキーのスペシャリストでもある彼女の歌声は迫力があります。
 指揮のヨラム・デイヴィッドは、ウィーンでハンス・スワロフスキーに学び、イェルサレム交響楽団とBBC交響楽団でデビュー後、アーヘン、イタリアなどで多くのオペラを手掛けています。

【収録情報】
ジャコモ・プッチーニ [1813-1901]
歌劇『エドガール』〜4幕の叙情劇
 エドガール…ホセ・クーラ(テノール)
 フィデーリア…アマリッリ・ニッツァ(ソプラノ)
 ティグラーナ…ユリア・ゲルツェワ (メゾ・ソプラノ)
 フランク…マルコ・ヴラトーニャ(バリトン)
 グァルティエーロ…カルロ・チーニ(バス)
 トリノ・ジュゼッペ・ヴェルディ音楽院少年合唱団
 トリノ王立劇場合唱団
 クラウディオ・マリノ・モレッティ(合唱指揮)
 クラウディオ・フェノーリオ(合唱指揮)
 トリノ王立劇場管弦楽団
 ヨラム・デヴィッド(指揮)

 ロレンツォ・マリアーニ(演出)
 マウリツィオ・バロ(舞台装置・衣装)
 クリスティアン・ピノー(照明)
 ティツィアーノ・マンチーニ(撮影監督)

 収録:2008年、トリノ王立歌劇場(ライヴ)
 収録時間:157分

【DVD仕様】
音声:PCMステレオ2.0 / ドルビー・デジタル5.1サラウンド
字幕:英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・イタリア語・日本語
画面:16:9
REGION All(Code:0)
片面2層ディスク

ユーザーレビュー

総合評価

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4.0

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ストーリーがカルメンと類似していると言わ...

投稿日:2010/06/23 (水)

ストーリーがカルメンと類似していると言われるようだが、確かに主人公が悪女と関わったり、入隊したりするけど、さほど似ているとは思わない。 やはりカルメンの方が数段良くできている。しかし主な歌手たちは十二分な声と演技力で、散漫な部分を持つこのオペラをそれなりのオペラとして聞かせてくれる。出演者はこのdvdがおそらく初めての舞台と想像するけれど、後年の名作を思わせる随所にあるプッチーニらしい叙情的な歌を、彼らは美しく聴かせてくれる。演出、舞台装置はオーソドックスで、最低限の物でまかなっているけど、かえって過剰な舞台ではないので初めてみるオペラとして集中できて好感が持てる。ただもう少しドラマとして説得力のあるオペラにして欲しかったという恨みは残ってしまう。映像、録音は現在の標準的な物で特に欠点はない。新しいプッチーニ作品のライブラリーが加わったのはとてもうれしい。 余談ですが、このdvdが上演されたトリノを2008年秋訪れましたが、そのとき残念ながらオペラはみれませんでした。非常に美しい町で、王宮が街の中心部にあって、オペラハウスは王宮の建物に組み込まれています。その周囲に碁盤の目状にアーケードがあり、おそらくイタリアでもっとも住みやすい町ではないかと思いました。

ジャック さん | 新潟県 | 不明

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少し前、NHKのハイビジョン放送でやってお...

投稿日:2009/12/04 (金)

少し前、NHKのハイビジョン放送でやっており、初めて見た。 いろいろと物議をかもしてきた作品ということだったが、とうとう最後まで見てしまった。確かにストーリの起伏が激しく、飛躍した部分も作品中に垣間見えるが、悪女のもと堕落した生活を送る主人公が、故郷と一緒に捨てた元恋人への真の愛に気づき、故郷へと帰っていき、真の愛をつかみ、生まれ変わって再出発しようと誓い合った矢先、堕落のきっかけになった女の刃にかかって、息絶えてしまうという、救いのないストリーは後味が悪いものであるが、物語の起伏が激しいゆえ、途中歌われるアリアには人を引き込んでゆく魅力にあふれており、そこはやはりまぎれもなくプッチーニの作品なのである。マイナーかつ異色だが面白いと思った。演出はシンプルなものだが、シンプルゆえにかえって登場人物に集中でき、歌手もみな芸達者で、大いに楽しめる。

はしかつ さん | 千葉県 | 不明

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