世界初録音となるガット弦での演奏に注目必至!
ルッジェーリ四重奏団/オンスロウ:弦楽四重奏曲集
「レ・タラン・リリク」や「アマリリス」といった名門の中核で活躍する名手たちが2007年に結成した室内楽アンサンブル、「ルッジェーリ四重奏団」によるジョルジュ・オンスロウの弦楽四重奏曲集。
オンスロウは19世紀に活躍したフランスの作曲家ですが、生前はむしろドイツで高い評価を受けたことでも知られます。近年ようやく再評価の動きが生まれつつある作曲家を取り上げたこと自体も魅力的ですが、何よりもまず注目されるのは、本アルバムが世界初録音となるガット弦を用いた演奏であることでしょう。しかも、ニ短調と変ホ長調の作品はそれ自体が世界初録音! アンサンブルの響きは全体的に柔らかく、ガット弦ならではの絶妙なまろやかさを持った強弱のコントラストが絶品です。ハイドンやモーツァルトの作風を思わせながらも、所々にシューベルトのようなドラマティックかつメランコリックな響きが垣間見えるオンスロウの弦楽四重奏曲。誇張されたしつこさを控えた、清廉な情感にあふれた旋律の数々に聴き入ります。最後に収録された変ホ長調は、彼がオペラ・ジャンルへと作曲活動を転身する前に書いた作品。瞑想にひたるような第3楽章のラルゲットの美しさは、かのベルリオーズのお墨付きとか。
アルバムを通して躍動感と鷹揚感の対比が美しく、ルッジェーリ四重奏団の清廉とした演奏がその魅力をさらに引き立てます。彼らの演奏は一つ一つの音の輪郭が非常に明瞭で、アンサンブルがクリアに響いてくるのも印象的。古典派とロマン派ファン、双方の方々に是非聴いて頂きたい注目盤です!(キングインターナショナル)
【収録情報】
オンスロウ:
1. 弦楽四重奏曲ニ短調 op.10-2
2. 弦楽四重奏曲ヘ短調 op.9-3
3. 弦楽四重奏曲変ホ長調 op.21-3
ルッジェーリ四重奏団
ジローヌ・ゴベール=ジャック(ヴァイオリン)
シャルロット・グラタール(ヴァイオリン)
デルフィーヌ・グランベール(ヴィオラ)
エマニュエル・ジャック(チェロ)
録音時期:2011年6月13-17日
録音場所:フランス、ポール・ロワイヤル・デ・シャン
録音方式:ステレオ(デジタル)
世界初録音(1,3)、また、いずれの作品もガット弦による演奏は世界初録音