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TOP > My page > Review List of 風信子
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1 people agree with this review 2017/11/05
疾に十三夜を過ぎた今夜も晩秋の月が美しい 冬に近づくと”冬の旅”が聴きたくなる わたしの愛聴盤はマンメル&スホーンデルヴルトの一枚 ピリオド楽器による伴奏の原調で歌われた”冬の旅”だ 単に高声部版でなく出版時に依頼されて調性変更した6,10,12そして24曲目も原典に戻して歌っている これによって音楽の様相は一変する 音楽に青春性が戻った ギューラ&ベルナーは出版譜の調性で演奏しているが 明瞭な発声と軽やかな声質に助けられて音楽が明るい光を失わない ”冬の旅”は陰陰滅滅とした人生終焉の歌ではないから 少々センチメンタルに傾けどギューラ盤を支持する オリジナルでは第一部(1-12)はdで始まりdで終わる 出版譜はbで終わる この長三度下げたことで世界は陰鬱に曇ってしまう 第二部(13-24)はEsで始まりオリジナルではhで終わる この短二度下の調性の平行調に終止してこそ無常が際立ちまた転生へ轍は回ろうというものだ 出版譜では短三度下の平行調aに変えられてしまった 一部から二部へ進むときオリジナルでは短二度(d - Es)上がって短から長へ調性が転換する ここにも生き直さんとする意思の灯が燈る シューベルトは完璧な設計図を描いたのだが 無理解の鎖は200年経ても解けないのだろうか
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マーラーから出てマーラーに非ざるものに至る 出自とは似ても似つかぬ異体となったとも言える マーラーの交響曲を手元に置いて創作の起爆剤にしたことが伝えられているショスタコーヴィチであり 随所にパロディーが仕込まれていると指摘する向きもある 八ヶ月の難産でありながら 初演の準備を見に訪れた政府高官と密談後即座にオーケストラ・リハーサルを中止してしてしまった その後スコアも失われてしまい 25年後コンドラシンらがオーケストラに残されていたパート譜から復元して初演に漕ぎ着けた曰く付きの難曲であり コンサート・プログラムになる頻度は今でも低い 難しいのは経歴だけではない 演奏も鑑賞も難しい 1930年代のショスタコーヴィチが置かれた生存の危機という状況は”第4交響曲”にショスタコーヴィチの”詩と真実”を色濃く反映したと見える それだけに政府も聴衆も忖度しない創造精神が炸裂している ショスタコーヴィチ唯一無二の傑作なのだ マーラーはどこまでも私的問題を歌い ショスタコーヴィチは社会的問題を歌わざるを得なかった ヘルビヒが”4から10まで”の交響曲群を録音するも 第6と第9に触れない態度が彼のショスタコーヴィチ観を示している それは風刺の否定である それだけにヘルビヒの共感と忿怒の深きを思い知る演奏になっている お聴きになっては如何
0 people agree with this review 2017/11/05
第一次世界大戦後ウィーンでシェーンベルクが始めた会員制の演奏会に供された作品を演奏している ここに来てようやく手を出した ほとんどが小楽団用に編曲された曲目だからオリジナルを聞けばいいと肩を避けて遣り過ごしていた 第3集が声楽中心と知りその気になった ワーグナー以来大管弦楽伴奏で歌わせられる歌手を気の毒に思っていた 如何にオーケストラ好きとはいえ遣り過ぎの感を拭えない 聴けばやはり気持ちがいい 妙な力が入らない分情緒が安定して味わうに肩が凝らない 一管一弦編成で足りない音は鍵盤楽器に補わせるオーケストラが人の声に寄り添うに適っている それにしても驚いた シェーンベルクらは大勢で分担編曲しほぼ毎週のようにコンサートを開いていた 足掛け三年で120回近い数の演奏会を実施した 150を超える楽曲を紹介して未来への音楽聴衆の耳を育てた 評論家を入れず批判と賞賛を禁じた 拍手や歓声そして勿論弥次のない鑑賞会だったという お聴きになっては如何
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0 people agree with this review 2017/11/04
二つの”前奏曲”が先ず以って傑作だ 一個の管弦楽曲として存在意義がある ウォルトンの個性が結晶していて味わい深い ”As you like it”は小組曲として見事な田園詩となり ”Hamlet”は音楽による詩劇となった 歌唱や台詞も生きていて音楽を助けこそし聞き手に余分な煩いを負わせない 聴後一廉のカタルシスをもたらす見事な編集になっている シェークスピアの芝居を知らなくとも愉しめる 音楽は自由な想像を拡大する オフィーリアが如何にして死に至ったか知らなくとも 死というものの不条理を感じつつも夢幻に情景を描くことができる 戯曲を読んで知っているわたしにはオフィーリアの死は唐突であり不謹慎だが滑稽にすら感じられる ならばウォルトンはどう捉えたのか 音楽が明かすウォルトンの見た幻影はあのミレーが描いた”水の中で歌を口ずさむ妖精”のオフィーリアなのだ 生と死の狭間で一瞬聖なるもの当に花のように自然の美を体現するオフィーリア 映画音楽も芸術作品の序列に加えよう お聴きになっては如何
0 people agree with this review 2017/11/03
現行の最終改訂版より時間にして5-6分長い 初版より10分近く短い 第二楽章とフイナーレに現行版との違いを聞くことができる 総体に楽曲の印象が変わったとは聞こえなかった ロンドンっ子によるシンフォニーに宿る魂が不変である限り如何様でも過不足ないのだろう 喪失した’13の初版スコアを復元すべくパート譜をかき集めて演奏したヒコックスも実行後に述懐しているように’30とも’33とも言われる最終改訂譜でいいように思う ブラビンズのRVWの交響曲集が展開するか否かは兎も角 このディスクのもう一つの価値が最後に聞ける ”イギリス民謡組曲”をはじめ吹奏楽の分野でも傑作をものしたRVWが最晩年に書き残した”変奏曲”が収録されている 興味深く聴いたが見事な一曲だ これからしばしば聴きたくなるだろう 交響曲と変奏曲に挟まれた美しい歌も一緒にお聴きになっては如何
2 people agree with this review 2017/11/03
愚にもつかなぬ話で恐縮だが わたしの丁度100年前を生きたダンディが妙に気になる 八十路まで達したようなのでわたしも肖りたい 作曲家でありながら研究者教育者指揮者としてフランス音楽の過去と未来に貢献した 自己の作品を棚に上げてフランス音楽と音楽家を支援する人生だった 作品には作家の人生観が映し出される 穏健な個性と調和を取ることを旨とする生き方が反映した作風になっている 一曲目”古風な形式による組曲”に顕著だ 弦楽四重奏に2FlとTrpの七重奏と奇妙な組み合わせ にもかかわらず美しい調和が築かれている 続く”歌と踊り”は定番の木管五重奏にClとFgがもう一本ずつ加わる奇妙な七重奏 中低音域が豊かになってオーケストラの趣が出る独特の味わいになった さらに続く二つの五重奏曲も含めダンディの音楽全般が踊りと歌に彩られている 大言壮語して威圧したりやり込めたりする激論などどこを探してもない まして哲学的箴言など聞こえようもない 日常から生まれる情緒を綴った日記の中の思い出のようだ 散歩でもするつもりでお聴きになっては如何
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0 people agree with this review 2017/11/02
ヘルシンキ・ミュージック・センターでの演奏は繊細で広大なソノリティーを生み出す 融通無碍なる表現力を諸楽器に与えている これでこそプロコフィエフ最後のピアノ・コンチェルトが語るものを聞くことができる 当初作曲者が協奏曲に列ねることを躊躇ったらしからぬ異形の五楽章曲が面白い 協奏曲嫌いのわたしはほくそ笑む 第5番は実際は三楽章曲だ 第三楽章までを第一楽章と見ると途端に伝統的協奏曲の形に収まる ピアノとオーケストラの個々のパートとが一つの地平を目指して歩いている 中心ではあるがピアノがアンサンブルと肩を組んで歌っている否語り合っている 音楽はこうありたい いつ果てるともなく”饗宴”は続く 尽きせぬ思いを語り合う対話のようだ 一度コンサートで聴きたいものだ ピアノが主役で大立ち回りをする第2番と組み合わされている こちらはムネストンのピアニズムを味わうに恰好の華々しさで大向こう受けしそうだ これも自然な演奏そして録音で大いに愉しめる お聴きになっては如何
3 people agree with this review 2017/11/01
思わず聴き耳を立てた 10年も過ぎて漸く手を伸ばしたのにはコンチェルト嫌いという性情あって気重だったのだ ピリオド楽器による同曲同集に期待するものあり これまでも耳傾けた演奏は数知れずあるのだが 再び三度聴いた記憶がない 新鮮で面白いと感じたはずなのにである やはり協奏曲というものが性に合わないのだと自認する V.ソフロニツキー&MACVの全集の評判を聞いて重い腰を上げた次第 それでもどこかで億劫がっている自分がいるのでしてはいけないことをした 積んであった古本の一冊 中野雄著”モーツァルト 天才の秘密”を読みながら聞き流した CD全11枚の真ん中で図書は読み終わってしまった 中野氏の著書が面白い そしてソフロニツキー=モーツァルトが素晴らしい 楽器 演奏 録音と三拍子揃ったディスクに漸く出会えた 正にモーツァルトが天才であることを思い知らされた 奇を衒ったり自己主張したりしない演奏だからこそ聴き疲れない これから幾度も懐かしく聴きたくなるだろう 特にCD6は凄い お聴きになっては如何
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1 people agree with this review 2017/10/29
あらためて求め聴いた 1985年以来できる限りCD化されたフラグメントや補筆完成版を聴いてきた としちゃんさんが予言されたようにラトル&BPOも四楽章版を録音発売した この四者による1996年版をさらに校訂したサマーレ=コールス2007年版によるものだった これで1985年キャラガン版から始まった第四楽章復元作業も一応の決着を見たように思えた だが先の四者版がスタートした1992年にはヨセフソン版が出ていたことを知った さらに2016年にはシャラー版が出た 世情が落ち着いたとは言えなくなったその時 昔聴いたこのヴィルトナー&NPWの演奏が思い出された もう一度ここに戻ってブルックナーが希求し完成し得なかった”第9交響曲”を見つめ直したいと思った 聴き直してみるとその自然な流れと巧まざる献身的演奏に心打たれた そして楽曲の魅力を再認識したのだった この美しい音楽を聴かれては如何
2 people agree with this review 2017/10/29
トツゼン”ラデツキー・マーチ”が始まる 流石に古色蒼然60年前の録音かとため息が漏れる 二曲目”バーデン娘”へ ゥン…これは違う 好い…オーケストラの色が出てる あのウィーンpoが居る リハーサルもしないで指揮棒を振ったというクナッパーツブッシュの微笑みが見える ”アンネン・ポルカ” 広がる寛ぎの気分 ”加速度ワルツ” 肩が揺れている自分に気づく 足拍子を踏んで”トリッチ・トラッチ・ポルカ”へ アッ〈鞭の音〉 確信する DSDリマスターからSACDシングルレイヤー盤制作の真価が出た なんと愉しいのだろう (今日は台風も近づく雨の日曜日だけれど)休日気分が溢れ出す ゾフィエンザールの空間を感じる まるで遊んでいる 音楽が切れている ”ウィーンの市民” このトランペットの鄙びた味わいはここでしか聞けない 大好きだこの音楽 ザックザック音楽してる 音楽はこうありたい タッタッター一緒に歌う これはすごい お聴きになっては如何
2 people agree with this review 2017/10/28
ストリング・クァルテットといくつかの楽器による”うた” 歌 唄 譜 哥 詩 吟 詠 唱 謳 謠 とかくも様々 はてさてデンマークSQは”今見つかったのが一番美しい薔薇”に行き着いたという ”最後の一葉”と題された16曲中10曲が民謡とや どれもこれも初めて聴く曲だが 異国情緒それは北欧あるいはケルトか知らないけれど なぜこんなに懐かしいのだろう 北欧のクァルテットといえばヴェルタヴォSQはどうしただろう わたしの視界に入ってこないのは単にわたしが放浪していたからかしら 一つ一つの曲を聴くというより美しい異界それも自分の外にあるのか内にあるのか分からない深みに知らず知らず踏み入った心持ちだ 不思議の時空に身を任せてみるのも一興 お聴きになっては如何
1 people agree with this review 2017/10/28
お気に入りのハルモニームジーク 定番のCl, Fg, Hr の六重奏それもピリオド楽器演奏であってこそのソノリティが味わえる クロンマーはハイドンからシューベルトまでと同時代を生きた ボヘミアにあってウィーン古典派の亜流に甘んじたかもしれないがなかなか味わいある音楽をものしている 倍音豊かなナチュラルホルンが響きの容積を広げて趣がある どうしてもホープリッチのクラリネットが主役になることは自明の理で また音楽もそう書かれている デンナーがシャリュモーを改良して高音域まで自由な吹奏を可能にした 第三倍音列をクラリオン音域と言ってそこから上へ強弱自在に音域を伸ばしたので高音トランペットの呼称クラリーノをとってこう呼ぶようになった 本来明るく軽やかな音色であってクラリネットなのだ ホープリッチの演奏はいつもそれを思い出させてくれる お聴きになっては如何
0 people agree with this review 2017/10/27
新鮮な響きが弾けている 若いアンサンブルの直截性が生かされた清々しさが全曲に風のように通っていく 20世紀初頭チェコで書かれた木管アンサンブル曲に同郷の若い人たちが取り組む幸福感も加味されたようだ フェルステルが一番歌謡性が濃く牧歌的だろう 穏やかな空気が流れる アンサンブルもそれぞれのメロディーを生かし合う調和を旨として進む ハースはラプソディックというかアンサンブルの協奏的な関係が強まる 一個一個の楽器の個性がより浮き彫りになる ベルフィアトQui.メンバーの技量の高さが見られて興味深い 特にヤヴールコヴァーのホルンは注目に値する ヤナーチェクが晩年に書き残した”青春”は六重奏でバス・クラリネットが加わる 言わずと知れた名曲だが一筋縄ではいかない難曲だ わたしもこれが聴きたかったしベルフィアトQui.もこれを外してプログラムは組めない 6本の管が複雑に絡み合う上にバランスのとり方一つで様相は一変する オーケストラのように”指揮”する存在が必要となる 誰がリーダーか知らないが見事なアンサンブルだ 当に音楽の”青春性”が立ち現れている お聴きになっては如何
2 people agree with this review 2017/10/27
思う故に我あり 感慨に耽るが如く噛みしめるように音楽は行く ”間”の芸術となっている 音楽が演奏者の側に引き寄せられていて メジューエワ・ファンには勝えられない このベーゼンドルファーは弾き慣れているのだろう 体力を消耗すると言われる重い楽器をスタンウェイ並みに弾きこなしている 共鳴箱の鳴りは渋みがありベーゼンドルファーらしさが覗いている 時代を追って並んだ六人の音楽のどれをも一点の曇りなく弾き出だし明晰に響かせる メジューエワの音楽観が健康で明朗な楽天的性状から発していることを明らかにしている 人生を謳歌するディレッタント諸氏の満悦貌も肯けようというものだ
0 people agree with this review 2017/10/26
”惑星”は例外だと聞いたことがある 人生後半の30年間を女学校の音楽教師として生きたホルストが持つ楽団はこのディスクの中にある”金星音楽団”なのだ シティ・オブ・ロンドン・シンフォニアは打って付けとヒコックスが考えた 何れの曲も弦楽合奏にいくつかの弦や管をフィーチャーして演奏できる この小さな宇宙にホルストは住んでいた それにしてもイギリス(人)の音楽は不思議だ これほど風土を映すものだろうか音楽とは わたしのように一度もイギリスを訪れたこともなければイギリスに知己もない者にその自然や風習そして人を見せるのだ 客観性あるいは抽象性を持たない音楽は限界もあるが独特の魅力を永劫に放射する 尻上がりに面白くなるが 冒頭の”二挺のヴァイオリン協奏曲”から耳をそばだてたい 第一楽章が省略されて奇妙と言えば奇妙だが実に興味深い 続く”二つの無言歌”も小さな”オーケストラ・コンチェルト”で聞くほどに味わいがある 次は名曲だ ”抒情的楽章”を聴くとホルストの心の聖地を覗いたようで背筋が伸びる フーガ形式だけで書いた”フーガル・コンチェルト” そして当にホルストの生活圏の名を冠した二つの組曲はホルストの”イギリス民謡組曲” どれも素晴らしい 早世したヒコックスを偲び聴く お聴きになっては如何
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