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3人の方が、このレビューに「共感」しています。 2009/09/17
フィンランド、いや、今や世界を代表するパワーメタルバンドとなった Sonata Arctica。 今作は、そんな彼らが前作UNIAから2年4カ月という歳月を経てリリースした6枚目のアルバムである。 前作UNIAでは従来のメロディックパワーメタルの路線を大きく変更し、 プログレッシブメタルにも通ずる難解さと持ち前のメロディセンスを融合させた、幻想的な世界観を表現して見せた彼ら。この変化を前向きに受け入れられずに離れて行ってしまったファンも多いようであるが、今作はその路線を踏襲しつつも初期のようなメロディックパワーメタルの要素もわずかながら取り入れてきている。#4は3rd収録の名曲、Victoria’s secretを彷彿させるナンバーであり、初期のファンでも存分に楽しめるのではないだろうか。 #2はまるでファンタジー映画のような壮大かつ美麗な世界観を持つ大曲で、冒頭の女性ヴォーカルも印象的である。 #3はトニーらしい美しくキャッチーなメロディが炸裂しているミドルチューンだ。 あふれだす哀愁が感動を呼ぶバラードの#5、完全にUNIA路線のやや難解ながらも不思議で独特な味を持つ#6、#7、 キーボードのサウンド、ギターの刻みがどこかPaid In Fullを彷彿させるような#8(但しpaid in fullよりも難解ではあるが。。。)。 #9もUNIA路線をもろに踏襲した曲。#10はオルガンが印象的な静かで感動的な曲で、続く#11はこのアルバムの終盤を盛り上げるドラマティックなミドルチューンである。 そしてラストを飾るのは#1のインストナンバーのヴォーカル入りフルヴァージョンだ。序盤の静けさから終盤のコーラスなどを駆使した荘厳な盛り上がりを見せる展開は、今作のラストにふさわしい。 全体としてシンフォニックに仕上がっており、洪水のように押し寄せる美しいメロディとどこか凍えるような冷たさが背中合わせになっている作風は彼らならではのものだろう。 個人的には初期のメロディックパワーメタル路線も好きだが、前作で見せてくれたシンフォニックで荘厳な作風のほうがより好みだったので、 その路線を大きく踏襲してきた今作も存分に楽しめている。 ただ、新しいアプローチがさほど見られなかったのは少々残念である。 UNIA好きなら確実に楽しめる一枚であり、また、4thのreckoning nightがお気に入りという人もなかなか気に入るのではないだろうか。 だが「UNIAなんてSONATAじゃない!」という人にはあまりお薦めはできない。 初回限定のライブ盤であるが、Paid In Fulなどこれまでライブ音源が存在しなかった曲がいくつか収録されているのでそれが欲しい人のみ、 購入すれば良いのではないだろうか。 正直、Replica、Black Sheep、Don’t say a wordの三曲はすでにライブ音源が存在しているので、それよりも他のUNIA収録曲、とくにIn Black and Whiteのライブ音源を収録してくれれば、より良かった。 一方で、Draw Meのライブ音源を収録してくれたことは、とてもうれしい。 ライブで見せるトニーの切なげな歌声が何とも言えず素晴らしい。 このアルバムを引っ提げての日本公演は行われるのだろうか、 個人的にはぜひ実現させてほしい。 欧州などでのライブではすでに今作の収録曲が披露されているそうなので、 ライブを通じてさらに磨かれて行っているであろう楽曲たちを堪能したいものだ。
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