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Shinzy さんのレビュー一覧 

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     2011/09/28

     先行シングル6曲を既にかなり聞き込んでいたので、それらがやたら浮いて聞こえてしまうのではないかと懸念されたが、全く持って無用の心配だった。どの曲も完璧に他のアルバム収録曲に溶け込んでおり、とろりとした旨みが醸し出されていた。当初同時2枚発売シングルとしては弱いなと思っていた ”MOON” もここにおさまると、まるで始めて聴いたかのような新鮮な印象を与えてくれた。これら既発6曲についてはそれぞれのシングル盤のレビューに書かせて頂いたので、お読み頂けると幸いである。ここではそれら以外についてコメントしてみたい。

    『tomorrow』
    軽快なピアノのスタッカートに乗っての歌い出し、続くメロディは非常にカラフルでしなやかでもある。全体的に人懐っこい印象で、耳にした者は誰もが微笑むことだろう。前後の曲との流れにも溶け込んでおり、アルバム全体のサウンドの統一性にも完璧にマッチしている。詞の内容は、心を許した相手との交際の中にも気配りが肝心であるとし、人と人との関係を心から大切にする彼女の人間性が伺えて素晴らしい。そしてこの歌のハイライトはここだ。

    『♪いつでも始まりは左にある心と右手にある勇気と笑顔なんです』

     確かに『勇気と笑顔』こそが確固とした自尊心を持って生きていく糧となるのだろう。彼女はそれを軽やかに歌にしてしまう。もはや並の男では彼女には近寄れまい。とまたまた思ってみた次第。

    『空白』
     陰が差し込み、ダウンな響き。そしてバスドラム風な音が体中に染みわたる。これまでにもあったようで実はなかった曲。強いて言えばAZURE MOON がこれに一番近いか? しかしこちらはもっともっと彼女の心象風景が垣間見える。美しいというより深い朗読的な歌唱。これはエネルギッシュな初期のELTを終え、少し達観した彼女が放つ孤高のモノローグのように静に心魂に浸透してくる感じだ。POP SingerでもRock Singerでもない持田香織という女性の裏の本質に触れられるとても深淵な世界を歌詞と共に深く堪能できる1曲。

    『wonder love』
     
    『♪ワンダーラブ、それはつまり新たな日々に出逢える奇跡なんです』

     恋愛は受け身ではダメ。積極的に打って出るべし! そんな決意をブロードウェイミュージカルな要素を感じさせる牽引力のある歌いっぷりはテンポ良く、スピード感に溢れ、かつまたどこかユニークでありながらもとてもドラマチックだ。なんら文句なく楽しい1曲。

    『Asian Beauty』
     インタールードとしてのインスト小曲。悪くない。

    『Ordinary』
     アルバムの終盤戦。最初のハイライトが登場。『♪赤い風船は純粋な人にしかつかめないよ。』 アルバムを聴く前にジャケットを眺め、ブックレットをめくってみて、最初は単に、『今回は赤い風船かぁ』と軽く思ってみたが、この歌を聴いてその深い意味がわかった気がした。

     『♪いくつもの夢があったのにいつしかに置き忘れた 本当の心ごまかしながらいつしか大人になっていた』

     ”Eternary” の頃の彼女は、夢すら持たず、日々流される打算的な女を歌っていた。(歌わされていた)  しかし彼女は信じられないくらい大きく成長した。
    『♪でもきっとすべては、当たり前じゃないことを教えていた。』

     そしてタイトルは ”Ordinary”。 こんなにも深い世界が他のどこにあろうか?

    『Pray for East』
    サンタナの『哀愁のヨーロッパ』とジェフベックの『悲しみの恋人達』の要素を強く感じる。このタイトルからするとこの曲は黙祷しながら聴くべきか? 伊藤氏にはこれまで発表した曲に新曲を加えたインストアルバムを是非発表して欲しい。

    『BEGIN』
     そして大詰め、ハイライト。BEGIN。

    『♪いっそこのままでいいのなら、簡単さ。だけどそうもいかない毎日を生きている』。

     全く持ってそのとおり。明日から明日からと言っているだけでは、人生すぐに終わってしまう。だからなんとか始めてみよう。

     この歌をコンサートのトリでやったなら、必ずや会場は涙の洪水の大合唱となるだろう。一足先にコーラスに参加した幸運な50名のように、これから会場へ足を運ぶ人はぜひ、しっかり練習してから出かけるべし。

     欲をいえば、アルバムの締めくくりをこの曲で終わらせてしまうのではなく、この後に伊藤氏のギターで何かエピローグをつけて欲しかったと思う。でもとてもとても聴き応えのアルバムだ。大満足!

    《追記》 
     書こうかどうか迷ったがやっぱり書く。扇子と風呂敷とボックスでこの値段は高すぎ! 特にボックスは存在意義がわからない。このうちの1,000円分は被災地に寄付するというならこの金額も惜しくない。彼女たちの本当のファンなら、きちんとだめ出しをすべきである。今のこの時代にこのような贅沢な買い物を断じてすべきではないのだ。それにこのアルバムタイトルナンバーの詞の内容にも反するではないか! 次回また高額な企画が出たとしたら、盲目的でない目のあるファンは警戒して買わなくなるだろう。2人は何の罪もない。AVEXさん。ファン心理につけ込んだ営業は慎みましょう。

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     2011/09/25

    TVドラマ『全開ガール』とやらの主題歌と聞くが、残念ながら未見だ。きっと希望に満ちたストーリーだったのだろう。作曲者であるHIKARI氏のキーボードの音に続いて、プログラミングされたストリングスの加速音。さらには野太いベース音のインサート。もうイントロからしてリスナーを元気いっぱい夢一杯のまさに『心全開』の状態に誘ってくれる。香織さんのボーカルも鮮度100%で聴いててとてもとても心地よく、軽快なメロディと合わせ、ついつい体を左右にスイングさせたくなってくる。
     タイトルは、『アイガアル』(『愛GIRL』でいいのかな? 『愛がある』ではないそうだ。)しかし歌の主人公は『ボク』となっていて、その『ボク』が勇気と希望に満ちた恋をが始めてみた歌のようだ。だが、こんな軽快な歌にも、深い深い珠玉の香織さんによる詞が含まれている。間奏の伊藤君のギターソロの後の所だ。

    『♪この先にある日々が何よりの奇跡だって見つめ合って行けるように歩き始めていく』

     こんな時代だからこそ、ここで歌われているように、この先にある日々を(他力本願ではなく)自力で奇跡に導けるようプラス思考を持っていることが最も大切なのであろう。またひとつ年下の女性にものを教わった。

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     2009/08/21

    アルバム”moka”だけでなく、例によってSingleも買ってしまった。理由は例によって、初回限定版であり、DVDがあり、アルバム未収録曲(=MOON RIVER)が入っていたからだ。 でも今回はそうした自分の収集癖を満たすためだけでなく、アルバムの中でもとりわけ気にいった2曲が収録されており、アルバムを通して聴けないときは、この2曲だけを楽しめるというメリットは大きかった。いや、そんな合理的な理由よりも何よりも、DVDに感動した。前回の「雨のワルツ」の映像には、(ラストシーンに)違った意味で感動した(反応してしまった?)自分だったが、今回は名作映画を見終えた時のような感動を覚えた。あの年配の男性の表情には泣けた。心から泣けた。うまく説明できないが、すばらしい映像だった。だから、心から買ってよかったと思えた。”Moon River”は、正直、収集癖を満たすレベルでの満足感しかなかったが・・・、でも持田に対しては、心からミーハーになれる自分なので、やはりコレクションとして持っているのは大正解なのである。

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     2009/08/21

     絶景を見たときの感動ではなく、岩盤浴でじわじわと時間をかけて汗を流した後に味わうような極上の満足感を味わった。ぱっと聞いてぱっと楽しめるアルバムではないので、特に初期のELTのファンの方にはのどの渇きを覚えさせてしまう作品かもしれない。しかし、後期のELTファンで、特にバラード曲や詞に感動を覚える方には強くお勧めしたいアルバムである。
     1曲1曲をガラス細工のような緻密なアンサンブルで仕上げていく所など、芸術の域に達しているといえよう。それを裏付ける如く、サポートメンバーもすごい。まず、1の小野リサ氏。のっけから大御所の登場であり、極上のボサノバを聞かせてくれる。ただ、後半の2人の声が重なるあたりは微妙かもしれない。12のSean Lennonの参加はすごすぎである。確かに彼は、J-Pop畑にもすでに根を張っているので、若年ファンにはなんの驚きもないのだろうが、私的にはとんでもない事件である。あのJohn Lennonの遺伝子が持田のアルバムをバックアップしているのだ。洋子さんは息子のこの仕事を知っているのだろうか。そして、天にましますJohnに報告したのだろうか?「こないだショーンが持田さんのアルバムを手伝ったのよ。」なんて。
     ところで、一番自分の心を突き刺した曲は、4である。もう昇天ものであり、これ以上の癒しのひとときはない。2003年のNostalgia以来の感動だ。次いで、9だ。これも最初のトュルリラ〜の声から入ってくるstringsとともに、つい涙を落としてしまった。絶対的に名曲だ。欲を言えば、その後に入るドラムのブラシとウッドベースはもう少しOffぎみにして欲しかった。しっとり感がやや損なわれ感がある。まあ、強いて言えばのことだが。さらに、11のSteel Panによる星の演出といい、本当にどの曲も芸が細かい。
     アルバムの本当の良さを分かってもらうのに、少々時間がかかるかもしれないが、ぜひ多くの人に聴いて欲しいアルバムである。

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