ピアノ協奏曲第23番、第27番 メナヘム・プレスラー、キンボー・イシイ&マグデブルク・フィル
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あんどれす せごびあ | 愛知県 | 不明 | 2018年01月20日
老いてこそなお輝かしく、心に染み入るような演奏です。またピアノで出してはいけない無理な音は一音たりとも出していません。こういったものを聞くと演奏家において上手いということはどういったことか、また上手いということと感動とはまったく別の次元の事柄であることがよくわかる。真の芸術家にみられるすべてを知り尽くした美しく輝いた姿です。全編にわたって大変ゆったりとしたテンポです。現代の多くの演奏家のようなテンポでは全くありませんが、こと23番においてはこのテンポこそが最も良いのではと思います。逆に言えば現代の若手演奏家では決して弾くことのできない芸術的に最高難度のテンポと言えはしまいか。ドビュッシーでは、何が起こっても美しさにおいて全く動じることのないこれまた輝いた演奏です。ショパンノクターンにいたっては、演奏家自身の人生を振り返るかのような涙無しでは聞くことの出来ないほどの至宝の演奏です。27番では多少標準的テンポになったかのようでしたが、やはりプレスラーのテンポになっていきます。また逆にオケがゆったりしすぎたときはプレスラーが軽くさわやかに弾き始め淀んだ響きを中和させ、のちにまた自分のテンポにしてゆくさまは、大変な包容力です。これほどオケ伴奏とのちぐはぐさなのに、たいへん溶け合っています。プレスラーの室内楽の経験からくるものであろうか。大変すばらしいものが聴けた。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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