Stories

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    hiro  |  愛知県  |  不明  |  2014年05月08日

    「Permutation(2009年11月録音)」で、ひと回り以上も若いメンバーを引き連れ、自らも過去のイメージを刷新するような若々しいピアノプレイを披露してくれたEnrico Pieranunzi (1949年イタリア生まれ)。 Marc Johnson (b)、Paul Motian (ds)と組んだ「Live At The VillageVanguard(2010年7月録音)」を挟んで、ニュートリオによる刺激的な新作「Stories」を届けてくれました。 Pieranunziを鼓舞する強力なリズムセクションは、ベースのScott Colley(1963年アメリカ生まれ)とドラムスのAntonio Sanchez(1971年メキシコ生まれ)。共にリーダーアルバムもリリースしている売れっ子です。 録音は、2011年2月ニューヨークAvatar Studioにて。 8曲中7曲がPieranunziのオリジナル。彼が音で織りなす物語に耳を傾けてみましょう。 力強く、またダークな色彩にも覆われて始まる「No Improper Use」に聴く側の気持ちも引き締まります。「Permutation」の頃より更に若返ったようなPieranunziがここにいるような気が・・。 続く「Detras Mas Alla」 は、Sanchezのドラムスが冴えわたるラテンタッチの曲。3人は、早くもエンジン全開。 「Blue Waltz」は、タイトル通り軽快なワルツで、 Pieranunziの華麗なテクニック、その小粋な演奏に、こちらもス テップを踏みたくなります。 一転して、舞踏会から深い森の奥へと誘われるかのような「The Slow Gene」。唯一Colleyの作品で、ミステリアスな雰囲気を3人が優れた演奏能力で表現しています。ピアノの響きが美しい。 「Which Way Is Up」は、ピアノの高速ソロからスタート。そのままアップテンポへと突入しますが、手を伸ばしてもスルリと身をかわされてしまうような、どこか掴みどころがない曲。エンディングは破壊的ですらあります。 「Where Stories Are」は、再びスローに転じ、ピアノがしんみりと語りかけてくるような曲。ベースがピアノの語りに応え、じっくりとソロを展開します。全体に暗さを秘めた曲調。物語を捜し求め、迷い込んだ森の奥には誰もいないようです。 「Flowering Stones」では、一条の光がピアノに携えられて戻ってきます。ピアノとベースの対話により、曲は進んでいきます。ミディアムテンポながら、終盤ではリズミカルな展開も。 ラストの「The Real You」は、PieranunziとColleyのデュオ。冒頭から腰の据わったベースがずっしりと響き、ひとつの流れをかたちづくります。ピアノは、その流れに逆らわず、舞うように奏でられ、曲は淡い色彩で飾られていきます。 年下のメンバーからエネルギーを吸収し、自らの円熟との両立をはかりながら、新たな地平を目指すPieranunzi。その動向に、これからも目を離すことが出来ません。

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