Love ＆ ﾋﾟｰｽ  |  静岡県  |  不明  |  2012年04月24日

毎回、新作発表がとても楽しみなシンガーの今作。名門「デューク・エリントン・オーケストラ」との共演盤となりましたが、この誉れ高いビッグバンドの演奏をバックに、何のためらいもなく、水を得た魚の様に、実にのびのびと余裕を持って歌っている点に好感が持てます。現代のジャズシンガーでありながら、伝統あるエリントン作品に真正面から向き合って、リスナーを エリントン・ワールドへと誘います。ムードたっぷりのスローなナンバーも魅力的ですが、個人的には、この人の力量は、ポップス寄りの声質とマッチしたアップテンポなT-3、T-5、T-8といったナンバーでこそ発揮されるのだと思います。エリントンの代名詞的な有名スタンダードT-11や、ラストのハーレム讃歌のオリジナルソングは、聴くとウキウキしてきて、これからの季節、ヘヴィロテになりそうなナンバーです。