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生きる

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    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  2012年09月14日

    黒澤明監督の映画は、一部の例外を除いて「侍の映画」と言えるのではないか。「侍」が直接的な表題となった映画は、黒澤映画の最高傑作との呼び声の高い「七人の侍」のみであるが、黒澤映画における「侍」とは、我欲には見向きもせず、一定の信念の下に生き、その信念を曲げなければならない時には死をも厭わない者をさすことが多い。「七人の侍」に登場する「侍」も、もちろん食事にありつけたと言う面もあるが、自分とは全く関わりのない村人たちを守るために命を懸けるという者である。「七人の侍」が、30本存在している黒澤映画の中でも世界的に最も賞賛されている映画であるが故に、「侍」のイメージについては、死をものともせずに信念のために生きる者を指すということが今や国際的にも定着していると言える。そして、黒澤映画の「侍」は、いわゆる時代劇に登場する武士の範疇にはとどまらない。時には、現代劇における一般市民すら「侍」となり得る。その最たる例が「生きる」の主人公である市役所の市民課長、渡邊勘治である。長男を男手一つで育てあげ、退職間近まで無遅刻無欠勤で市役所の職員を務めていたある日、胃癌を患っていることを知る。絶望感に苛まれた渡邊市民課長は、死までの短い間に何をすべきか思い悩む。その過程の中で、健康な時には、市民課長として歯牙にもかけなかった公園の整備に余命を捧げることを決意。様々な障害を乗り越えて公園を完成した後、雪の降りしきる中、新公園のブランコで「ゴンドラの唄」を口ずさみながら従容と死んでいく。この渡邊市民課長こそ、「侍」と言わずして何であろうか。「生きる」には、かかるゴンドラのシーンの他にも、胃癌を患っていることがわかり、病院を後にした時の一時的な無音化(渡邊市民課長の絶望感を絶妙に表現)、誕生日のパーティをバックに渡邊市民課長が公園の整備に命を捧げることを決意するシーンなど、映画史上にも残る名シーンが満載であり、かかる決意の後は、渡邊市民課長の通夜の場面に移り、そこから過去の回想シーンを巧みに織り交ぜながらストーリーが展開していくという脚本の巧みさは殆ど神業の領域。諸説はあると思うが、私は、「生きる」こそは、いわゆる「侍の映画」たる黒澤映画の真骨頂であり、最高傑作と高く評価したいと考えている。少年オプーの成長を描いた大河ドラマ、「大地のうた」「大河のうた」「大樹のうた」の3部作で世界的にも著名なインドの映画監督の巨匠、サタジット・レイが、最も好きな黒澤映画として「生きる」を掲げたのも十分に頷ける話だ。

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    ロック飯店心斎橋店  |  大阪府  |  不明  |  2009年08月29日

    国家・地方問わず公務員を目指す人間、及び現在その職にある人間、全ての「公僕」と呼ばれる職にある人間は本作鑑賞を必修とすべし。 そうでない方も含めて全ての日本人は勿論、世界中の人に見て欲しい作品。 「七人の侍」が”動”の黒澤の最高傑作とするなら、本作は”静”の黒澤を代表。 しかし根底には他の作品に劣らぬ”動”の熱い血が流れている。

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