『ドン・カルロ』5幕フランス語版 コンヴィチュニー演出、ド・ビリー&ウィーン国立歌劇場、ヴァルガス、スコウフス、他(2004 ステレオ)
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オペラかじり虫 | 兵庫県 | 不明 | 2014年07月11日
単にモデナ版によるフランス語の全5幕で無いところに、意欲を感じるものの、舞台表現の貧しさは原語に絶するもので、演出家は、王の横にエーボリが寝ているアイデアをご自慢(びわ湖ホールでの講演)の様子ですが、恐るべきものです。イタリア語の字幕を見てみますと、何やら独自のテキスト・レジーによるもののようです。OPERA RARA/DGと読み比べますと、かなりの異なりがあるようです。初演でカットされた部分を含む上演としては、本当はもっと意義あるべきものでなくてはなりませんね。2人の方が、このレビューに「共感」しています。
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ombredouble | 東京都 | 不明 | 2012年05月21日
バレエ音楽を含む仏語グランド・オペラ版である点と、ド・ビリーの(やや劇的高揚には欠けるものの)丁寧な指揮・歌手陣の概ね卒のない歌唱に星4つ.それにしても、ヴァルガスが達者に歌うのを聴いても、やっぱりヴェルディにはイタリア語のイントネーションが似合っている、と思ってしまう(アラーニャだとわりと納得するものがあったが). 舞台はコンヴィチュニーの中でもがっかりで、文化圏を出ることの難しさを感じる.彼の演出はオペラ歌手を<駆り立てる>事で滲み出す身体性、児戯が同時に極度に真剣なものでもあるような不自然さから緊張を生み出していたが、ここでは皆手馴れすぎすべてがwell-made.これでは全く意味がない.休憩を挟んだ火刑の場でのテレビ中継にしてからが、観客との共犯関係が成立してしまうのも宜なるかな(ヴィーンの聴衆でなくとも、’80年代の記念碑的制作《ランスへの旅》ロンコーニ版を知る人は少なくないだろう…).尚当演出はこの4月から再演されているので、ヴィーンのレパートリーから消えたわけではないようだ. というわけで、ヴィデオでコンヴィチュニー演出を見るなら《魔弾の射手》(ハンブルク)なり《神々の黄昏》(シュトゥットガルト、ベルト・ノイマン舞台美術!)のほうが楽しめるだろうし、仏語5幕版《ドン・カルロス》を映像付きで聴く目的ならシャトレ座盤(ボンディ演出、アラーニャ題名役、パッパーノ指揮パリ管.ただし複数の版の混合)くらいしか競合盤はないから、当盤の価値は十分にある.3人の方が、このレビューに「共感」しています。
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uran | 大阪府 | 不明 | 2009年06月10日
2004ウィーンでみました。何と言っても、劇場全体を巻き込むパーフォマンスにした演出は圧巻です。しかし休憩後、予鈴をならさずいきなり、火刑の場に入るやり方は現場にいる観客としては、何が起きたのか判らず、席に着けないでそれこそ呆然として、たちつくしながら舞台を見たのを覚えています。それ以外はさほど抵抗無く見られ、様々なアイデアが盛り込まれ、例えば修道士の扱いかた(さりげなく彼が先王であることを感じさせたりする)やバレエ音楽を使ってエボリの夢を無言劇として、喜劇的に演じてみせるなど楽しめるという点では面白く思います。同じ時期にイタリア語版の違う演出も上演されていましたが、現在ではこのフランス語版は無くなってしまったようです。一度観てはいかがでしょうか。6人の方が、このレビューに「共感」しています。
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luna198595 | tokyo | 不明 | 2008年09月14日
コンヴィチュニーの演出を見ると考えてしまう。奇抜で注目するのでなく、この人のいいたい事とやっていることを考えながら見る楽しみ、知る楽しみはコンヴィチュニーならでは。多くの演出家がいるが、この人は本当にオペラを大事にしていると思えてならない。声の楽しみ、娯楽としてのオペラも良いが、意識を持ち、考え、分かる楽しみを持ちながら見るのもオペラ鑑賞の一つでは?4人の方が、このレビューに「共感」しています。
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村井 翔 | 名古屋 | 不明 | 2008年07月27日
コンヴィチュニー演出では客席を点灯し、観客を巻き込んだスペクタクルを作り出すのが常套手段だが、本作では火刑の場がまさにそう。階段やロビーでの出来事は舞台上のスクリーンに映され、歌劇場全体を使った大見せ場となる。保守的なはずのウィーンの観客が嬉々としてこのスペクタクルの片棒をかついでいるのも見もの。しかし、この演出家はコケオドシやパロディだけで名声を得ているわけではない。むしろその後、5幕版第4幕以降の濃密な、血みどろと言っても良いドラマこそ凄い。入念に張られた伏線のおかげで、幕切れも説得力あるものになった。4人の方が、このレビューに「共感」しています。
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