Yes

LPレコード Ladder

Ladder

商品ユーザレビュー

レビューを書いてみませんか?

レビューを書く

検索結果:16件中1件から15件まで表示

  • ★★★★★ 

    農夫  |  岡山県  |  不明  |  2020年09月16日

    私見では、この『ラダー』がイエスの数ある作品の中で最も「アポロ的」なアルバムだと思う。イエスの表現の基準とすべきアルバムは、妥協を許さぬ的確なメンバー交代後、短期間に立て続けに発表された『こわれもの』(’72)と『危機』(’72)であろう。メンバーそれぞれが志を高く持ち、たゆまぬ向上心で多彩な音楽性と独創性を磨き、演奏や歌唱の申し分のない技量を獲得した、その意味で対等で共通性のある5人が揃った時期を指す。彼等は決して個人技をひけらかすことなく、オーケストラの一員のように抑制し、協調して目標とする音楽の達成に尽力した。その後の頻繁なメンバー交代の影響でもあろうが、彼等の創造する音楽はマンネリズムとはさほど縁がなく、多様な表現を求めて変化を続けたと言えよう。ニーチェは芸術を分類するに当たって「アポロ的」と「ディオニュソス的」の対立項を用いた。古代ギリシア時代、本来は造形芸術作品をアポロ的芸術、非造形芸術作品をディオニュソス的芸術としていたのが、両者の反目や反発が刺激となって混淆し、特にアッティカ悲劇ではより充実した作品を生むに至るのだ。上記の名残から「アポロ的」とは表象、現象、仮象等を含意し、「ディオニュソス的」とは意志、苦悩、恐怖、陶酔等を含意する。少々乱暴だが「アポロ的」を昼の芸術、「ディオニュソス的」を夜の芸術としてもあながち間違いではないであろう。そして『ラダー』(’99)をイエスの作品中で最たる「アポロ的」なものと見なす訳である。因みに最も「ディオニュソス的」な作品とは『リレイヤー』(’74)であり、二番手に『ドラマ』(’80)を置きたい。どちらもキーボーディスト不在か、技量を伴わないキーボーディストの時期に、スティーヴ・ハウのギターとクリス・スクワイアのベースが意識的に主役を務めた作品である。『リレイヤー』は他のパートのレコーディング終了後に、新たなキーボーディストであるパトリック・モラーツがディオニュソス的な演奏を加えて見事に仕上げたのは、さすがである。ところでニーチェの用いた分類項はワーグナーに由来し、ワーグナーはベートーヴェンから受け継いだらしいのだ。確かにベートーヴェンの交響曲第4番はディオニュソス的に始まり、葛藤を経てアポロ的展開に移行する様が感動を呼ぶと言えるだろう。従って、クラシックにも造詣の深いイエスの面々は当然この二分類は意識しているに違いない。かつまた、本作『ラダー』はイエスにとって原点回帰を意図した作品でもあろう。01「ホームワールド(ラダー)」の終盤、スティーヴ・ハウの弾くアコースティックギターの背後で、「南の空」(『こわれもの』)以来となる風の自然音(を模した人工音)が聞こえる。更に04「キャン・アイ」は「天国への架け橋」(『こわれもの』)の変奏であり、11「ナイン・ヴォイセズ(ロングウォーカー)」のラストでは「アイヴ・シーン・オール・グッド・ピープル」(『サード・アルバム』)と同じコーラスが歌われることからも明らかである。だが何故アポロ的でなければならなかったのか。ここからは確証はなく、想像を交えて記すことになる。本作はデヴィッド・ボウイの『ステーション・トゥ・ステーション』がヨーロッパ回帰を宣言したのと同様、イエスのヨーロッパ回帰のアルバムと位置付けたい。但し、ボウイがアメリカからドイツに移ったのと違い、イエスは古代ギリシア・古代ローマ、ヘレニズム文化の地中海世界へと回帰したのではないか。その鍵は曲名や歌詞にある。曲名に括弧書きの付された3曲に着目する。01「ホームワールド(ラダー)」、02「イット・ウィル・ビー・ア・グッド・デイ(リバー)」、11「ナイン・ヴォイセズ(ロングウォーカー)」であり、ラダーとリバーには定冠詞THEが付いている。ラダー(梯子)」からは上昇や下降、そして螺旋状の遺伝子モデル等がイメージされる。また歌詞の内容を吟味すると「光」が重視され、アウグスティヌスが『告白』で描いた人間の視力では到底見ることの出来ない「光」や、前ルネサンス期のダンテ『神曲』天国篇での同様の「光」を想起させる。その「光」の下に住み処としての故郷が在る。リバー(河)からは人や物の移動のみならず、悠久の時の流れやキリストの洗礼等が連想されよう。歌詞では海へと至る河が歌われもする。ロングウォーカーとはアウグスティヌスであり、ダンテであり、イエスの各メンバーでもあろう。歌詞は北アフリカを舞台にしている。アウグスティヌスが生きた古代ローマ時代末期には北アフリカはヨーロッパの一部であって、アウグスティヌス自身北アフリカで生まれローマやミラノでの生活を経て北アフリカで司教として死んだ。曲のなかにはラテン調のものもあるが、それだけを頼りにイエスと古代地中海世界をつなぐ根拠にすることにはいささか無理がある。だが「光」、「上昇」、「フェイス・トゥ・フェイス」等の歌詞はアウグスティヌスの使用頻度の高い言葉でもあり、ジョン・アンダーソンは少なくともアウグスティヌスのことは意識して作詞しているとしか思えないのだ。アウグスティヌスはカトリック、プロテスタントを問わず「西欧の父」と称される人物であるし、シェイクスピアは小アジアや北アフリカを含めて地中海世界を舞台にした作品を多く残していて、その点で英国人にとって地中海世界が疎遠でないことの証明になろうかと思う。ボウイがディオニュソス的ヨーロッパへ回帰し、イエスはアポロ的ヨーロッパに回帰した。アポロ的芸術の要素には「ギリシア的晴朗さ」も含まれる。イエスのメンバーは、その共通理解のもとに本作を制作したのではないか。目的は表現を支え、主題は表現を方向付け洗練する。『ラダー』の確信に満ちた歌詞や声、演奏からは、ギリシアやローマの造形芸術の美的均衡やアウグスティヌスの求道的ひたむきさにつながるものが感じられるのだ。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに 共感する

  • ★★★★☆ 

    オールYES  |  東京都  |  不明  |  2012年02月13日

    曲構成が素晴らしい「Homeworld」や「New Language」、一度聴いたら耳に残る「If Only You Knew」等 名曲が揃ってます! 「Finally」は何となく『究極』のタイトルナンバーとイメージがかぶります。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに 共感する

  • ★★★★★ 

    KUROTSUKI  |  高知県  |  不明  |  2011年08月20日

    この当時メンバーが語っていた、70’s YESと80’s YESの融合、その上で今風にする。 前作Open Your Eyesでは???であったが、今回は納得である。 70’s YESの叙情性と構築美と80’s YESのキャッチーさとビートの同居。 90年代のプログレのアルバムでは、ダントツで好きなアルバムです。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに 共感する

  • ★★★★★ 

    岡っ引きお化け  |  静岡県  |  不明  |  2011年07月13日

    前作”Open Your Eyes”に引き続いてBilly Sherwoodが参加していますが、本作にがGuitaristとしてクレジットされています。新たに、前作で数曲サポートメンバーとして参加していたIgor Khoroshevが本作より正式にKeyboardistとして参加しています。この二人の参加により、若返りを図ったものとみられます。現にサウンド的には明るい感じがして、見事に成果をあげています。新しめのAlbumの中では結構お気に入りです。「Lightning Strikes」「Face to Face」「To Be Alive」「The Messenger」などがお気に入りです。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに 共感する

  • ★★★★☆ 

    大畠逃介  |  石川県  |  不明  |  2010年09月09日

    このアルバムはとにかく良く聴いた。コーラスが気持ちいいもんネ。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに 共感する

  • ★★☆☆☆ 

    sman  |  大阪  |  不明  |  2008年01月17日

    最初に一言。私は、準リアルタイムなファンですが、決してノスタルジジイではありません。で、「久々の傑作」という評価に期待して聴きましたが……年をとったのかなあ。「TALK」の方が良かったというのが正直な感想。少数意見ということでカンベン。数年先の若いリスナーに評価を委ねます。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに 共感する

  • ★★★★★ 

    ポンサン  |  愛知県  |  不明  |  2006年05月29日

    曲自体も良いが、Bフェアバーンの手腕が躍動感ある若々しい音を生み、次から次へと名曲佳曲が耳へと飛び込んで来る。特にジョン・アンダーソンの趣味が反映されたBCF辺り新鮮で良い。60分アッという間だが、時間を感じさせないのは名盤の条件。これはなかなかの傑作だ。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに 共感する

  • ★★★★★ 

    ガッシー  |  日本  |  不明  |  2006年04月23日

    これって傑作だよ!もっと評価されるべき。。。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに 共感する

  • ★★★★★ 

    Zodiac  |  日本  |  不明  |  2006年01月11日

    図書館で借りて聴いたんですが、分かりやすいですね。 それでいて壮大な曲もあったりするので、最近のYesでは傑作と呼べるのではないでしょうか。私は前半のポップさが好きですが、オープニングと後半の雄大な曲こそYesらしいと思ってます。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに 共感する

  • ★☆☆☆☆ 

    YELLO  |  新発田市  |  不明  |  2005年04月19日

    前作、前々作と裏切られ、R.ディーンのジャケットも中々の出来。今度こそ…「ハァ……(溜息)」

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに 共感する

  • ★★★★☆ 

    せいいち  |  神奈川  |  不明  |  2004年01月31日

    いわゆる90125イエス時以降のアルバム中で70年代のイエスに一番近くにあるような気がさせられます。迷走していた何年かからの冬眠から目覚めた、そんな感じじゃないですかね。曲はジョンらしいポップさとハウのアコースティックさがイエスと云うまな板の上で亡きB・フェアバーンの手さばきで巧い具合に調和されてます。この当時のkeyのイゴールは地味めに大活躍してますね。決して間違いの無い!アルバムです。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに 共感する

  • ★★★★★ 

    Y.N.  |  仙台市  |  不明  |  2003年07月25日

    朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足で歩く動物は何か。このアルバムを聞くとそんななぞなぞを思い出す。朝に聴けば1日の活力がわき上がり、夜に聞けば人生の終わりを想起させられる、YESミュージックの王道だ。久々の傑作。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに 共感する

  • ★★★★★ 

    SHIG  |  川越市  |  不明  |  2000年11月21日

    正直言って、前作の出来から言って期待していなかっただけに、見事にその「期待」を裏切ってくれた作品。 1曲目はイエスのエッセンスが凝縮された複雑な展開の作品で、オールド・ファンも満足!。その他の曲も適度にプログレ、適度にポップで非常に聴き易いです。 イエス

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに 共感する

  • ★★★★★ 

    KKB  |  川崎市  |  不明  |  2000年11月13日

    「ロンリー・ハート」のポップ的要素と,「危機」のドラマ的要素 が集約された,アルバムだと感じた。 これぞ,YESサウンド!!!。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに 共感する

  • ★★★★☆ 

    黒のワルツ四号  |  松本市  |  不明  |  2000年07月29日

    いい!もっと話題になってもいいのに、やっぱり若い人たちには受け入れられにくいのかなー。数あるイエスのアルバムの中でもでも5本の指に入ると思う。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに 共感する

検索結果:16件中1件から15件まで表示