折口信夫 秘恋の道

持田叙子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784766425321
ISBN 10 : 4766425324
フォーマット
発行年月
2018年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
478p;20

内容詳細

魂を乞う、“恋”のひと―折口信夫の思考とことばに燃える恋情が隠されていた。大阪の少年時代から、若き教師時代、そして晩年まで、歓びと悲しみに彩られた人生をたどる、渾身の評伝/物語。

目次 : 恋の宿命/ 痣ある子/ 名と家と、生殖の苦と/ 内なる女性の魂、えい叔母/ あかしやの花の恋/ 歴史家への志/ 炎の帝都へ/ 霊と肉/ 劇作への夢/ 先生〔ほか〕

【著者紹介】
持田叙子 : 1959年東京生まれ。近代文学研究者。国学院大学兼任講師、毎日新聞書評担当者、三田文学理事。慶應義塾大学大学院修士課程修了、国学院大学大学院博士課程単位取得修了。1995〜2000年『折口信夫全集』(中央公論社)の編集・校訂・解題執筆をおこなう。『荷風へ、ようこそ』(慶應義塾大学出版会、2009年)で第31回サントリー学芸賞(社会・風俗部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 井月 奎(いづき けい) さん

    折口信夫というのはいびつな魂を内包した人で、青年に恋する同性愛者であると同時に、青年に対して自らの経済や時間を惜しみなくつぎ込み育み、導く強い父性の持ち主でもあります。恋と肉欲に苛まれ、苦しめられ、人に笑われてもこの詩人で学者、痩身の知の巨人は知ったことではありません。学問や芸術よりも恋を重く見ています。それは彼が魂をこそ日本人が自己を確認する際のよりどころであり、その魂をぶつけ合い、砕けあい、それでいながら乞うことこそ人が人とつながる意味、つまり恋であり命の味わいだと信じているからに他なりません。

  • trazom さん

    これはいい評伝だ。折口信夫について多くの新発見がある。これまで、信夫は単なる同性愛者(男色)だと思っていたが、両性具有なんだ。だから、信夫の古代研究の中で、男の万葉集と女の源氏物語が見事に共存する。柳田國男との関係も微妙。信夫は、柳田学を自分と同じ実感の学と捉えようとするが、師の國男は「折口君という天才が直感する一回性の論理を、民俗学の本質だと言われるのは困る。事実の背後を読み取る帰納的な文化科学が民俗学だ」と突き放す。恋と知が一体となった折口信夫・釋迢空の「秘恋」が見事に描かれた素晴らしい一冊だと思う。

  • ちゃっぴー さん

    折口信夫の評伝。「花を恋うこころも人を恋うこころも忘れちまった日本ならいっそさっぱり死んじまえ」恋に関しては堂々としていて無垢だった折口。弟子思いでもあり、そこに同性愛の恋愛感情も入り複雑だっただろうな。恋の源は、人が人の魂を恋い求める「魂乞い」。挫折本になった「死者の書」また読んでみたくなった。

  • wakazukuri さん

    正直「折口信夫」をあまり認識していなかった。有名な歌人がたくさん出てきて、凄い人だったんだと改めて認識。短歌に疎く、序盤はなかなか読み進まなかったが、彼の生活や性格、また恋愛感情や師弟愛など、特異性も見えるが、興味深く読めた。

  • さいとうさと さん

    折口信夫が大阪の商家の出、というのが頭の中で繋がってなかったのが、腑に落ちました。登場する古典も彼の著作も、読んでいないものが多くて読書欲をかき立てられます。 たぶの木の前で藤井春洋を「発見」するくだりの美しさ、空襲のなか源氏物語の講義を続け、焼け落ちず残った学舎で戦若者たちを待つ姿に「ええ先生やなあ」と思う反面、圧倒的な力で人の人生を変えてしまう先生にもし我が子を預けるとなったら、親としては複雑だな……とも思わされます。 カバーをめくると自筆原稿の流れるような筆跡を見ることができます。

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