医療とは何か 現場で根本問題を解きほぐす 河出ブックス

行岡哲男

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309624471
ISBN 10 : 4309624472
フォーマット
出版社
発行年月
2012年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
222p 19cm(B6)

内容詳細

医療不信、医療崩壊が叫ばれて久しい。現代医療の欠陥とはいったい何なのか?問題の根本には、医療現場で「正しい判断」が可能だという誤解がある、と著者は言う。そもそも「病気」とは何か、医療はどう移り変わってきたか、現場では実際にはいかにして意思決定が行なわれているのか―。救急医療の第一人者が、圧倒的にリアルな現場ストーリー「『私』の『たらい回し』事件」から説き起こし、現象学と言語ゲームを手がかりに、徹底的に現場で磨きぬいた原理的思考を展開。来るべき医療のかたちを照らし出す。

目次 : プロローグ 「私」の「たらい回し」事件/ 第1章 「病気」とは何か/ 第2章 医療はどう移り変わってきたか/ 第3章 医療を哲学する―現象学と言語ゲームを手がかりに/ 第4章 新たなパラダイムの芽/ 第5章 「正しいと確信する判断」はいかにして可能か/ 第6章 これからの医療のかたち/ エピローグ 「私」の確信

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • アキ さん

    救急医療の現場で30年以上働いて来た中で見つめた、医療とは何かという問い。プロローグは救急の修羅場ともいえる現場の状況から始まる。現代の医療は1639年デカルトが主観によって客観に関する「正しい判断」を蓄積する科学を出発点としている。19世紀には細菌学から「魔法の弾丸」を撃ち抜くことで病気を治癒できると考えられ、20世紀の外科学に発展した。しかし病気には身体の不都合だけでなく、不条理感、自己了解の変様の要請があり、それらの影が20世紀後半に顕在化してきた。「白い巨塔」で内科の里見修二が良医なのは→

  • ステビア さん

    現象学と言語ゲームの視点を医療に導入。「正しい判断」から「正しいと確信する判断」へ。…こんな大仰な道具を持ち出さなくても説明を尽くして患者さんと合意形成をしましょうという話と変わらないんじゃないの?という気もする。医療関係者が読んでが読んでどう思うか知りたい。

  • またの名 さん

    「治るか治らないかは、治療してみないと分かりません」と曖昧でも「大丈夫治ります」と断言されても「治癒率90%だから大丈夫でしょう」と言われても、患者の求めをどこかハズしてる実情。何かがおかしいと感じてた著者は現象学の議論と言語ゲームの概念を用いて、医療で正しい判断は不可能という地点に立って治療者も世間も患者も参加する医療の言語ゲームを変更しようと提唱。納得を確かめ合う言語ゲームと命名した新しいモデルに期待が湧くけど、どこまで現実に有効かはなんとも言えない。治療する側もされる側も大いに啓蒙が必要になるはず。

  • SGM さん

    ★★☆本書の提言はつまりはshared decision makingなのかなという感じ。医療者も患者と同じく「正しい判断」(主客一致・因果関係的な正答)はわからない。もちろん患者よりは専門的な知識や経験があるため、「正しいと確信する判断」(直観+直観を支持する客観的事柄)は可能であり、それを患者と共有しながら意思決定するプロセスが肝要とのこと(本書では「納得を確かめ合う言語ゲーム」)。直観に関しては『身体知性』(佐藤友亮 著)を合わせて読むとさらに思索が広がるような気がする。

  • yutayonemoto さん

    3年半ぶりに再読。医療現場での正しい判断の不可能性を現象学と言語ゲームを基に記述している。(竹田)現象学はこの数年取り組んでいるので腑に落ちたが、言語ゲームについては納得した理解が得られなかったので、周辺の勉強もしようと思う。救急医療とリハビリテーション医学の違いを対比しながら考えて読めたので良かった。今後引用することがあると思う。

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