オクテイヴィア・E・バトラー

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キンドレッド 河出文庫

オクテイヴィア・E・バトラー

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309467443
ISBN 10 : 430946744X
フォーマット
出版社
発行年月
2021年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
542p;15

内容詳細

二十六歳の誕生日をむかえた日、黒人女性のディナは、突然十九世紀初頭の奴隷制下の地へタイムスリップし、ルーファスという白人少年の命を救う。ルーファスは、黒人奴隷を多く抱えた農園主の息子であった。一世紀の時を超えた彼の元への、重度なるタイムスリップの理由が、次第に明らかになってゆく。人間の本質を問う、アフリカ系アメリカ人SF作家の金字塔。

【著者紹介】
オクテイヴィア・E.バトラー : 1947年生まれ。アメリカのSF作家。アフリカ系アメリカ人かつ女性としてはほぼ唯一、数多くの実績を残したSF作家であり、2006年に59歳の若さで亡くなった後にも伝説的な存在として広い読者を持つ。「血を分けた子ども」でヒューゴー賞、ローカス賞、ネビュラ賞を、「話す音」でヒューゴー賞を受賞

風呂本惇子 : 1939年生まれ。アメリカ黒人文学、カリブ文学研究

岡地尚弘 : 1950年生まれ。アメリカ文学研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • buchipanda3 さん

    もし現代の黒人女性が奴隷制度の残る19世紀初めにタイムスリップしたら、という物語。倫理観が大きく違う世界に飛び込んだ時の混乱と不安は相当なもの。主人公のデイナは自由証を持たないため常に売られる恐怖があり、一方で目の前の理不尽さに怒りを持つ。さらに不思議な現象の元である白人のルーファスとの関係は奇妙で複雑な感情に包まれる。彼女が彼と何度も口論するが袋小路な感じ。それでも著者の思いとして、徒労もあるが将来への希望の作用を願ったのでは。現在は未来の過去であり、今、何を意識するべきかと問われているのかもと思った。

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    自分の祖先であるルーファスが危機的状況に陥った際に召喚されるデイナ。それは忌まわしき血の絆でもあった。ルーファスにケヴィンへの手紙を託す、当時の黒人としての振舞から無謀に逸脱するデイナの楽観視性に苛々しました。特にパトローナー(白人)を打ちのめした時は最悪の罰が幾パターンも脳裏を過ぎり、吐き気を催す程、無謀だ。しかし、暴力を受けて奴隷に甘んじるしかない所まで萎縮していく心の裡が居た堪れない。また、デイナがいたルーファス達が経営する農園は当時としてはかなり、黒人に対して良心的な部類なのが根深過ぎるよ・・・。

  • チャーリブ さん

    ジャンルとしてはタイムトラベル小説ということになるでしょう。黒人女性ディナは、19世紀初頭の奴隷制度下の地にタイムスリップして、ルーファスという白人少年の命を救います。ルーファスはプランテーション農園主の一人息子で、何故かその命の危機になるたびにディナは過去に呼び戻されてしまいます。彼女は、当時の奴隷制の社会で過酷で屈辱的な体験を強いられるのですが、読者もまた彼女の目を通して当時の奴隷制の非人間性を目の当たりにします。最後のディナの逡巡は読者の迷いでもありますが、彼女の選択は正しかったと思いました。○

  • ざるこ さん

    黒人のデイナは突然19世紀初頭へタイムスリップする。否応なく何度も招喚され、ある条件でしか現代へ戻れない。奴隷制下の米国南部。鞭のしなる音や呻き声が聞こえてきそうな描写がつらい。奴隷は「所有物であり財産」それが当然であるという思考が恐ろしくてたまらない。この数百年で少しの進歩はあるようだが人種差別の歴史の根深さを改めて考えさせられる。農場主と黒人奴隷という関係に憎しみと血縁による親しみとで複雑に揺れ動くデイナの感情はとても読み応えがある。奇妙な時間旅行の理由は読者がさまざま想像すればいいことかと。

  • 小太郎 さん

    前から読みたいと思っていて河出文庫で復活したので読んでみました。SFとしてはありがちなタイムスリップ物。ロスに住む26歳の黒人女性が主人公のデイナ。彼女がタイムスリップした先が1815年のボルチモア、奴隷制度が盛んな時期でした。そこでデイナが直面する黒人への過酷な境遇、ここが一番の読み処かもしれません。40年前の作品とは思えないほどのリーダビリティでした。アメリカは映画にしても小説にしても奴隷制のモチーフにしたものが多い。これはいまだに人種差別の翳を引きずっている現況を反映しているんだろうな。★4

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