ガッサーン・カナファーニー

人物・団体ページへ

ハイファに戻って/太陽の男たち 河出文庫

ガッサーン・カナファーニー

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309464466
ISBN 10 : 4309464467
フォーマット
出版社
発行年月
2017年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
296p;15

内容詳細

悲劇的な親子の再会を通して時代に翻弄される人間の苦しみを描いた『ハイファに戻って』、密入国を試みる男たちの凄惨な末路を描く『太陽の男たち』ほか、世界文学史上に不滅の光を放つ名作7篇を収録。若くして爆殺された伝説の作家による、パレスチナ問題の苛酷な真実に迫る衝撃の作品群。

【著者紹介】
ガッサーン・カナファーニー : 1936‐1972。パレスチナに生まれ、12歳のときユダヤ人武装組織による虐殺を生き延び難民となる。パレスチナ解放運動で重要な役割を果たすかたわら、小説、戯曲などを執筆。36歳の若さで自動車に仕掛けられた爆弾により暗殺される。遺された作品は現代アラビア語文学を代表する傑作として評価されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • buchipanda3 さん

    作品集。著者はパレスチナに生まれ、難民となった経験を持つ。収録作には彼の実体験を元にした話もあれば、ずれた目線を投じる世界への皮肉や大きく報じられない個々の家族の悲しい物語が描かれ、やるせなさと共に終わりの見えない虚無感に囚われた。「太陽の男たち」では灼熱の砂漠の中を走る張り詰めた描写が印象的。それが男たちの交錯した思いの行く先をより強烈なものとした。どの物語も悲しさだけではない。「ハイファに戻って」の父親が自らの感情が揺れる中で人間の咎を問う姿。その声の叫びは解説にもあったが狂おしくも正気の声なのだ。

  • アン さん

    イラクのバスラからクウェイトへ密入国をはかったパレスチナ難民の凄惨を極めた運命を描く「太陽の男たち」。焔のような太陽が照りつける砂漠。生命の危険を伴う事態に焦燥感が駆られ、悲痛な叫びが胸を貫きます。20年前、突如としてアラブ人地区に砲弾の雨が注ぎ、イスラエル軍の攻撃により、怒涛に押し流され祖国を追われた夫婦と息子との悪夢のような物語「ハイファに戻って」。ナイフのような鋭利さでよみがえる過去が生々しく、生き別れた息子との再会は悲劇的で、言葉にならない思いがこみ上げて来ます。パレスチナ問題に迫る短編集7編。

  • nobi さん

    冒頭の「太陽の男たち」強烈。中東の太陽は灼熱地獄と砂塵をもたらし、人間からは繊細さと優しさを奪う。生存の限界ぎりぎりの時間が迫るのをうすら笑う輩がいて、稀に残った良心が抗い悶える。その対比さながら、反知性的世界にカナファーニーという強靭な文学的知性が挑むかのよう。緩から急へ、強拍・弱拍の連鎖、現実に紛れ込む空想、等切迫度を高める構成の妙に気づいたのは読み終えてから。「ハイファに戻って」他の短編でもパレスチナの過酷な現実に粛然とする。この作家はパレスチナを愛している。それでもユダヤ人を敵として描いていない。

  • syaori さん

    自身も12歳で難民となったパレスチナ人作家の短編集。語られるのはイスラエルにより故郷を追われたパレスチナ人の「無念と不幸」。それは「堅固に構築された幸せな家庭を」根こそぎにされ、子供にシャツや食物を買えず、選挙権もなく誇りも「これっぽっちも与え」られないということ。それらが子供や難民児童の学校の教師など様々な視点・角度から描かれて、やるせなさばかり積もってゆくよう。少年の胸にたたみ込まれた悲劇を描く『路傍の菓子パン』、正義とげっそり痩せた息子への思いの間を揺れる『盗まれたシャツ』には特に胸をつかれました。

  • ちえ さん

    パレスチナについて何も知らなかったと知る。その凄惨な終わりに言葉を失う「太陽の男たち」オレンジが全く別の意味を持つようになる「悲しいオレンジの実る土地」親子の再開が悲劇的なものとなる「ハイファに戻って」国とは、土地とは…。後書きの難民の青年の言葉、問いかけにまた心を抉られる。語られている物語は一民族だけではなく私達皆の物語。パレスチナ生まれの作者は12歳で住んでいた村への虐殺事件で難民となりパレスチナ解放運動で重要な役割を果たしながら小説、戯曲を執筆。36才で自動車に仕掛けられた爆弾で暗殺された。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品