パノラマニア十蘭 河出文庫

久生十蘭

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309411033
ISBN 10 : 4309411037
フォーマット
出版社
発行年月
2011年09月
日本
追加情報
:
15cm,330p

内容詳細

フェミニズムからマチスモまで、真摯にしてかつ一筋縄でいかぬ10の物語。読者の期待を裏切らない、至高の傑作小説群。

【著者紹介】
久生十蘭 : 1902年、北海道函館生まれ。作家。函館新聞社に入社後、上京、岸田国士に師事。渡仏し、演劇論を学ぶ。帰国後、『悲劇喜劇』の編集に従事、演出も手がける。『新青年』などで言語実験を駆使した推理小説、伝奇小説、珠玉の短編群を発表。1957年死去。主な作品に、「鈴木主水」(直木賞)、「母子像」(国際短編小説コンクール1位)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • sin さん

    不幸にも先の大戦でなし崩しになってしまった感はあるが日本人が西洋に対して果敢にコミュニケーションをとれた時代…大戦の中で翻弄される男女…与えられた役割を果たそうとして丸太船でオーストラリアを目指す者達…戦地に赴いた夫の生死を確かめるために後を追う妻…等々、それらをうかうかと読んでいるとそっけなく突き放される。十蘭の筆はそれも人生、これも人生と次から次に繰り出してきて、ことの成否は問わないが読む人間の心情に語りかけてくるように感じる。そこにその時代を生きた人間が見えるようだ。

  • HANA さん

    巴里の肝っ玉母ちゃんや戦前における貴族の最後の残光、時代小説とバラエティに富んだ内容。三一版全集に含まれていない(と思う)ものばかりで素晴らしい。内容は十蘭らしくシニカルなものが多いが、異色なのは「田舎だより」。妙なことに右往左往する村の人々や妙なところで気を張る主人公がなんともおかしく声を出して笑ってしまった。十蘭がこんな作品も書いているとは・・・残りの短篇集や果てには全集も読みたくなってくる。

  • あかくま さん

    十蘭には見慣れぬ日本人がよく出てくる。渡航が今ほど自由ではない時代に、海外に暮らし、外国にかぶれたりむやみに有難がったりもせず、また、ことさら日本を美化もしないし卑下もしない。「日本人たるもの」のように大上段に振りかぶった生き方ではない。苦悩はあっても、それはあくまで個人としてのもの。馴染みのない高等遊民。戦後直ぐに十蘭を読んだ人たちは、どう感じたのだろう。このグローバル化した今でさえ、驚きを禁じ得ない題材と人物像・。恐るべし十蘭。『「女傑」号』の痛快なこと!『幸福物語』異色の戦時下恋愛小説に溜息が出る。

  • しろ さん

    ☆6 言い表しにくい面白さだった。いくつか合わない短編もあったけど、いい一冊。登場人物の感情の起伏が少なくて(描写の上ではそう見える)、いろんなことが起きてるのに淡々と進むように感じる。解説の通り、それは夢の中の出来事かのよう。味わいの違う短編だけど、終わり方が全てあっさりと煙に巻くから、一貫して変な心地にさせる。シリアスな笑いであったり、華麗な雰囲気であったり、しんみりさせたりと計算して雰囲気を変えていくのが凄いと思った。『「女傑」号』『手紙』『重吉漂流紀聞』とか良かったなー。

  • ovonkovon さん

    笑劇から無惨な物語まで、飄々とした筆致で冷徹に綴っている。大戦を挟んで活躍した作家なのだが、時代柄、主張の激しい小説が主流だった中、ここまで洗練された筆と話の運びをできるというのもすごい。よく「え、ここで終わるの?」というところで終わるのだが、それ以降の話をどう妄想しても野暮ったくなる。煙雨の中に滲んでいくような、余韻を残して終わるこの終わり方がベストなのだ。何も足せない、何も引けない。 順番として「巴里の雨」→「風祭り」には嘆息し、「重吉漂流紀聞」→「ボニン島物語」には心が重くなった。地獄には底が無い。

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人物・団体紹介

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久生十蘭

1902(明治35)年、現在の北海道函館市生まれ。本名、阿部正雄。東京の聖学院中学校を経たのち、帰郷して函館毎日新聞社に勤務。28(昭和3)年、新聞社を退社して上京し、岸田國士に師事。パリでの遊学も経て演劇界で活躍する。34(昭和9)年に「新青年」にて「ノンシャラン道中記」の連載を始め、次第に小説の

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