母の発達 河出文庫

笙野頼子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309405773
ISBN 10 : 4309405770
フォーマット
出版社
発行年月
1999年05月
日本
追加情報
:
15cm,188p

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読書メーターレビュー

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  • 新地学@児童書病発動中 さん

    これまで読んだ本の中で、最も風変わりで可笑しかった小説。殺したはずの母親が「くんすに」のお母さん(?)、葱のお母さん、返事のええお母さんなどに増殖していく。女性を枠の中にはめ込もうとする、この社会への作者の強い怒りを感じた。同時に自分の中にある母性に対する信頼と愛情も描かれている。

  • 青乃108号 さん

    火葬場で焼かれた父の遺骨の中から見つけた、喉仏。首の辺りの小さな骨は、あたかも小さな仏様がちょこんと座っているようで、かわいい、と俺は思った。いつも偉そうだった父がこんなに小さくなって。母の縮小、母の発達、母の大回転音頭。いずれも著者が母の遺骨から喉仏を拾い出しああ、お母さんこんなに小さくなってと三日三晩寝ずに一気加勢に書き上げたような。ちょっと読んだだけでは意味がわからず二度三度読んでようやく意味がわかっても、そこには何の意味もなかった、みたいな。ほどほどにしておかないと本当に気が狂ってしまう恐怖が。

  • sin さん

    そうだったのか三重県民!などとだまされてはいけない。血液型で断定する性格判断のような県民性は作者自らの出自を、いや語られる描写と大差のない日本国民を貶める為のものであって、そこには文中で語られる母性の破壊との共通点が見られる。同じ女性性である母の破壊はあまりに現代的な私小説であり、50音を羅列し語られる物語は物語それ自体を破壊し読む者にとって、もはやお経の世界である。このすんばらしい垂れ流し私小説をこの世のすべての女性にそして女性な男性に読んでほしい。いや仏壇の前で朗読して聞かせてあげたい三重弁でw

  • tomo*tin さん

    なんだこれは。まったくもって唖然とはこのことである。母は娘により解体され発達し、名付けられ育てられ大回転音頭を踊る。そして、この物語においては概念も言葉も解体され発達し踊るのである。なんかもう色んな意味でレベルが違う。恐ろしい程の瞬発力と集中力に、私は養分が吸い取られる気さえした。ホラーだなと思った矢先に、これはコメディかもと思い直し、けれど最終的に残ったのは何とも言えぬせつなさだった。圧倒的でした。大好きです。

  • みや さん

    母親が縮小して分裂しながら増殖するホラー。最高に狂ってる。凄まじいエネルギーを持つ本。安部公房を読んだ時の感覚と似ており、不条理な世界に眩暈がした。特に五十音の母の物語は狂気の沙汰。だが、根底にあるのは母娘の悲劇で、現代の親子関係への風刺とも取れる。束縛と否定ばかりの母に50歳を過ぎても囚われ続け、大量の母を生み出して必死に社会と繋がろうとする姿は不憫極まりない。独特な比喩表現で煙に巻かれたように奇妙な世界を揺蕩った末に辿り着いた場所が、私にとって決して縁遠いものと思えなかったことが何よりも一番恐ろしい。

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人物・団体紹介

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笙野頼子

1956年三重県生まれ。立命館大学法学部卒業。81年「極楽」で群像新人文学賞受賞。91年『なにもしてない』で野間文芸新人賞、94年『二百回忌』で三島由紀夫賞、同年「タイムスリップ・コンビナート」で芥川龍之介賞、2001年『幽界森娘異聞』で泉鏡花文学賞、04年『水晶内制度』でセンス・オブ・ジェンダー大

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