スターバト・マーテル

桐山襲

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309403069
ISBN 10 : 4309403069
フォーマット
出版社
発行年月
1991年04月
日本
追加情報
:
206p;15X11

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読書メーターレビュー

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  • らぱん さん

    @中編三篇。昭和という時代の姿が生きながら亡者と化した者と文字通りの亡者によって炙り出される幻想譚で、政治色の濃い事件が背景なのだが当時の詳細ではなく、生き残ったものたちの後日譚という体裁で感傷的で抒情的な淡い夢のような物語になっている。登場するのは思想や意志をもった指導者や扇動者ではなく、巻き込まれた者(あるいは巻き込まれたと思っている者)であり、翻弄され傷を負い行き場を失った者たちだ。そこにあるのは憤りではなく哀しみであるように思う。あれはいったい何だったのかという答えの無い問いが余韻として残る。A↓

  • マリリン さん

    佇む情景に添えられた白い薔薇。その香りを纏わせ12年前の記憶を辿り綴る連合赤軍の関わりを思わせる情景は、青年や男女の営みや性と死に淡い雪が舞い降りたような錯覚を覚えた。取り上げたテーマは暗く陰鬱であるが、時を経て死は生を生む境界に佇む著者の視線。春の息吹きであるかのような暖かさが伝わる。12年の営みが、永い時間をかけながら抹殺される事を避けるかのように胎内にひとつのいのちを移し終え、暗闇の中で胎児として姿を整えたものの息吹きは、生れ出るまでに永い歳月がかっても、遠く焦がれるような想いが柔らかい胸を満たす。

  • マリリン さん

    表題作は、浅間山荘事件や成田闘争を思い出した。雪の山荘、天井に逃げた二人、開墾に携わった多くの魂の願い。若く純粋なエネルギーを駆り立てた行動は国家という権力に阻止されたが、鎮魂を祈る著者の心に触れたような作品。「旅芸人」島にまつわる伝説から消された小さな命、生き延びた魂の浮遊とサーカスの一座の絡みを叙情的に描かれた作品が美しい。「地下鉄の昭和」動乱の人生を生きた戦争の傷跡は、復興が進み昭和が終わりを告げても、心の奥に生き続ける痛ましさ。著者の既読作品を含め、聖なる・穴 という言葉に深い鎮魂の思いを感じる。

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人物・団体紹介

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桐山襲

1949年、東京都生まれ。83年「パルチザン伝説」でデビュー。92年、没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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