基本情報
内容詳細
「私は一枚の絵に十年もかけることで知られています。私には絵が終わるときがわかる」心から愛した母バラディヌ、家族の大切な友人だったリルケ、かけがえのない存在の奥方・節子、兄であり友だったジャコメッティ…。静謐なアトリエで絵と向き合い、儀式のような畏怖の念をもって絵画にのぞむバルテュス。晩年を過ごしたスイスの「グラン・シャレー」で、ほとんど知られていなかった私生活から、絵画と芸術に対する思想までをはじめて語った貴重な回想録。ピエロ・デッラ・フランチェスカ、モーツァルト、ドラクロワ、ピカソ、カミュ、マルローといった先達たちとの心の交流を繊細に綴った「20世紀最後の巨匠」の芸術論。
【著者紹介】
バルテュス : 1908年パリ生まれ。本名はバルタザール・クロソフスキー・ド・ローラ伯爵。ポーランド貴族の両親を通じて、芸術家たちと幼年より親交を結ぶ。1921年、猫を主人公とした画集『ミツ』を発表。25年フランス国籍を取得。パリにアトリエを持ち、アルベルト・ジャコメッティと終生の友となる。創作に加えて、舞台装置や衣装のデザインなども手がける。39年兵役のため前線に送られるが、負傷してパリに戻り、戦時中はスイスで過ごす。56年、ニューヨーク近代美術館で個展。61年にはローマのアカデミー・ド・フランス(メディチ館)館長に就任。67年、出田節子と結婚。77年、スイス・ロッシニエールの「グラン・シャレー」に居を構える。世界各地の有名美術館で展覧会を開催し、「20世紀最後の巨匠」として高い評価を得る。2001年没
アラン・ヴィルコンドレ : 作家
鳥取絹子 : 1947年、富山県生まれ。翻訳家。お茶の水女子大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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