太陽が死んだ日

閻連科

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309208619
ISBN 10 : 4309208614
フォーマット
出版社
発行年月
2022年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
339p;20

内容詳細

大地の骨が折れるように暑い七月の黄昏。伏牛山脈のある村で謎の病「夢遊」が伝染しはじめる。昼の世界の秩序は崩壊し、隠された欲望をむき出しにする人々。父母が営む葬儀用品店を手伝う一四歳の少年・李念念は、夢遊をのがれて夜の闇を直視する。遺体を火葬する際に出る屍体の油、葬儀用の花輪や金箔の冥紙、果てしない略奪と殺戮、そして念念の隣家に住む著名作家の閻連科…。夢遊の闇を取りはらう太陽は果たして生き返るのか。現代中国の矛盾を正面から描き、本国では発禁処分の続く作家が到達した奇怪なる最高傑作。閻連科文学の極北、第6回紅楼夢賞受賞。

【著者紹介】
閻連科 : 1958年中国河南省の貧しい農村に生まれる。高校中退で就労後、20歳のときに人民解放軍に入隊し、創作学習班に参加する。80年代末から小説を発表。軍人の赤裸々な欲望を描いた中篇『夏日落』(92)は発禁処分となる。その後も中篇『年月日』(97)など精力的に作品を執筆し、中国で「狂想現実主義」と称される長篇『愉楽』(2003)は、05年に老舎文学賞を受賞した

泉京鹿 : 1971年東京都生まれ。フェリス女学院大学文学部卒業。北京大学留学

谷川毅 : 1959年広島県大竹市生まれ。名古屋経済大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • starbro さん

    表紙のインパクトとノーベル文学書候補作家ということで読みました。閻 連科、初読です。寓話的社会派私小説?、中国の戦後の農村を舞台とした凄まじい殺戮の物語、539人も死ぬとは思いませんでした(驚) こういう小説よりも、村上春樹にノーベル文学賞は獲って欲しいと思います。 https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309208619/

  • ヘラジカ さん

    世界文学屈指の文豪が描く凄絶なアポカリプス。”夢遊”という柔らかな字面からは想像できないほどに、人々は欲望をむき出しにし、秩序と善悪の境界線は崩壊していく。後半は地獄絵図の様相を呈するのだが、原因(病?天候?)や行動原理が曖昧であり、必ずしも単純な「狂暴化」ではないところに、一種祝祭的な華々しさを感じた。並みならぬ筆力によって緊迫感がありながら、童話のようなコミカルさも併せ持つ、これぞ閻連科と唸りたくなるような逸品だった。着実に邦訳が出版されているが、調べるとまだまだ未翻訳の長篇がある。楽しみに待ちたい。

  • 路地 さん

    善悪を問わず、使命感や欲望、隠し持っていた深い罪悪感が曝け出される「夢遊」の爆発的な感染により大混乱に陥る一夜を描く作品。物語とともに進む時刻が記されるのだけど、明け方になり曇りにより陽が差さないことがわかった途端に時刻が進まず止まってしまう仕掛けが面白い。寓話的な物語は『四書』と同様な一方で、詩的で難解な文章で意味をじっくり読むよりも踊るような感覚で半ばハイになって読むのが合う気がする。伏線というには重要すぎる「屍油」のとてつもない使い方がそれだったとは。全く予想外の結末。

  • hiroizm さん

    夢に取り憑かれたままリアルに行動できる奇怪な夢遊病が蔓延、潜在的な不信、恐怖感、暴力性、残虐性を表出した夢遊病者達によって地獄図的に崩壊する中国農村社会を、14歳の少年の視点で描いた世紀末小説。国の法令により土葬から火葬となったことで火葬場の利権を得た冷酷な叔父や、隠れて土葬する村人を密告して大金を稼ぐ父など、随所に散りばめられた暗喩的な設定が興味深い。どこかいびつな文体も慣れてくると不思議と高揚感が出てくる。また凄惨で壮絶な終盤はただただ悶絶、このような小説をよく思いついたものだと絶句する。閻連科凄し

  • ROOM 237 さん

    村民全員が夢遊病になり略奪暴力が横行する一夜を、葬儀用品店の一人息子の視点で語られる著者お得意のマジックリアリズム小説。少年の親戚が営む火葬場で出た大量の屍油の行方が昔話みたいな結末で良かったし、スペシャルゲストの登場に湧き立ったが、あとはずっと暗くて辛いw。起きて理性が働いてる間に出来ない事、夢に見た事を夢遊中にしてしまうのは罪に問われないのか?ふとゲーテの言葉が過ぎる…「人生には2つのことしかない。やりたいけどできない。できるけどやりたくない。」個人的には…「やらなくていいことをあえてやる」も追加で。

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